社会貢献性の高い領域において自分の喜びを超え、次世代や未来に貢献するプロダクトの根幹を担うーーハコベルで、プロダクトマネージャーとして働くということ
2022年8月に、ラクスルとセイノーホールディングスの共同出資によって生まれた「ハコベル株式会社」。荷主と運送会社をつなぐマッチングプラットフォーム事業と、荷主向けの業務DXを支援するSaaS事業を展開する中で、事業を加速させる重要なポジションであるプロダクトマネージャーの仕事をご紹介します。黄王瑞碩、坂元颯太の考えるプロダクトマネージャーに求められることとは?
ーーどのような経緯でハコベルに入社したのか、また現在の仕事内容を教えてください。
黄王 瑞碩(以下、黄王)私は新卒で株式会社ディー・エヌ・エーに入社し、ゲーム開発エンジニアとして約1年働いたのちに、友人の経営する旅行系スタートアップに開発デザイナーとして転職し、UIデザイナーやWebディレクター、プロダクトマネージャーとして5年程勤務しました。その後、BtoBの分野で”社会を前に進めていくこと”をしたいと転職先を探す中で、戦略・現場共に優秀な人が集まっている企業だと感じて、前職と同じプロダクトマネージャーのポジションでラクスルに3年前に入社しました。今はハコベル株式会社に転籍し「軽貨物」の部門でプロダクトマネージャーとして、運送手配事業のプロダクト開発・改善を行っています。
坂元 颯汰(以下、坂元)前職のGMOペパボ株式会社という企業では、レンタルサーバーやドメインを提供するサービスで既存プロダクトの施策立案やプロジェクト推進、リリース後の改善検討、PDCAの一連の流れなど、プロダクトの観点から事業をグロースさせる役割を担ってきました。
ハコベルはプロダクト開発において、自分がスタンスをとって成果を出していくことを求められる企業体というところに魅力を感じて、1年程前に入社をしました。現在は運送手配サービスの「一般貨物」と「軽貨物」という種別のうち、「一般貨物」でプラットフォームサービスのプロダクトマネージャーを務めています。開発プロセスにおいて「なぜやるのか?」「何を優先的にやっていくか」「どんなプロセスで進めるか」といった定義をして推進しています。
ーーハコベルに入社して、よかったと感じる点があれば教えてください。
坂元 ハコベルの魅力は大きく2つあります。分け隔てなく、さまざまな職種やオペレーションの人たちと議論できること、そして若手が活躍できる環境であることです。
黄王 カルチャーとして何かあっても、『どうにかしていける・何とかしよう』という前向きな雰囲気があるのは魅力ですね。それゆえに、難しい局面もどうにか乗り越えていけると感じています。
ーー物流領域でプロダクトを作る醍醐味はどのようなところにあるでしょうか?業界としての魅力や手応えを感じた出来事があれば教えてください。
黄王 物流というものは、複数業界にまたがる社会のインフラ機能です。そのため、さまざまな企業に携わることになるのですが、市況によって企業の立ち位置にも変化が起こることもあり、言語化しにくく一筋縄ではいかないような問題があります。その一つひとつを解きほぐす必要があって、こうした複雑性に私は面白みを感じています。さらに、物流業界一筋で成長されてきたセイノーHDと合弁会社になったことで、業界課題にさらに深く切り込んでいける状態になって、また違った世界が広がってきましたね。
坂元 プロダクトマネージャーとしては繁忙期や閑散期という要因、荷主企業・運送会社など複数ステークホルダーの存在、これらの要素を加味したオペレーションを踏まえて、どのような状態を目指していくのかが求められます。「ありたいプロダクトの姿」を自分でスタンスとして持ち、良い方向に導いていくというプロセスは複数要素が絡み合う物流領域の難しさであり、面白さではないかと思います。
黄王 ハコベルでのプロダクト開発は、新しいものを生み出すという面で着実に一歩一歩進んでいると実感できることに喜びを感じます。3年前の入社当初にSaaSのプロダクトをスタートさせた頃から、一つひとつを積み重ねて未来を描けるようになってきました。社会貢献性の高い領域であることもあって、自分の喜びだけでなく次世代にいいものを残し、未来に貢献できる取り組みをしたいと思うようになりましたね。
坂元 自分たちが実装した機能を現場で使っていただけるのは嬉しいです。現在、セイノーHDさんの支店を回ってユーザーインタビューを重ねています。改善点はもちろん前向きな評価の声を近いところで聞くことができるので、使う側の方々に届いている実感が得られますね。
大変なところは、いかにプロダクトを汎用的な形に落とし込んで、使う方が納得いただける形で提供するのかということですね。最近、元々あった機能をリプレイスしたのですが、セイノーHDさんの商習慣を考慮すると、オペレーションとして本当に必要な機能かどうかを逆算してプロダクトを作る必要があり、非常に学びが多かったですね。
ーー「ハコベル」事業にとって、プロダクトマネージャーはどんな職種・役割であると捉えていますか?
