見出し画像

私はあなたのことを分かろうとしている(統合失調症の私のNPO法人設立奮闘記Vol80)

京都市ピアサポート基礎研修を受けて

昨日は、2日目の京都市ピアサポート研修を受講してきました。研修は2日間ありました。今日無事に終了したので、修了証書を頂きました。

統合失調症+ADHDグレーゾーンの私。長時間講義に集中するのはけっこう大変だったので、最後まで頑張れたことになんか感動!自分で自分にハナマルを上げたい気分です。お酒が飲めたなら、きっと祝杯ですね。飲めない私は炭酸水で乾杯しました。

ともかくとても内容の濃い研修でした。そして新たな出逢いもあった、とても有意義な時間でした。準備して下さった方や、登壇された方は大変だったと思います。感謝です。貴重な学びの機会が得られたことに心から感謝です。


私はあなたのことを分かろうとしている

昨日の研修では、まずコミュニケーションの基本について学びました。赤羽雄二さんの提唱されている話の聞き方の方法のアクティブライスニングを学んでいる私。コミュニケーションについては、とても関心があります。登壇されたお二人のお話を興味深く聞かせていただきました。

お話を聞いて、心に残った言葉がありました。

1つ目は、京都ユーザーネットワークの高見さんが話された、「『あなたのことは分からないが、私はあなたのことを分かろうとしている』という気持ちや態度で」という言葉です。

この、「あなたのことは分からないが、私はあなたのことを分かろうとしている」ということ、コミュニケーションにおいてとても大切だと思いました。相手への興味関心を持って話を聞く。相手のことをもっと知りたいと思って話を聞く。それは赤羽さんの提唱されるアクティブリスニングにも通じています。

大事なのは、相手を尊重する気持ちだと思いました。そのために「聞く」真剣に聞く。なかなか人の話が聞けない私ですが、「聞く」ということをさらに意識したいと思いました。


障害に責任を持てるようになること

2つ目に印象に残った言葉は、福祉工房P&Pの伊藤さんが話された当事者の方が、「障害に責任を持てるようになることを最終目標にすること」という言葉です。

これは私にはなかった視点なので、とても印象に残りました。

相手の話を尊重しながら聞くことの大切さは伊藤さんも話されましたが、その上で、依存・共依存の関係に陥らないことに注意するということも大切だと、伊藤さんはおっしゃいました。

・当事者の方の心の居場所を提供する。
・共に成長していく関係性を目指す。
・「一緒に頑張ろう」という姿勢を伝える
・相手に同情はしない。
・相手と対等な立場であると意識する。
・相手の生き方に敬意を持つ。
・相手の選択に敬意を持つ。
・解決に至らなくても、悩みごとを共有する。
・自分だけが相手を抱えると思わない。

ということを意識したうえで、相手の「自律」と「障害に責任を持つこと」を最終目標にすることが大切だと、伊藤さんはおっしゃいました。

「障害に責任を持つ」。これすごく大切なことだと思いました。

私は統合失調症なのですが、ありがたいことにオープン就労で働かせていただいています。仲間と一緒にSafe Space ほっこりという「心の安全基地づくり」を目的とした会の活動もしています。どちらにも大変やりがいを感じています

障害があっても自己実現はできるのです。でも、自分は統合失調症という病気があるのだということは意識しています。お酒は飲まないし、睡眠も大切にしています。そして、服薬もきちんとしているし、毎週クリニックのスタッフさんとの面談も受けています。

病状が悪化すると、息子たちがすごく悲しむし、なにより私自身がとても辛いです。

自分には障害があるということを自覚すること、自分の大切な人たちに心配をかけないけないこと。その上で「自分にはなにができるか?」と考えて行動していくことが、障害に責任を持つことなのかなと思いました。


立場の違いにこそ

研修では、障害者が利用できる福祉サービスについても学びました。まず初めに、立命館大学生存学研究所の長谷川唯さんが、障害サービスとピアサポートについて講義して下さいました。

先日の研修でも学んだことでもある、障害当事者が自ら立ち上がって声をあげて国を動かして障害者総合支援法の成立したことについて、昨日も学びました。自ら立ち上がって、声をあげるということは、すごいことだなと思いました。今私たちが享受でしている福祉サービス。その背景にはたくさんの人たちの思いがあったのです。

国は今、ピアサポートの活用を促進しているのだそうです。国が示すピアサポートの意味は、「同じ立場や課題を経験してきたことを生かして仲間を支え合うことなのだ」そうです。

「立場の違いを埋めていくことが差別のない社会をつくっていくこと」、「『私たち抜きに私たちのことを決めないで』という粘り強い戦いが社会を動かしてきた」
「福祉サービスを使うとき、あるいはサポートするときに、主体的に取り組むことで社会を変えていく」

というとても心に残るメッセージを長谷川さんは話してくださいました。

「立場の違いを埋めていくことが差別のない社会をつくっていく」という言葉が特に印象に残りました。その立場にならない分からないことってありますよね?私も自分が発病して、精神障害者と分かったことがたくさんあります。ことがたくさんあります。得た気づきもいっぱいあります。

その他、福祉サービスを利用されている当事者の方の発表や、京都ユーザーネットワークの白田さんによる、当事者の視点から見たピアサポーターの専門性についての講義や、精神保健福祉士の山崎さんによる専門職の立場から見たピアサポートの専門性についての講義がありました。

ピアサポートの専門性の講義は少し難しかったです。でも山崎さんの、「ピアサポーターの存在自体が、多様性を尊重する社会をつくっていく」という言葉に勇気をもらいました。


私にできることは何だろう?

2日間の研修で、とてもたくさんのことを学びました。そして新たな出逢いもありました。自分が進んでいく方向が見えたような気もしています。

「私が統合失調症という病気になったのは、きっと何かの意味があったのだ」

この研修を終えて、そう改めて思いました。

私にできることは何だろう?
私にしかできないことは何だろう?
この学びをどうSafe Spaceほっこりの活動に生かしていけるだろう?

そんな問いを今自分自身に投げかけています。

誰かに関わる時とき、それも生きづらさを抱えた人に関わる時に、
「あなたのことは分からないが、私はあなたのことを分かろうとしている」、そんな気持ちを伝えていけたらいいな。

最後まで読んで下さって、ありがとうございました。

※Safe Space ほっこりのInstagramとnoteです。フォローして下さると嬉しいです。


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?