【週刊新川】まちからまちへ
こんにちは。株式会社HACK(新川モール)学生チームの前田です。
「まちと夏とわたし」というテーマのもと、学生チームのメンバーがそれぞれ文章を綴ってきましたが、いつの間にか10月になってしまいました。いよいよ夏はおしまい。今回の記事がシリーズ最終回となります。
夏休みやお盆休みなど、長期休暇といえば、旅行だったり帰省だったり、いつも住んでいる街を離れる方も多いのではないでしょうか。
私はこの夏、地元の島根県へ帰省していました。それから大阪・京都と数日間の寄り道をして、今、浜松でこの記事を書いています。そういえば島根に帰る前に名古屋の美術館に寄ったし、帰省している間も、鳥取に遊びに行きました。
こうして振り返ってみると、ひと夏でたくさんの街に訪れたものです。ひと夏どころか、この間およそ一週間ほど。なんと充実した夏休みでしょうか。
自動車免許を持っていない私がこんなふうに悠々と、転々と、自由自在に街を行き来できるのは、実に、多様な公共交通手段のおかげでしょう。
電車、新幹線、飛行機、バス……現代に生きる人々は、あらゆる手段を使いこなして日々、街から街への高速移動を繰り返しています。
朝の満員電車で勉強する学生も、昼のバスで病院に通う老人も、夜の新幹線で眠りこけるサラリーマンも、みんなどこかの街を出て、どこかの街を抜けて、どこかの街に辿り着くのです。
私は浜松の下宿先から安来の実家まで、バス・新幹線・電車と三つの公共交通機関を乗り継いで帰ります。その長い移動時間、窓の外に流れる景色と乗客の入れ替わりを、ぼーっと眺めるのが好きです。
同じ方向を目指す者同士が、ほんのひととき同じ箱に揺られながら、無数の街を通過していく事実に、なんだか途方もない気持ちになります。当たり前だけど、すべての街に政治があり、経済があり、すべての人に生活があるということを、はっきりと思い出すのです。互いに関係せずにはいられない街と街、人と人との営みが、まっすぐに車窓を流れていき、それを見つめる私もまたその大きな流れの一つである……。
なんてあまりに漠然と考えながら柔らかいシートに身を委ねていると、あっという間に地元の駅に到着します。
田舎の夜の静かなホームにひとり降り立つと、澄んだ空気が私を出迎えます。列車はあと少しの客を乗せて、すぐに次の街へと向かいました。
夏よさよなら、それではまた!次の記事でお会いしましょう〜