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Photo by
toriumiyusa
「で、着物でどこ行くの?」問題を読んで「何でわざわざ浴衣なんか着るの」発言を思い出す。
ごく当たり前の普段着として着物が着られたらいいな、とは思いつつも初期費用と維持費および必要労力に挫けてうずくまるのが毎度のパターン。大ざっぱを地で行く人間にとってあれは立派な高難度デス。
目にとまったのは偶然。
「で、着物でどこ行くの?」
今はもうやめてしまったけれど、夏場、ふいに思い立ったように浴衣を引っ張り出して出かけるたびに言われた。
「何でわざわざ浴衣なんか着るの」
当然ながらカチンときた。
「別に意味なんてありませんが何か?」
唐突に浴衣を着たくなったから着て、何となく出かけたかったから出かけた。その程度の理由で十分だろう。ただ、本当に何も考えずに出かけた結果、歩き疲れて目の前にあったカフェに駆け込んだことはある。わらび餅が評判の和風なお店だった。出かけに投げられた台詞にもやもやしていたので抹茶パフェで鬱憤を相殺したのを覚えている。人生初のわらび餅は美味だった。
今年はコロナの影響で「とうかさん」が中止になり、予算もないのに新作浴衣を見て歩き回ることもできない。見て回るだけでも楽しかったのに。もちろん未練もあった。年齢に関係なく唐突に浴衣を着たくなる瞬間が毎年あるのだ。それも反物から仕立てた浴衣を。しかし、最近は大半が既製品で反物を見なくなったのが寂しい。もっとも反物から仕立てた場合は最低でも三万は吹っ飛ぶのだが……
【約4万吹っ飛ばしたが後悔は微塵もない浴衣】
多分、「正しい着付け云々のとおりにはできませんが何か不都合でも!」と吹っ切れてしまえば楽になるのだろうけど……。
そして性懲りもなく今年も思う。
せめて夏の間くらいは浴衣であちらこちらしたい、と。
でも、今年はコロナの影響もあってマスクがあるからなあ……
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