統合失調症の私が伝えたい5つの事Vol55
73 介護補助職員として就労
資格は取ったが、これからどう動けばいいかわからなかった。私は、まるいクリニックの前川さんに相談した。
「ハローワークの障碍者窓口に行くのも一つだけど、まずは、京都市社会福祉協議会に相談してみてはどうですか?」
と前川さんは言った。
私は京都市社会福祉協議会に電話をして、介護職員初任者研修の資格を取ったこと、元の職場で働きたいことを伝えた。
京都市社会福祉協議会の担当の方は、私がチャレンジワークで働いていた施設に連絡してくださった。そして、施設に空きがあり、面接をしてくださるということを教えてくれた。ただし、
「面接には、前川さんにも同行してもらいたい」
と、いうことだった。そのことを前川さんに伝えて、施設から指定された日に、前川さんと一緒に面接に行った。
面接では、色々なことを聞かれた。
「なぜ、介護職員初任者研修の資格を取ろうと思ったのか?」
「なぜ、介護の現場で働きたいと思ったのか?」
「チェレンジワークで印象に残ったことは何か?」
「介護職員初任者研修の学校で習ったことで一番印象に残っていることは何か?」
など、色々と質問を受けた。私はその一つ一つに自分なりに一生懸命答えた。そして、チャレンジワークで、介護の仕事に興味を持ち、深く学んでみたいと思い、介護の資格を取ったこと。高齢者の方の役に立ちたくて、介護の現場で働きたいと思ったことなどと答えた。
面接を終えて、前川さんに、
「どうでしたか?」
と聞くと、
「バッチリだったと思います。きちんと答えられていましたよ」
と、言ってくれた。なんというか、達成感があった。あとは結果を待つだけだ。
しばらくして、介護施設の施設長さんから、連絡があった。採用の連絡だった。
私は、前川さんと、京都社会福祉協議会の担当の方に、採用されたことを電話で伝えた。二人とも、とても喜んでくれた。私も嬉しかった。施設長さんは、
「最初は、週二回、一回二時間からスタートしましょう」
と、言ってくださった。
こうして、私介護施設で働き始めた。今も、週二回働かせていただいている。少しずつ時間を延ばして、今は一日3時間働いている。時間も短いかもしれないし、日数も少ないかもしれない。でも、介護の仕事にやりがいを感じて、働かせてもらっている。利用者の方から、
「ありがとう」
と言っていただくのは、とても励みになる。
働き始めて、2か月を過ぎたころ、仕事をしていたら、職場の先輩が、
「暮島さん、頑張りすぎていない?」
と、声をかけてくれた。
「大丈夫です。仕事が、楽しいです。ありがとうございます」
と、私は答えた。
「みんな、暮島さんを信頼しているよ。暮島さんが頑張ってくれているのをみんな認めているよ」
と、先輩は言ってくれた。嬉しかった。
(社会復帰なんてできないかもしれない)
と、思って、自分をっ責めて、落ち込んでいた私をこんな風に信頼して、応援してくれる人がいる。それは、本当に嬉しいことだ。介護施設で、利用者の方やスタッフの方から、さらに信頼されるのが、目下の目標だ。その目標に向かって、私なりに日々頑張っている。
ボロボロだった私。無茶苦茶だった私。夢なんて持てなかった私・・・それでも今、生きている。いや生かされている。今、苦しみと悲しみと絶望の中にいる人に伝えたい。
「あきらめないで!」
「歩みを止めないで!」
「あなたを必要とする人が、きっといるはずだから」
と!