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15歳のころの記憶

3年ほど前から、神社仏閣によく行くようになった。
40歳目前になると、そういうものに何か魅力を感じるようになるお年頃なのかしら、なんて。

思い返してみると、たぶんきっかけは高校生の時である。
クラスメイトの紹介でコッソリ始めたアルバイト。
神前結婚式の巫女さんだった。
白い着物に赤い袴。足袋に草履を履いて。
髪は一つに結い、更に長い黒髪を付けていた。

人生の節目でもある大切な結婚式。
幸せな場面を、本当に近くで目の当たりにすることができた。
榊を神棚にお供えしたり、祝詞を聞いたり、
雅楽の中での三三九度では、新郎の盃に日本酒をドバっと注いだことも何度かあったっけ…。

そんな経験もあったせいか、23歳になった自分の結婚式は、明治神宮だった。
白無垢を着た私の近くには、あの頃の自分と同じ巫女装束の女性がいた。
タンスの樟脳のような、ポマードのような、白檀のような。
いろんな匂いが混ざった、ちょっと身が引き締まるあの特別な空間。

15歳のころの記憶が、ふっとよみがえった。
三三九度は、溢れることなく注がれた。

(巫女装束で撮った写真が見つからないよぉ!悲)

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