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<第6話>コミック『金髪の姫将軍は元敵国の好敵手に嫁ぐ』感想

名前で呼び合えるようになり、少しだけ距離が縮まったレオーネとベルトルド。しかし6話はレオーネとクラウディオのやり取りで始まります。

クラウディオは、3話以来の登場でしょうか。3話で登場したときは幼いながらもどうにか王族としてレオーネと接していたクラウディオですが、6話ではのっけからレオーネにキャンキャンと嚙みつきます。
扉が開いたとき足元のクラウディオに気が付かず視線空振りするレオーネの「誰もいない…」も可愛いし、そのレオーネを精一杯威張って見上げるクラウディオも可愛い。めちゃくちゃ全身で叫んでるのが可愛いですね。

おそらく、レオーネのまわりにこんな風に噛みついてくるような子どもはいなかったんじゃないでしょうか。ベアトリーチェがもしかしたら?というくらいですかね…今はお姉さま大好きだけど昔は歳が離れており剣を携える姉を怖いと思っていた時代もあったかも、あっこれ外伝一本書けちゃうな。

脱線しましたが、突然のクラウディオの豹変ぶりに多少戸惑いつつも、冷静に対応するレオーネ。しかし冷静すぎて怒らせてしまいます。レオーネはクラウディオをゼルジオスの王族、自らの仕える相手として真摯に話しているのですが、幼いクラウディオはまだすぐそれに気づくことはできず、見下されていると感じてしまうのでした。

ここでのクラウディオの表情の変化。まずレオーネと対峙したときはキッと彼女を睨みつけており、しかしレオーネが「ベルトルドは出かけたのでは」と言えば一転動揺して不安な顔をして叫び、なぜアルデーリアの姫などと、と口をついたそのときは、まるで泣きそうな表情をしています。
しかし、「我が国を見下すのは許さん」と叫んだときは毅然としており、凛とした瞳で彼女を見据えているのです。そこにはたしかに王者の風格を感じるのです。

ここ、原作ではほぼ地の文がなく、会話のみで進行するところなんです。ですが漫画では台詞ごとにクラウディオに豊かな表情がつくことによって、ただの子どものように癇癪を起し喚き散らすクラウディオが、やはりゼルジオスの王族なのだと読んでいる人にもはっきりと伝わるのです。すごい。

さてっ、ここでルーファスさんの登場ですよ!!にこにこお兄さん!!!
出かけるというベルトルドからの伝言を持ってきたルーファスに、レオーネはベルトルドがあまり寝ていないのではないかと心配します。そんなレオーネを見る意味深なルーファスのまなざし…。一体その眼差しは、レオーネをどのような人間だと捉えるのか。そのにこにこした表情の裏で、彼は何を思うのか…!私にもわからなくてワクワクする!!!

ときおり値踏みするようにレオーネを見るルーファスですが、レオーネもお花飛ばしてにこにこしたり、できるのは逃げることだけというルーファスにどこか戸惑ったというか、彼という人物をはかりかねている様子。しかしここまでにこにこと道化のように接していたルーファスさんが!一変して!!レオーネに耳打ちをする!!!

そう!レオーネ、ちょっと薄着がすぎるよって私も思ってた!!!!あかんて~~~~~~その突然のギャップ~~~~~~心臓ぎゅってしてまうから~~~~~~!!!!!!
しかしそれを言われて、その恰好で昨夜ベルトルドと接していたことに気が付いてそっちに気を取られるレオーネ激カワですね!!呆れられているだろうと思うあたり、めっちゃ意識してますやん~~~って思うけれど自覚はないのですよね…。

さて彼の不在を知ったレオーネは、彼に頼るのではなく自分にできることを探そうとして厨房へ。
歓迎されていないのをわかっていて行動を続けるレオーネっていうのも強いんですが、大人たちに混じって一生懸命働くカーラもえらいな…って厨房のコマを見て思いました。しかも誰も引き受けないレオーネの世話係やってるのもすごいな。内気で物怖じするけど芯はめっちゃ強いタイプだろうな。レオーネに触発されてさらに強く成長しそう…やばいまた一本書けちゃうな。
背景やメインキャラ以外の人たちも含めたその場の雰囲気っていうのが本当にリアルだから頭の中で無限に動き続けてくれる…。

あとここも割と原作だと淡々としたやり取りになっているんですが、コミック版だとレオーネが怯えるカーラを慮るような表情をしていて、また、大ゴマを使って「(そのために)私はここに来た」ということによってより印象深いシーンになっておりレオーネの男前度も爆上がりです…

”他人の価値観を変えることがいかに困難か知っている、でも少しずつでも変えられることも知っている”
ここ原作でもハイライトしてくれてる人がいらっしゃったところですけれど、私もレオーネの性格を端的に表していて気に入っていると同時に
さらっと難しいこと言うな…と思うところでもあります
過去何があったのか、原作では特に触れていないのですが、19ページ左上のコマを見るに「女のくせに」とか「王女様の道楽かよ、いいご身分だなヘッ」とか言われていたんだろうなと…(勝手に台詞を当てるな)
そんな環境から、冒頭から随所に見られるような部下との関係性を築き上げるためにどれだけ傷つきながら努力してきたんだろうな、って思います、そりゃ強くもなりますよね…。

そしてベルトルドの帰還です!!
ねえちょっとベルトルド表情柔らかくなったよね??殿下に接してるときだけじゃなくてレオーネに対しても少し柔らかくなってるよね、何考えてるかわからない鉄面皮だったのが少し感情滲んでる気がするんですよ!?
(それに比例して殿下の表情は悲痛になっていくんですけど)
相変わらず表情は薄いのに、なんとなく感情が見える気がするんですよ!?とかうわーうわーってなってたら

レオーネの「無理をするな」でやられました ハイ

えっ何かな…王子様かな…?
めっちゃ心臓キュンってしたけど。これ絶対ベルトもキュンってしちゃうじゃん…よく平静保っていられるな、鋼の理性かよ……。

ここも、原作ではめっちゃ淡々としているんですよね、あの原作がこんなシーンになるなんて劇的ビフォアフですよ匠……

今回、殿下、ルーファス、カーラはじめ使用人、そしてベルトルドと、色んな人々とのやり取りがめっちゃギュッって詰まってるんですけど、これだけ盛りだくさんなのに全然駆け足じゃなくて、それぞれがとても印象的なシーンを含めてすっごく丁寧に描かれているんです。原作では16ページ分くらいでしょうか、これまでに比べてかなり大きく進んでいて、ルーファスのシーンまで増えているのにめちゃくちゃ濃いんですよ。ギュンッって来るシーンがめっちゃくちゃに多いので、かなり読み応えのある回になっていると思います。

是非何度も読んでみて下さい!!

6話感想 終


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