生母に会いたい
石垣島に住む生母に会いたい
昨日は仕事でした。「暮島さんがいてくれて本当にありがたい」「暮島さんがいてくれると、なんかホッとする」と、スタッフさんに言ってもらいました。嬉しかったです。
家に帰ってから、石垣島に住む伯父に電話しました。伯父は、母のお兄さんです。生母にはもう16年くらい会っていないのです。
75歳になる生母は、認知症なのです。昨日伯父とLINEのビデオ通話で話したのですが、母の部屋には、人形やら玩具やら、とにかく小物がいっぱい。どうやら散歩に出かけては近所の家の物を持って帰ってきているようなのです。伯父も、伯父の奥さんもそして母がお世話になっているケアマネさんもデイケアの施設の人も頭を痛めているのだそうです。
伯父曰く、生母の認知症は日に日に進行しているのだそうです。私も高齢者の方の施設で働いているので、認知症がどんなものかはよくわかります。生母のことが、とても心配になりました。
「私のことが認識できるうちに生母に会いたいな」と思いました。強く思いました。
「でも、石垣島は遠いよな」
「お金もないよなあ」
「1人で行ける自信がないな」
とも思いました。
世界5大陸で歌われたことがある、私の大好きなシンガーソングライターの阿部ひろ江さんに、「生母に会いたい」「石垣島に行きたい」というメッセージを送りました。
すると、ひろ江さんが、「石垣島に行きましょう」ととてもシンプルな返信を返してくださいました。
「そうだ。石垣島に行こう!」とふいに思いました。お金のことやら仕事のことやら、クリアにしなければいけないことはたくさんありますが、行っておかなかったら、後の人生で後悔することになると思いました。
色々よくしてくださっている伯父やその奥さんにもきちんとお礼を伝えたいし、何より生母に会いたい!会って、私が元気になった姿を見てもらいたいのです。
ひろ江さんは、「石垣島には行ったことがないから、行ってみたい」「できれば、石垣島で歌を歌いたい」とおっしゃいました。
旅慣れたひろ江さんと一緒になら、石垣島に行けるかも!
伯父とひろ江さんと連絡を取って、6月に石垣島に行くことを決めました。
私は生母を恨めない
16年前に生母に会った時は、私の病状がとても重くて、ずいぶんと心配や迷惑をかけてしまいました。今の元気な私の姿を見せて、安心させたいのです。
私が10歳、弟が7歳の時に父と生母は離婚しました。双方の不貞が原因でした。父の不貞が先で、その浮気相手からかかってくる無言電話に生母はずいぶん苦しめられたと後に話してくれました。父との情事を綴った手紙を父のカバンの中から見つけたこともあったそうです。辛かったと思います。淋しかったと思います。
そんな生母が負った心の傷を埋めてくれる男性が現われて、母はその人にすがってしまったのです。大人になって、50年以上生きてきた今の私には、その時の母の気持ちが理解できます。
でも、子供だった私にはそれが理解できませんでした。
「お母さんは、私たちを捨てたのだ」と恨みました。「絶対に会いたくない」とも思いました。
弟は、今でも「あの人(生母)は俺らを捨てた人なんやで。お母さんなんて思わんときいや」と私に言います。
たしかに生母は、私たちよりその男の人を選びました。でも、母は私たちを捨てたのではなく、捨てさせられたのです。私や弟と生きたかったはずです。
今の私は、生母を恨んでいません。恨めないのです。
私自身が息子たち二人を産み育ててみて、子供は特に赤ちゃんの時や幼児の時は、子どもたちから片時も目を離せないということを知りました。片時もです。
私の元夫は僧侶だったので、基本家にいてくれました。子育てにもとても協力的でした。姑もいてくれたから助かることも多かったです。
でも私の父は仕事や出張で不在がちでした。若かった生母にとって子育ては、とても不安なものだったでしょう。でもそれをやってくれたのです。そのおかげで、今の私がいるのです。だから生母には恨む気持ちより、感謝の気持ちの方が今は強いのです。
そして、私も離婚して、息子たちと離れて暮らす辛さと淋しさを味わいました。この辛さと淋しさを生母も経験したのです。
そもそも恨む気持ちが何かを生み出すでしょうか?相手も自分も辛く苦しくなるだけではないでしょうか?
私は生母を恨みたくないし、恨めないと思います。生母が産み出してくれた命を今、こうして生きているからです。
感謝の旅にしたい
そんなこんなで、阿部ひろ江さんと一緒に、6月に石垣島に行くことになりました。
伯父のところに泊めてもらうので、宿泊費はかかりません。ひろ江さんのライブの話を伯父にしたら、「面白そうやね。いいね」と。なので、ひろ江さんの石垣島でのライブも実現しそうです。
なんかトントンと話が進んで、行く日程も決まりました。6月まで、節約してお金を貯めます。
伯父の家ではなく、ヘルパーさんの助けを得ながらアパートで一人暮らしをしている生母。1日は、生母の家に泊まって、美味しいものを作ってあげたいです。
考えてみたら、私が生母にご飯を作ってあげたこと一度もなかったな。料理が得意な私です。生母の喜ぶ料理を作りたいです。
伯父にも伯父の奥さんにもですが、生母にもひろ江さんの歌を聴かせてあげたいです。認知症の母ではあるけれど、その温かな歌詞とメロディーにきっと癒されるはずです。
私は今幸せだと、何度もブログで書きました。本当に幸せなのです。
さっきは、輪島にボランティアに行っていた次男と、電話で話して温かな気持ちになりました。彼や博多に暮らす長男と出逢えたのも、生母が私を産んでくれたからこそ。そのことに素直に感謝したいのです。
6月の石垣島への旅は、感謝の旅にしたいです。たくさんの人たちに感謝の思いを伝える旅にしたいです。
「幸せだな」と口にしていたら、本当に幸せになっていく気がしています。そしてその幸せのベースにあるものは、やっぱり感謝の気持ちではないかな?と思うのです。
ひろ江さん、ありがとう!
伯父ちゃん、ありがとう!
早恵さん(伯父の奥さん)ありがとう!
そして、お母さんありがとう!
最後まで読んで下さって、ありがとうございました。