この世は生きるに値する(統合失調症の私のNPO法人設立奮闘記Vol60)
『禅の言葉とジブリ』 細川晋輔さん著
ゲートキーパーの養成研修
8月29日は私の誕生日でした。ありがたいことにたくさんのお祝いメッセージを頂きました。こんなにもたくさんの方が祝って下さることをとても幸せなことだと思いました。『ゼロ秒思考』の著者の赤羽さんもお祝いメッセージを下さいました。嬉しかったです。
昨年の約3倍くらいのメッセージの量でした。この一年で私は、ブログやSafe Space ほっこりの活動を通して深く人と関われるようになったからだと思います。そんなご縁の一つ一つに感謝です、
その誕生日の日に、ゲートキーパー養成研修に参加してきました。友達がこの講座のことを教えてくれたのです。
ゲートキーパーって言葉を聞かれたことはありますか?
ゲートキーパーとは、悩んでいる人に気づき、声をかけ、話を聞いて、必要な支援につなげて見守る人のことです。
その役割はとても重要で、増え続ける自殺を防ぐこともできると考えられています。
ゲートキーパーに求められていることは、
①変化に気づく
②じっくりと耳を傾ける
③支援先につなげる
④温かかく見守る
の4つと言われています。私が学んでいるアクティブリスニングがここでもとても重要なのだということが分かりました。
YOU メッセージとI メッセージ
養成研修では、精神科医で京都市こころの健康増進センター所長の香月晶さんの講演と、僧侶で、公認心理士で、高野山大学文学部密教学科教授の森崎雅好の講演がありました。
香月さんの講演では、自殺対策意式調査や、大学生や妊産婦や現役世代や、子供の自殺の現状や国がどんな対策をしているかということについて学ぶことができました。
ゲートキーパーの役割についても学ぶことができました。
森崎さんの講演はすごく印象深いものでした。
自殺の名所として知られ三段壁。そこに自殺しようと訪れた人の話を聞き、思いとどませる活動もされている森崎さん。その活動から思われたことや、心理学的なことに加えて、宗教家としての思いも込めたすごくわかりやすいお話をしてくださいました。
私が特に心に残ったのは、YOUメッセージとI メッセージのお話でした。
「死にたい」
と自分の身近な人が言った時、みなさんならどうされますか?
「そんなこと言わんとき」
「死んだら美味しいもの食べられなくなるで」
「死にたいなんて言わんと、頑張らんと」
と言った言葉を投げかけるのではないでしょうか?
これらは、「あなた」の焦点を置いたYOU メッセージだと、森崎さんはおっしゃいます。このYOUメッセージを投げかけられると、「死にたい」と言った人は、
「自分を否定された」
「わかってもらえない
と思い、よけいに苦しくなるのだそうです。
そうではなくて、「私」に焦点を置いた、I メッセージを伝えることが大切なのだそうです。
「そうなんやね。死にたいと思うほど辛いんやね」
「よく頑張ったね」
と相手の気持ちをまず受けとめてから、
「私は、あなたが死んだらとても悲しいよ」
「私はあなたが死んだらとても辛いよ」
「私はあなたが死にたいというのを聞いて、びっくりしているよ」
というのが、I メッセージです。
アクティブリスニングをして、その人の気持ちをまず受けとめることが大切なのですね。すごく勉強になりました。
この世は生きるに値する
ゲートキーパーの研修で、「生きること」「死ぬこと」について改めて考えさせられた私は、家に帰ってから、細川晋輔さん著の『禅の言葉とジブリ』を読み進めました。すると印象的な言葉が飛び込んできました。
「この世は生きるに値する」。
ジブリのプロデューサーの鈴木敏夫さんの言葉です。
たしかに人生を歩むことは、容易なことではありません。辛いことや悲しいこともたくさん起こります。身をちぎられるような別れによる苦しみを味わうこともあります。それでも「この世は生きるに値する」なのです。
どういうことなのでしょう?
細川さんはこうおっしゃっています。
「仏教では物事を現在進行形で考えていきます。生きつつあることは死につつあること。同じように死につつあることは、生きつつあること。
今日一日生きるということは、間違いなく一日死に近づいている。『生きること』と『死ぬこと』はまさに紙の表と裏のように一体であり、切り離して考えることはできないのです」
「死を充実したものにしたければ、生を充実させればいい。つまり生の充実こそ、死の充実につながるのです。」
「では、生を充実させていくにはどうすればいいか。それは風のように生きていくことだと思うのです。ジブリ作品や、鈴木敏夫さんは、まるで風のようだと私は思います」。
死というまだ来ない未来を思い、恐れるのではなく、「いま・この時・ここ」を意識して、風のように生きていく。簡単なようでなかなか難しいですよね。でも、そんな風に私は生きていきたいと思っています。
吹く風が「熱風」となるように
昨日は、Clubhouseで、理事の仲間3人と話しました。一人は仕事で遅れて入ったので、理事全員とは話せませんでした。その理事には、Clubhouseで話したことを伝えました。みんながいま思っていることなどを知ることが出来て良かったです。
みんなの思いをできるだけアクティブリスニングして聞きました。理事の仲間は得意な分野や経験なども違って、すごくいい刺激を私にくれます。
みんなの話はしっかりする。でも私はブレずに、私なりのリーダーシップを発揮するというか、私がイメージするものを引き寄せていくことを忘れないでいたいと思うのです。
そのことについては、今日 赤羽さんに、Clubhouseのなんでも相談カフェで、アドバイスをいただきました。
赤羽さんのアドバイスは、リーダーシップを発揮して、物事を進めていくときに大切なことは、あどばいすをいただきました。
①明確に自分の意見を説明できるようにすること。
②建設的な意見を言ってくれる人と仕事をしていくこと。
③ネガティブなことを言ってくる人とは、距離を取ること。
学生結婚して、社会経験のない私。チームで何かを作り上げていくのは、このSafe Space ほっこりの活動が初めてです。初めてだから、戸惑うこともいっぱいだし、悩むこともいっぱいです。
いま私は試されているのだと思います。そして試されているからこそ成長できるチャンスなのだと思います。
ひすいこたろうさんはおっしゃっています。しんどい事があった時は、
「何のチャンスなのだろう?」と自分に問いかけるといいと。
頑張ります、私。
「この世は生きるに値する」とたくさんの人に思ってもらえるように!
「ありのままの自分」を受けとめてくれる、心の安全基地をつくっていくために!
そして私たちSafe Space ほっこりが「熱風」を吹かせることができるように!
最後まで読んで下さって、ありがとうございました。