極悪集団VS日本映画のアイツ
前回は、PG-13という12歳以下のお子様には、親御さんの同行が求められる形だった。しかし、ジェームズガン監督の続編は、そんな生易しいものではなかった。
R-15指定、15歳以上でなければ耐えられない残虐シーン豊富な本作2021年8月5日(アメリカ)公開『ザ・スーサイド・スクワッド “極”悪党、集結』。
前回が、そしてこの予告編までもがいかに抑えられていたのか。ぜひ映画館で体験してもらいたい。しかし、R-15をなめちゃいけない。かなり、グロテスクなシーンやショッキングなシーンが含まれるからだ。
一方で、それぞれがやりたかったことがこれまでになく発揮されているのが、本作の面白ところでもある。先ほどから、暴力的な部分のみ語ったが、そこだけではない。映画としても十分に飽きない作品になっている。
いかに、キャラクターを魅力にして生かしつつ手段として殺すのか。過去一のDC死亡数になることは間違いないだろう。しかし、そのどのキャラクターにも物語があることを忘れてはならない。そこを無下にしては、可哀そうすぎるからだ。
カメラワークひとつとってもこだわりが存分に発揮されている。役者に同じことをさせていてもどのようにどのように撮るのか。そして、どう切り取って魅せたいのかは、開始直後からありありと出ている。
銃を撃つのも、現実のようなスピードで打つのと、スローモーションの世界で打つのとでは、重みが変わる。そのような緩急は、至る所にあり、そのどれもが意味を込めているといっても過言ではない程富んでいる。
そう娯楽映画であるがゆえ、観客を置いていかず引っ張っていく画は、こうも重要なのかと思わされた。ぜひもう一度見て学びたいものである。
さて、本題からだいぶ反れてしまったが、この極悪集団と相対するものは、日本の特撮映画を明らかにオマージュしている。宇宙、ヒトデ、そして人間と干渉する。そんな映画がかつて日本で公開されていた。1956年1月29日公開『宇宙人東京に現わる』。
実は、この作品現在特別に、映画館で見られるチャンスがあります。「角川シネマコレクション」そして公開されており、毎日替わる映画の中にこの作品も含まれています。本作をご鑑賞になって気になった方は、この作品も見てもらいたいですね。
いい映画というものは、海を越えると改めて感じました。
ヒトデ星人のデザインは、太陽の塔で有名な岡本太郎氏だそうです。インパクトがありますね。
内に込めた暴力性は、芸術に昇華するのが、最も平和なのかもしれません。
それでは、それでは。