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【はだののつぶやき(番外編)】我が子が小児がんと診断されたら
長女のこいも1号の入院生活がスタートして、もうすぐ2か月。
1日1日がとても濃い毎日だったのに、気づけばもう5月の半ばで、なんだかフシギな感じがします。
とりあえず、娘、本当に、本当によく頑張っています。
やっと生活ペースができてきて、気持ちも落ち着いて、親としてやるべきことをしっかりやらねばとお金関係、手続き関係に着手。
「自分の子どもが癌になる」なんて、思ってもみませんでした。
むしろ、食事や生活習慣に気をつけていた私、ある意味、傲りもあったよなってくらい、遠い世界の話って気がしていました。
「我が子が小児がんと診断されたら」
あまりに想像していなかったことだっただけに、2か月経って、やっと頭の整理ができてきたかな。
自分の備忘録のためにも、どなたかと経験や考えをシェアするためにも、今日はこのテーマで書いてみようと思います。
<告知>
数十年前はきっと、大人でも癌と診断されても本人への告知はされない場合も多かったのかなと思います。
最近は本人にすぐ告知するような話を、なんとなく聞いていました。
長女の場合、救急搬送された病院で、搬送された数時間後に脳腫瘍であることを医師から私に告げられました。
その時点では、親である私たちも、あまりにショックが大きすぎて、娘には言わない方はいいのではと、主人と話していました。
しかし次の日、小児科の担当医からは「お子さんにはしっかりと話すべきだと思います」と。
何の病気かしっかり知り、どんな治療が必要なのか、治療をしないとどうなるのか、きちんと理解しないと治療に積極的に参加できない、知らないことがむしろ子どもの不安につながる、そんなようなことを言われた気がします。
娘がどんな気持ちになるのか、落ち込んでしまうのか、泣いちゃうのか、伝えることが本当に良いのか、まったくわからないまま、私と主人が同席して、担当医から娘への告知。
「あ、そうなんだ」
「小児がん」「脳腫瘍」「治療しないと→最悪死につながる」、こんなことが書かれた紙を見ながら、説明を受けた娘の第一声は、これだけ。
泣きもしない、落ち込んだ感じもしない、すごく冷静に、担当医の話を聞く娘を見て、大泣きしたのは私。
「なんでママが泣くの?病気なの私だから~」
と、抱きつく私の背中をぽんぽんと叩いてくれた娘の行動は、もう、一生忘れないです。
今になって、担当医が言ってくれたことがすごく理解できて、心から感謝しています。
自分が何に病気か知ったおかげで、ひとつひとつの治療が病気を治すために必要なものとスムーズに受け入れられるように。
なので、それからは包み隠さず、飲む薬のこと、点滴のこと、化学療法のこと、放射線治療のこと、副作用のこと、すべて話しています。
病院には、娘と同じような病気の子、違う病気でも入院生活の長い子、いろいろな子がいて、病気であることに特別感がないせいかもしれませんが、すごく前向きに病気を受け入れてくれたことは、親として一番大きな安心。
子どもの性格や年齢にもよるかもしれませんが、娘にとっては、早い段階での告知は結果的に良かったと思います。
<保険>
住んでいる自治体では、中学生3年生まで入院は無料。
食事代とレンタル衣料代などは、自己負担になります。
いくら入院費がかからないとはいえ、毎日の面会にかかる交通費、手術前後に病院近くのホテルに滞在する滞在費、飲料代、冷蔵庫代、下の子の預かりに必要な費用、なんだかんだと、やはり支出が多くなります。
入院する前の生活と比較したら、単純に生活費は倍くらいになってるかも。
お金の心配をしながら、長い入院生活を乗り越えるのは、精神的にも大きな負担になるのは間違いないですね。
我が家は、幸い、生命保険に娘が生まれてすぐに入っていました。
当時は何もわからず、とりあえず的に入っていたところもありますが、実際に癌と診断された今、11年前にその選択をした自分と主人に、「ブラボー!!!」と拍手をしたいです。
通常の生命保険に加え、医療保険、オプションでがん保険にも入っていました。
おかげで、給付される保険料は大きなサポートに。
最近は格安のネットで入会できる医療保険、少ない保険料で入れる医療保険もたくさん出ていますが、給付の条件や金額、制限や給付申請の方法など、しっかり調べておくこと、重要だなと実感しています。
手術についても、根治手術と生検のための手術では保障内容が違ったり、トータル何日まで入院保障がされるのかなど、子どもだけではなく、大人も医療保険はしっかり内容を把握しておくべきだなと思いました。
<手続き>
医療保険以外にも、「小児慢性特定疾病」という制度があります。
[小児慢性特定疾病にかかっている児童等について、健全育成の観点から、患児家庭の医療費の負担軽減 を図るため、その医療費の自己負担分の一部を助成する制度です。](厚労省ホームページより)
対象になっている疾患に該当する場合、こちらの医療費助成を受けることができます。
しかし、こちらの制度の適用はあくまで申請した場合のみの適用。
つまり知らないと、対象疾患であっても適用はされません。
病院のソーシャルワーカーさんにちらっと話を聞いただけだったので、いろいろと落ち着くまで申請ができずでしたが、入院して1か月ほどして自治体の保健センターへ連絡。
自治体によりますが、助成の適用は申請時、または電話連絡時など、遡って適用はできない場合が多いので、診断が出た段階ですぐに申請した方がいいです。
それと、長期入院になる場合、通学区の学校へ通うことは難しいので、院内の学級に転校となります。
娘も診断が出て治療計画が決まってすぐに、通学区の学校へ転出届を出しに行きました。
また、購入する教材費などの補助を受けられる制度(通学区の学校へ復帰した場合に同じドリルや教材などの購入)もあるのですが、もともと学校が好きではない娘は「えーっと、退院しても戻る予定はないんで、教材とかいらないです~」と言うので、辞退しました(苦笑)
当初から、もっと頭がクリアに働いていたら、慌てたり、やたら時間をかけずにいろいろできたかなと思うところもありますが、私には精いっぱいだったと思って、自分で納得するようにしています。
「我が子が小児がんと診断されたら」
もちろん、手続きやらも大切なのですが、私がたった2か月ではあるけれど、一番学んだことは「親も無理をしない」ということです。
長期入院になればなるほど、イレギュラーなことが頻発する日々の生活はやはりストレスになったりします。
子どもが病気のとき、具合が悪いとき、親ができることって実は少なくて、さすったり、励ましたり、気持ち上がるようなこと言ったりって、そんなことくらいしかないんですよね。
でも、それをするには、体も心も、親が元気であることがすっごく大事。
最初のころは、「娘も頑張ってるんだから、私も頑張らなきゃ!!」と、必要以上に力みすぎて、眠れない、だるい、食欲ないという悪循環に。
「これじゃダメだ!」と気づいてからは、なるべく普段通りのことをしたり、楽しみを見つけたり、ときには自分にご褒美をあげたりして気分転換しています。
もしかしたら、力の足りない親かもしれないけど、できることをやれたらなと。
まだまだ治療は続きますが、娘の笑顔を見られる日が多くありますように。