黄王 プロダクトマネージャーの定義は企業単位でさまざまですが、ラクスル時代からプロダクトマネージャーの業務範囲は幅広く設定されている印象があります。そのカルチャーは、ハコベルとなっても色濃く残っていますね。一般的なプロダクトマネージャーの業務範囲を超えて、役割・やるべきことを自分で組み立てていけるのはこの職種の利点だと思います。
プロダクトは、事業において”武器”そのものです。この武器を使って、どう課題をクリアしていくか、そのあり方次第で事業戦略が変わっていきます。そこにプロダクトを作る立場として携われるのは非常にワクワクしますね。
坂元 ROI(投資収益率)を最大化する役割・ミッションという意味では、ラクスル時代から大きな変化は感じないですね。強いて言えば分社化したことで、より一丸となって進めていこうとする気概は大きくなっている気がします。
物流領域は荷主や運送会社など多くのステークホルダーが存在するので、現場に入り込んで業務のすべてをガラリと変えることは困難です。今ある商習慣を踏まえて何を残し、どのようなステップで変えていく必要があるのかを中長期的に見て、短期計画と紐づけていくことが求められます。
BtoC事業とBtoB事業ではグロースのアクセルレバーも違うし、プロセスの組み方は大きく異なります。そのあたりは前職で関わったプロダクトとの違いかもしれません。現場に赴き、その視点でプロダクトを考えていくというのはラクスル時代から受け継がれている文化・思想です。現場に行って、自分の目と耳で吸収したものをプロダクトに反映する、それは大きなやりがいですね。
ーーどんな人がプロダクトマネージャーに向いていると考えますか?
坂元 私はプロダクトグロースを通じて事業成果を最短で出すことを価値として身の置き方を決めてきました。そこがプロダクトマネージャーの職務上、重要な点だと考えています。ハコベルにおいても課題があったときに事業全体を見渡し、自分のストロングポイントを理解してやるべきことやプロダクト側の動き方・方針を決めていくことが求められます。ですので、主体的に動くことを楽しめる方には向いていると感じます。
黄王 フットワークの軽さも重要だと思います。起こった問題に対して、まず自分から飛び込んでいって解決に動くことや、引っ張っていけるような方でしょうか。自分の領域ではない部分にも関心を持ち、柔軟に対応しようとする人には合っていると思います。プロダクトマネージャーは、”風呂敷を広げてたためる人”であるとよいかもしれません。大きく広げつつも、しっかり行動に落とし込んで”たたむことができる人”はプロダクトマネージャーに向いていると思います。
ーーこれから実現したいことや貢献したいことがあれば教えてください。
黄王 当社のミッションとして「物流の『次』を発明する」というものを掲げていて、ビジョンには「物流を持続的に発展させるプラットフォームをつくる」という言葉を置いています。独占するのではなく、それぞれの会社が持続的に事業ができる状態をつくって多くのプレイヤーが参画して結果として関わる人たちがハッピーになれる状態をつくれたらと思っています。
キャリアビジョンを明確に描いているわけではないのですが、「影響範囲を広くすることや求められることを着実にやり遂げること、求められたことを実現し続ける中で、世の中にとって良いものを残していきたい」と思っています。
坂元 直近の目標としては、今自分が動いている探索の領域からもう少し広げて拡大フェーズに持っていけるものを生み出していきたいです。ゼロイチで立ち上げて推進していくことは大切にし続けたいですね。プロダクト開発側が「使ってください」というアプローチをしてばかりでは、”なめらかな体験”は作りにくくなると思っています。プロダクトだけに視野が狭まるのではなく「いかに価値提供をできる状態を作れるか」という観点で探索をしていきたいです。
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