凄惨な事件の一部始終が撮影された遺留品【ドラマ『オキナワノコワイハナシ 屋敷神』の感想を書き綴る】
『オキナワノコワイハナシ』という番組が沖縄で毎年放映されてるんですね。
地元あるあるなお話なのかしら?
「めっちゃ怖い!」と好評な『屋敷神』というお話を観ました。(2013年の作品です)
確かに、POV方式の撮り方なので臨場感あって怖さが増しますね。
私は、沖縄文化には明るくない地方の民なので、方言が聞き取りづらかったりしましたが、こちらのサイトさんのあらすじネタバレ記事が、とても参考になりました。↓
【hmhmふむふむ】
以下、軽くドラマの流れと共にネタバレを込みで、感想を書いていきます。
◎登場人物
・又吉 則之
又吉家の大黒柱。
今回、国吉から格安で家を売ってもらう予定だった。
この件に乗り気だったのは則之だけ。
偽物ユタの当間を連れてくる。
幽霊に連れ去られ、後に死んでいるのを発見される。
・又吉 小枝子
妊娠中の母親。
当然、古くて住みにくそうな家に不満顔。
則之と共に死んでいるのを発見される。
・又吉 拓
ビデオ撮りたがりな息子。
この子が撮ってたおかげで事件のあらましがテープとして残った。
古い家を見て、早々に帰りたがる。
国吉にハンマーで殴られる。
・又吉 幸
年頃の娘さんで、やや反抗期?
はっきりと引っ越し予定の家屋を嫌がる。
事件後に行方不明となる。
・当間 洋子
気だるげで怪しい雰囲気のユタ。
実は父親が手配した偽物だった。
御願の最中、血を吐き死ぬ。
・国吉 一馬
古民家の家主。
なぜか左腕を怪我している。
人の良さそうな雰囲気だったが、途中から豹変し、又吉一家を殺害したとみられる。
◎だいたいの流れ
この作品は、とある一家連続失踪事件の証拠品のビデオテープという体である。
・又吉一家は売ってもらう予定の古民家へ、ユタを連れて挨拶に行く。
・屋敷神に御願をするということで儀式を始めるが、途中で霊障が起こり中断。偽物ユタは死ぬ。
・母親は陣痛?で苦しみ出し、妹は急に消え、それを探しに国吉は外に出て、父親も忽然と消える。
妹を探して家中の扉を開けてまわる拓。
・増築されたような部分の2階にたどり着くと、そこは異様な部屋。
壁に気味の悪いものが貼ってあったり、ゴミ袋だらけだったり。
そして机の上には「ゴメンナサイ」で表紙が埋め尽くされ、家名が書かれた汚いスクラップブックがある。
中には、惨殺された一家の写真が……
国吉の仕業だと見当をつける拓。
拓は幽霊らしきものに脅かされ、慌てて階下に降りる。
・そこには、様子のおかしい国吉がハンマー片手に佇んでいた。
襲われる!と拓がとっさに逃げ込んだのは隠し扉になっていた暗い部屋。
そこには自身の父母の遺体と、背を向けて立つ妹の姿があった。
・拓は逃げ出そうとするも、国吉にハンマーで殴られ昏倒。
国吉が「お父、もうやめてください」と壊れたテープレコーダーのように繰り返しながら終了。
◎疑問・感想
・まずは……
暑い中妊婦連れ歩いて、どういうこと……!?
あの腹のサイズだと臨月も近いでしょ。
しかも身体もメンタルもボロボロになる出産前後に引っ越ししようという、則之のありえなさに引く。
こういう、考え無しなところが今回の悲劇の要因でもあったんだろうな。
他の家族が全く乗り気でないのに、ゴリ押し……
・ユタの人が塩を所望したのは何だったの?(まあ、偽物ユタでしたが……)
御願しに来たんだろうから、則之が持ってた風呂敷の中に、儀式に使う物一式が入ってたのでは?
それともあのセットは国吉の家の物借りたの?
・あと、沖縄文化のサイトさんをサラッと見てきて思ったのは、あの儀式の供え物は『屋敷神』と『ヒヌカン』のものがごっちゃになってるような……?
『屋敷神』には3段の餅(ウチャヌク)は3つでなく2つで良いらしい。
「神様のお金(シルカビ)」も用意してるようには見えない。
そのあたりがテキトーで屋敷神の怒りをかったのかな……
お供物についてはコチラのサイトを参考にさせてもらいました。イラストで理解しやすい!↓
【おきなわごころ、かみさまとの暮らし方】
・国吉は普段から、あの古民家に住んでたんですかね?
