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ひとつにならない(統合失調症の私のNPO法人奮闘記Vol56)

『ひとつにならない 発達障碍者がっセックスについて語ること』 横道誠さん著

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ひとつにならない


またまた面白い本を読みました。横道誠さん著の『ひとつにならない 発達障害者がセックスについて語ること』がその本です。

横道誠さんは京都府立大学の准教授で、発達障害の当事者でアルコール依存症でもあります。発達障害の自助会の「月と地球」を主宰されていて、その自助会に参加したことで、横道誠さんとのご縁ができました。

横道誠さんの『発達界隈通信 僕たちは障害と脳の多様性を生きてます』という本がとにかく面白くて、ブログにも書きました。
淡々と生きてゆく(統合失調症の私のNPO法人設立奮闘記Vol54)|暮島葉月 (note.com)

『ひとつにならない 発達障害者がセックスについて語ること』もすごく面白かった!面白いというより、センセーショナル!発達障害や精神疾患を「性愛」という切り口から書いた本はあまりないのではないかと思います。

この本は、横道さんが、自助グループで知り合ったり、発達界隈で交流してきたりした8人の人たちにインタビューしてまとめた本です。

「なぜ『性愛』という切り口なのか?」ということについて横道誠さんはこう書いておられます。

「発達障害のリアルを、俗っぽい『下ネタ』話になることを恐れずに、そして人間らしい欠点やそれを克服しようとする逞しさを含めて、イキイキと描くことは発達障碍者たちの等身大の姿を提示するうえで最良の方法だと信じている」。

そうなのです。この本に登場する
①バイセクシャルの白髪葱さん。
②元プレイボーイの青さん。
③ノンバイナリー(男性か女性かという二者択一では捉えられない性)のしぇるどんさん。
④愛の当事者研究に励む鷹村了一さん。
⑤元セックス依存症の唯さん。
⑥リスセクシャル(自身は性的欲求があり他者に対して性的な感情を抱くこともあるが、他の人から性的な感情を持たれたくないセクシャリティの事)のぷるももさん。
⑦素人童貞の数独さん。
⑧メンヘラな姫野桂さん。
という個性的な8人の方達の恋愛や性愛歴と、発達障害やほかの心の病で苦悩したことなどを横道誠さんが丁寧にインタビューされて、掘り下げておられます。

横道誠さん自身の『性愛歴』についても赤裸々に描いておられます。ぷるももさんと、横道誠さんが宗教二世であったために、大変辛い苦労をされたことも書かれています。

とにかく、とても心が揺さぶられた本でした。


私自身のセクシャリティ

この本を読んで、私は自分自身のセクシャリティについて考えてみました。私は、自分が
「バイセクシャルではないかな?」
と思っています。

初恋は小学1年生の時。同じ小学校に通う、とてもかわいくて、クラスで人気者の女の子でした。

高学年になって、別の女の子を好きになり、いつも遠回りしてその子と登下校していました。

中学生になったら、ある男の子のことが好きになって告白して、高校1年生まで付き合いました。一緒に神戸までデートしたこともあります。

初体験は17歳の時。ちょっと陰のある、とてもお洒落なクラスメートの男の子が相手でした。

17歳の時にその彼と付き合いながらも、私は女の子の友達に強く心惹かれました。別のクラスだった友達の姿が見たくて、授業を抜け出して、その子の姿を見に行っていました。とてもピュアな恋情でした。

19歳、大学1回生になった私は、東京から来ていた同級生の女の子のことを激しく好きになってしまいました。一人暮らしの彼女の家によく泊まりに行っていました。一緒に勉強している時にベッドに誘われたことがあります。キスはしましたが、それ以上はできませんでした。好きすぎて、愛しすぎていて、それ以上のことはできなかったのです。

彼女はよく、
「葉月が男だったらよかったのに」
と口にしました。その言葉はいつも私を深く傷つけました。胸に激しい痛みをおぼえました。

彼女を恋慕している間も何人かの男性と付き合い、抱かれました。男性たちに対しては、「好き」とか「愛している」という感情ではなかったと思います。

彼女へのたぎる思いを胸に秘めていた時に、私は元夫に出逢い恋をしました。痛みのない穏やかな恋でした。出逢った瞬間に、
「あっ、私この人と結婚する」
と思い、その直感を信じて、彼以外誰も知り合いのいない小さな町の山寺に嫁ぎました。

結婚生活は幸せでした。姑との葛藤はありましたが、二人の息子を授かって幸せでした。

お寺の仕事に加えて、児童英会話教室もしていた私。その教室の生徒の生徒さんのお母さんのことが好きになってしまいました。生徒さんを迎えに来た時に、少しでも話せたら、それだけで幸せでした。すごくピュアな恋情でした。今でも彼女とは仲良くさせてもらっています。


マッチングアプリ

今はやっていませんが、マッチングアプリで次々と男性に会っていた時期がありました。もちろん男性たちに抱かれていました。
「セックスがしたい」
というよりも、誰かに抱きしめて欲しかったのです。私を受け入れて欲しかったのです。切実な承認欲求でした。

一人の男性とは2年付き合って別れました。彼が浮気をしたことが原因でした。

もう一人の人ともやはり2年付き合って別れました。彼のモラハラが原因でした。

Safe Space ほっこりの活動を始めてからは、マッチングアプリで男性と会うことはなくなりました。仲間の存在が孤独感を埋めてくれたのです。あんなに切実だった承認欲求もなくなりました。


今の私の片思い

今は心惹かれている女性がいます。彼女と話すだけで、メッセージが来るだけで幸せな気分になります。

一度二人きりで食事をする機会があったのですが、激しく鼓動が高まりました。本当に素敵な女性なのです。

「彼女が頑張っているんだから、私も頑張ろう!」と、そんな風なパワーをもらえる恋をしています。とても幸せです。片思いだけど、何も見返りを求めていないけど幸せです

「性について」、「性愛について」なかなか語る機会ってないですよね。もしかしたら自分が性的マイノリティーだということで悩んでいる人もいるかも知れません。

そんなことを気軽に話せる場を、Safe Space ほっこりで作っても面白いな~とも思いまし
た。

みんなの力を借りて、みんなの意見を取り入れながら成長中のSafe Space ほっこり。楽しいイベントを色々企画しています。よければnoteの記事を読んで下さい。
ワクワクが止まらない(統合失調症のNPO法人設立奮闘記Vol57)|暮島葉月 (note.com)

最後まで読んで下さって、ありがとうございました

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