統合失調症でも楽しく生きられるVol21

「科学的に幸せになれる悩磨き」 岩崎一郎著

脳の回路にポジティブな変化をもたらす「感謝」

恩恵的感謝と普遍的感謝

感謝することの大切さは、色々な本に書かれていて、「いまさら・・・」と思うかも知れません。しかし常に感謝の気持ちを抱くことは、脳機能を高め、脳を全体的に働かせることに役立ち、心と体にさまざまなメリットをもたらします。

感謝には2種類あります。恩恵的感謝と普遍的感謝です。

恩恵的感謝(Doingの感謝)

ポジティブな成果を得たから感謝するというもの自分によいことがあったと解釈できるときに感謝する。所為(Doingに寄るので、「Doingの感謝」と表現されます。

普遍的感謝(Beingの感謝)

感謝の気持ちをいつも感じている心の在り方(Being)のことです。その効果として、「生きていることに感謝」「家族や仲間が存在してくれることや、一緒に居られることに感謝」など、あらゆるものに感謝することができるようになります、ここには、恩恵的感謝も含まれます。


普遍的感謝をしよう

恩恵的感謝だけをしていると、エゴが強くなり、次第に気持ちが暗くなり、長期的には鬱傾向を強くするという研究結果があります。恩恵的感謝だけの人は、何か良いことが起きないと感謝できないので、自分の調子がよくない時や、何か辛いことが起きた時などに特に気持ちが沈んでしまうからです。

一方、恩恵的感謝を含む普遍的感謝をしていると、成長意欲が増大し、困難に立ち向かう勇気が持てるようになります。

「悩磨き」が目指すのは、普遍的感謝です。何か特別な良いことがあったから、何か得することがあったから感謝するのではなく、常に感謝の気持ちを抱いていることが大切です。


感謝の気持ちが、免疫力を高める

常に感謝の気持ちを持つ人は、高い免疫力を獲得できることが、研究で分かっています。

いつも感謝している人は、困難なことに遭遇しても、問題解決に早く行きつくことができ、大変な状況にも順応しやすく、鬱になりにくいという研究結果もあります。

相手に何かをしてもらった時の感謝だけでなく、人生のポジティブな面に気づき、ありがたく思う。そんな感謝の気持ちが大切です。


ものごとをプラスに受け止められる

人生にとても幸せを感じている人(=自分の人生に感謝できている人)は、ネガティブな状況に陥った時でも、前向きに脳を活性化できるということも、研究でわかってきました。

感謝をいつも感じていると、自分のできることをしようという気持ちが強くなります。このような脳の使い方をしている人は、大変な状況に陥ったとしても、ものごとを前向きにとらえ、チャレンジし続けることができます。


ダメ出しよりも感謝を

感謝のもっとも大きなメリットは、意欲がわくことです。

自分への「ダメ出し」よりも、「Beingの感謝」(感謝の気持ちをいつも感じている)人の方が、成長意欲が高く、心が折れにくいのです。

「意欲がわく→実行する→成功する→次の意欲がわく」といった、成長サイクルが回りやすくなります。


感謝の脳回路を鍛える

では、どうすれば、「感謝の脳回路」を鍛え、感謝を習慣づけることができるでしょう?

毎日「感謝日記」をつけるのも、有効な方法の一つです。その日に起きた感謝するべき出来事、感謝したいものごとを綴っていくのです。

「今日も元気に過ごせたことに感謝」
「今日も美味しくご飯が食べられた。ご飯を作ってくれたお母さんに感謝」
「仲間と楽しく過ごせた。どうもありがとう」
といった具合にです。

また、「勇気づけ」の言葉を他者にかけることも、有効な方法の一つです。「勇気づけ」は、アドラー心理学の用語で、他者に対して、その人を勇気づけるような言葉をかけることを言います。

「ありがとう」「あなたのおかげです」という感謝の言葉も他者を勇気づけます。

バスに乗った時に運転手さんに、ありがとうと言う。コンビニに行った時にレジの人に、ありがとうと言う。身近なところから始めればいいのです・

このように感謝することを習慣づけていくと、感謝の脳回路が鍛えられて、あらゆることに感謝できるようになります。

感謝できる人になりたいです!

最後まで読んで下さり、ありがとうございました。


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