今・ここを大切に(統合失調症の私のNPO法人設立奮闘記Vol 85)
『深い河』 遠藤周作さん著
やらかした~。
久しぶりにやらかしました~!
統合失調症+ADHDグレーゾーンの私。友達との約束をダブルブッキングしたり、財布を忘れて買い物に行くなんていう失敗はしょっちゅう。周りにいる優しい人たちに助けられて日々暮らせています。
「今日は何もやらかしませんように」と、いつも祈っているのですが、昨日は久しぶりにやらかしてしまいました。
私は料理が大好きです。その毎日の料理に欠かせないのが、齋造酢店の調味酢。これ本当においしくて、便利なのです。齋造酢店は私の親友のさくらの嫁ぎ先の老舗のお酢屋さんです。
ほぼ毎日、料理に使っている齋造酢店の調味酢。一升瓶で1,620円。それが切れてしまったので、仕事の後で自転車で買いに行きました。
昨日はクリニックでスタッフさんとの面談のある日。お店がクリニックから近いので、
「調味酢を買ってから、クリニックに行こう!」
と思って買いに行きました。
一升瓶なので割れたら大変です。
転ばないようにと気をつけて自転車を走らせてクリニックに着いて。
転ばないようにと、とても気をつけて自転車を停めて。
「ホッ」。
自転車のバスケットから、エコバッグに入れた調味酢を取り出して…
とその瞬間、エコバッグごと調味酢を落としてしまったのです!
無残に割れてしまった一升瓶。
クリニックのエントランスはお酢まみれ。
次男がプレゼントしてくれたエコバッグもお酢まみれ。
私の靴もお酢まみれ。
めちゃショックでした。
クリニックのスタッフさんと一緒に、エントランスに散らばった、ガラス片を拾い集めて、水を流して掃除して・・・
「はぁ~、やらかした」
とため息。
もう一度お店に行って、調味酢をゲットし直しました。
1620円×2=3240円。はぁ~。
彼女の事を思い出して
じつは、調味酢の入ったエコバッグを自転車かごから取り出す瞬間、私は別のことを考えていました。意識がそこになかったのです。
考えていたのは、今大好きな彼女さんの事。水曜日に彼女さんが私の家に遊びに来てくれて、とても楽しい時間を二人で過ごしたのです。
私の作ったタコライスとひよこ豆のサラダでラン
チ。
「美味しい!」
と彼女はとても喜んでくれて。
それから彼女が観たかった映画の『翔んで埼玉~琵琶湖より愛を込めて~』をアマゾンプライムで観ました。翔んで埼玉 琵琶湖より愛をこめて : 作品情報 - 映画.com
彼女さんは、滋賀県に住んでいたこともあって、今も山科区という滋賀県寄りのところに住んでいるので、映画が、すごくハマったみたいでした。とても楽しそうに笑って映画を観ていました。
そんな彼女さんを見ていたら、なんかすごく嬉しくて。とても幸せな気分になった私は彼女さんに膝枕してもらって、少しウトウト。すごく優しくて、温かくて、甘い時間が流れました。
彼女を地下鉄の駅まで送っていくときも手をつないで、時々彼女が腕を組んでくれたりして、色々なお店に寄りながら歩いて、いっぱい話して、すごく楽しかったのです。
私も彼女も子供を産んでいるわけだから、
「手をつなぐくらいで、そんなに喜ばなくても・・・」
と思う方もおられるかもしれませんが、なんかときめくのです。鼓動が速くなるのを感じるのです。
ともかくすごく楽しくて幸せだった水曜日。そしてとても可愛くて、綺麗で、優しかった彼女。そんな彼女のことを、調味酢の入ったエコバッグを自転車かごから取り出す時に、思っていたのです。
その瞬間、「今・ここ」に意識がなかった私・・・
大反省です。「今・ここ」に意識を向けることって、すごく大切だと思い知りました。
長男からのメッセージ
そんなわけで、やらかしてしまった昨日はかなりへこんでいました。そんな時に長男からLINEが。
「こないだ仲の良い後輩が急死したんよ。
人間の命はほんま儚いよ。
今を大切にお互い生きよう!」
と。
長男はいま31歳。彼の後輩だから、30歳になったばかりか、もしかしたらまだ20代だったのかも。そんな若さでこの世を去らなければいけなかったなんて・・・長男の後輩も気の毒だったけれど、残されたご両親の悲しみを思うと、胸が痛みました。
私より長男や次男が先に逝ってしまったら、私は生きていけるだろうか?・・・。
長男の言うように、人間の命は、本当に儚いですよね。毎朝ウォーキングしている鴨川の流れや、家の近くの御所の大木を見ていてもそのことをよく思うのです。
「この自然の中では、人の一生なんて、ちっぽけなものなのではないか?とても儚いものなのではないか?」
と。そのちっぽけで儚い一生の中で、私たちはもがいたり、苦しんだり、悲しんだりしているのですよね。
長男の言う通り、「今を大切に」生きたいと思いました。長男の後輩の死に比べるのはおかしいかもしれないけれど、「今・ここ」を意識することの大切さを自分の失敗からも感じました。
深い河
今、遠藤周作さんの『深い河』という本を読んでいます。読書が好きな私に、彼女さんが貸してくれました。
「この本を読んで、感想を聞かせてくれたら嬉しい」
と言って。
私は読書が好きなのですが、小説はあまり読みません。だから借りる時に、
(ちゃんと読めるかな?)
と思ったのですが、この本、すごく面白い!
まだ読み終えていないのですが、遠藤周作さんが持っておられる宗教観や死生観にすっかりハマってしまいました。
人生の意味を求めて、インドに辿り着いた登場人物達の持つ悲しみや痛みを、遠藤さんは圧倒的な文章力で描いておられます。とても有名な本だから、読んだ方もたくさんおられると思います。
「こんな深い本を彼女さんは読むのだな」
というところにも驚きました。まだ知らなかった、彼女の魅力にも触れた気がしています。
この本を読みながら、私の心に浮かんできた思い、それは、
「死って、生きるって何なのだろう?」
「そして、愛って何なのだろう?」
というものでした。
この本を読み終えたからといって、その問いへの答えは見つからないかもしれません。私の人生の残り時間があとどのくらいあるのかはわかりませんが、その残り時間を使って、問い続けても答えは見つからないかもしれません。
でも思うのです。
生きること、死ぬこと、愛すること。
そのすべてを意味あるものにするためにも、私たちは、「今・ここ」を大切に生きていく必要があるのではないか?と。
「今・ここ」を大切に生きていきたいです。いや、生きていきます!
最後まで読んで下さって、ありがとうございました。
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