ゴミ大量にあって、使ってない部屋は埃だらけだったけど……
居間とあの2階の部屋だけ使ってたのかな。
家の掃除が行き届いてないのも屋敷神を怒らせそうな要因だよね。
そもそも人殺して血で穢しまくってるしなぁ😓
・御願始まったあたりから、ビデオにノイズ走ったり、霊障始まって、幽霊映したりとおかしくなっていきましたね。
やっぱりナンチャッテ御願が引き金か。
『屋敷神』を怒らせて加護を消されたから悪霊が一気に力を増したのかしら?
・女性の幽霊が途中から出てくるんですけど、一人ではなさそうですね。
これ、国吉に殺された一家の奥さんたち?
女性だけ出てくるのも不自然だけど、どうなんだろ……
2階のジャンプスケアもビビったが、死体部屋の窓に目が映ったのもヒェッとした。
最後のビデオノイズに映った顔は、父親なの?よくわからんかった。
・幸ちゃんは、一体どこに消えてしまったんでしょね。
幽霊に身体乗っ取られちゃったのかな……
今回、連続一家失踪事件の犯人である国吉も死亡してるっぽいので、新たな取り憑き先になったのか?
・そういえば、冒頭のカーラジオで聞こえたニュースは先月から行方不明になってる『金城さん一家』。
又吉家の直前の被害者ですね……
家族構成、服装がスクラップブックの写真と一致してました。
国吉は金城さんに56万で売ろうとしてたみたいだけど、確かに破格だな!
◎国吉の秘密の部屋
拓が色々真相を知った2階の部屋ですね。
めっちゃ不安になるような、気持ち悪〜いお部屋だった(ホラー的には最高)ので、詳しく解説してこうかと思います。
◉◉◉◉◉
・傷んだ板で閉ざされてる窓。
・ゴミ袋がいっぱい積まれて雑然としてる。(そんで、ゴミ袋の中の死体が目一杯脅かしてくる)
・壁にたくさんの目の形をした紙が貼ってある。ちなみに人の顔写真を用いてます。
・小さい黒板みたいなものに気持ち悪い絵や文字が書き殴られている。
判読できた範囲では(「呪呪呪」「イタイヨ」「オカアサン オカアサン」「ミテル」『首吊りの絵』『たくさんの目』『顔をナイフでぶっ刺してる絵』など)
・動物ケージの上にヒマワリで飾られたマネキンの頭部。血みたいなペインティングされてる。趣味の悪いオブジェ。
・人体解剖図のコピーが壁にたくさん貼ってある。
・家の玄関で撮られた三人家族の記念写真。母親、息子、父親。
たぶん在りし日の国吉一家。
父親の顔は掻き消されている。不穏。
・苗字が書かれたタグがついた結婚指輪?×8
・指輪のと同じ苗字が書かれたスクラップブック×8。
表紙を埋め尽くすように「ゴメンナサイゴメンナサイゴメンナサイ」と書き込まれている。
中身は一家の死体写真と、国吉による家族の印象らしきものが書いてある。
文章からは『ヤサシソウナ オトウサン』を羨ましがってるように感じられました。
◉◉◉◉◉
だいたいこんな感じ。
情報量多すぎて目がチカチカするわ!
◎話の真相を妄想
このお話、POV方式なので、説明らしい説明はなく終わって、そこがまた気持ち悪くてホラー!って感じなんですけど作中から拾った情報をコネコネしてストーリーを妄想してみる。
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国吉一馬は本家(むーとぅや)の一人息子。厳しすぎて折り合いが悪い父親と、そんな父を立てる母親に育てられた。
家を継がなくてはいけない身なのに結婚もせず、いい歳になって両親も他界。
優しい家庭にコンプレックスを持った国吉は、破格の値段で古民家を売ると言っては、よその家族をおびき寄せ殺害。「父親の霊に取り憑かれてる」と自己正当化しながら犯行を繰り返す。
そして殺された一家の怨みがうずまく家となる。
又吉一家が偽物ユタを連れてきたせいで、屋敷神を怒らせ、今までは抑えられていた悪霊が一気に噴出。
又吉一家もろとも、国吉を取り殺す。
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という感じはいかがでしょう?😃
ヒトコワとオバケ的怖さが融合した話だとは思うんですよね~
見る価値ありの、秀逸なホラー作品でした!