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銭湯日記 26
先日、いつもの銭湯が休みだったので、しばらくぶりにスーパー銭湯を訪れた。
しばらく来ていない間に、駐車場がタイムズになっていた。銭湯を利用すれば、3時間は無料だ。
また、利用券の券売機は、新札に対応していないままだったが、自分の財布の中に、新札しかなかったので驚いた。この数ヶ月間で、ずいぶん出回ったものだ。フロントで、古いお札と交換してもらった。
世の中は、絶えず変化している。
サウナへ入るとすぐ、オートロウリュというのか、騒音とともにサウナストーンから蒸気が上がり、熱風が吹き付けてきた。かなり熱い。なんだか地獄のお仕置きがはじまったようで、私は耐えることができず、外へと退避した。タイミングが悪かった。
しばらくお風呂などに浸かってから戻ると、オートロウリュは終了しており、ほっとした。
今度はいい調子で気持ちよく汗をかいていたところ、だんだんと人が増えてきて、うちわやひしゃくを持ったスタッフが入ってきた。もしやアウフグースというやつか。
何度かこの銭湯を利用しているが、アウフグースに居合わせたのははじめてだった。
スタッフの女性は、元気よく自己紹介をしたあと、アロマウォーターをサウナストーンに「ぶっかけます」と言った。
そして、言葉とは裏腹に、ちょろちょろと、静かに、ひしゃくに汲んだアロマウォーターをサウナストーンに注いでいたのが印象的だった。
ジャスミンの香りがサウナ室を満たした。
それから、手前に座っている人から順に、バスタオルでひとりひとりを仰ぎ、風を送ってくれるのだった。
なにやら宗教的な儀式のようでもある。
私もぜひ、仰いでほしいと思ったが、この時点でサウナに入ってからすでに5分以上が経過していた。
このまま自分の番を待っていたら、確実にいつもの1セットの時間を過ぎてしまう。
実は最近、いつもの銭湯で、うっかり体調を崩してしまったことがあった。
サウナ内のテレビに、つい見入ってしまい、気づくといつもの8分を過ぎ、12分くらい経過していた。
その後、視界が白っぽくなり、手足に力がはいらなくなるなどの症状があらわれ、慌てて脱衣所で休憩した。
そのようなことがあったので、今回も、仰がれてみたい気持ちはあったが、8分以上居ることに危険を感じ、自分の番が来る前に退出してしまった。
なかなか落ち着いてサウナを利用できない日だった。