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弱者アンドロギュノス(あるいは弱者中性)

「オイディプスでイきたい。
オイディプスにぶち犯されたい。」
と、父親は云いました。

「オイディプスで逝きたい。
オイディプスにぶち殺されたい。」
と、母親は云いました。

しかし、父親も母親も、実は同一人物でした。

「オイディプスで生きたい。
オイディプスで死にたい。」
と、一人暮らしの両性具有者は、我が子オイディプスを想いながら云いました。

しかし、このアンドロギュノスには、実は子なんていませんでした。

「魂の懐妊」によって、アンドロギュノスは確かにオイディプスを身籠りました。
しかしその後、神託を受け、人工妊娠中絶によって堕胎します。
そして、実体を伴わない、オイディプスのイデアだけが生まれました。

不幸なことに、幸せになったアンドロギュノス。

消費されたがる弱者男性のアニマが濡れている。
消費したがる弱者女性のアニムスが勃っている。
生殖を繰り返す両性具有の欲望に、
ユートピアとディストピアのコンプレックスを。
近親相姦と親殺しの物語を。

死産した我が子のイデアに囚われて、
思弁の獄で、死ねず仕舞いで。

ああああ
ああああ
ああああ
ああああ

サルマキス

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