![見出し画像](https://assets.st-note.com/production/uploads/images/74313084/rectangle_large_type_2_7710bcb02024bc7878c6ea5f271f8415.png?width=1200)
セックスボランティアのとうふ氏は協力雇用主の恋愛版なのではないだろうか
2022年、セックスボランティアなる奇特な活動をしている若い女性が現れた。「とうふ」と名乗るその女性は、彗星の如くネットに現れ、一瞬で(暗黒言論)界隈の話題をさらっていった。彼女が発見されたきっかけは、白饅頭/御田寺圭氏に投稿されたあるマシュマロだった。
なにその闇のビジランテ活動。本当にあるならマシュマロなんか出してないでnote書け#マシュマロを投げ合おうhttps://t.co/MN9uOmWEkT
— 白饅頭(御田寺圭/光属性Vtuber/バーチャルツイッタラー)🌤️ (@terrakei07) January 27, 2022
とうふ氏は現在、noteとTwitterにアカウントを開設しており、ここから彼女の活動の詳細や彼女自身の考えについて知ることができる。
とうふ氏のnoteを読んだ上で、セックスボランティアについて私なりに定義すると、「恋愛経験がなく、自信がないため女性にアプローチできない男性に、自分からデートに誘って性行為をさせてあげることで、男性としての自信をつけさせてあげる活動」である。
とうふ氏の活動が発見された当初、界隈では「女神だ」と彼女の活動を称賛する声が多かった。当然ながら、こういった活動をしている女性には男性からのオファーが殺到する。
これは確かにそのとおりで、私の体はひとつしかないので毎日200件くるDMを返すだけで精一杯という
— とうふ (@otouhu_sukizuki) March 15, 2022
申し訳ない https://t.co/J9By7b6i8C
本当に女神であるのなら、オファーを送ってきた全男性を受け入れてあげるのかもしれないが、とうふ氏は人間であり、彼女の可処分時間は有限であるため、ボランティアの対象とする男性を厳しく選別している。
そういえばネタだって自白してましたしね……ネタ垢作って遊べるようなああいう人ほど、やることはヤれてるんですよ。
— とうふ (@otouhu_sukizuki) March 15, 2022
真剣になってる自分が馬鹿らしくなっちゃうし、悩んでる方のご迷惑になるのでやっぱりブロックして正解だったと私は思います。 https://t.co/m1FgsC4hNI
頑張れば彼女ができそうな男はとうふ氏の基準では「非モテ」ではなく、ボランティア対象ではないようである。男性を厳しく選別すると言う点では、一般の女性とやっていることは同じであるように思う。一般の女性が、自分の好みの男性を選別するのに対して、とうふ氏は自分から見て非モテのように感じられる男性を選別している、という違いがあるだけである。
とうふ氏は女神ではなく、一般女性と大きく異なっているわけではない。では、一般女性ととうふ氏の相違をどのように理解すればいいのだろうか。私はこれを、一般企業における雇用主と、協力雇用主の相違と同じようなものと捉えるとしっくりくるのではないかと考えている。
協力雇用主とは、犯罪の前科、前歴のある者を雇用し、再犯防止、社会復帰を促すことに協力する民間の事業者である。(参考:協力雇用主パンフレット)
協力雇用主として登録されている事業者は、テレビのドキュメンタリーでは「人生やり直し請負人」として紹介されている。
前科があることで一般的な企業に雇用されることは難しくなる。だからといって、前科者を受け入れてくれる事業者がいなければ、前科者が更生し、社会復帰することはできなくなる。そのため、協力雇用主のような事業者が前科者を受け入れることは公共的な活動として重要な意義を持ち、事業者には就労継続奨励金、身元保証金等、国によるさまざまな支援金が用意されている。
では、協力雇用主は、なぜあえて一般の事業者が避けたいと思うような前科者などを雇うのだろうか。その答えは、上に掲載したABCテレビのドキュメンタリーを見れば明らかである。人情である。
雇用主である中溝社長自身も前科者である。本人曰く「前科前歴12犯くらい」であり、トータルで20年間刑務所で服役していたという。従業員に向かって「いままでのことはいままででいいよ。いまからが大事やけん」と、声を震わせ、涙ながらに語るその姿を見ればわかるだろう。打算ではない。自身と同じように前科があり、どこにも行き場のない連中を包摂してやりたいと思っているのだ。
とうふ氏のセックスボランティアはどうか。彼女がボランティアを始めたきっかけは以下の記事で語られている。自分に優しくしてくれたオタク男子がきっかけであるようだ。
個人的には身長145cmの男性とデートした記事が印象的だった。
するとFさんは堰を切ったように自分のことを話し始めた。
学生の時から背が伸びない病気でずっといじめられていたこと、病気だと言っても信じてもらえなかったこと、女子からの冷徹な視線と陰口に耐えられなかったこと、虐められるのが嫌で自分から自虐するようになったら面白がられていじめはなくなったこと、それでもどんどん惨めになっていったこと。好きになった女の子から毎回のように、自分の欠点を病気のせいにして嘘をついて努力していないと一方的に決めつけられるのは傷つくこと。
学校を卒業しても、毎日毎日毎日あの嫌な視線に晒されること。
話を聞いているうちに涙が溢れてきて、つられてFさんも泣いて、今思うとかなりカオスな状況だったと思う。ずっと手を握って聞いていた。
途中、私のような小物には手に負えない深い傷を抱えているんじゃないかと思い、本格的なカウンセリングを紹介しようかとも思った。でもここまで話してくれたのに私が見放すのは無責任だと思い、絶対に幸せにしようと思った。
引用:身長145cmの成人男性とデートした話
やはり、とうふ氏も人情でセックスボランティアを行っていることがわかる。ボランティアなのだから当たり前だが金銭的対価を受け取っておらず(受け取っていたら売春である)、そこに打算はない。
協力雇用主が、再就職困難な前科者を受け入れるように、とうふ氏もまた、恋愛が困難な非モテ男性を受け入れている、ということである。つまり、とうふ氏は恋愛版の協力雇用主のような存在なのではないだろうか。そして彼女の活動は、金銭的対価は発生しないが、一種の公共性の高い事業なのだと考えると私としてはしっくりくる。