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PalantirのIPO申請書からビジネスモデルを読み解く

ビッグデータ解析ベンチャーの Palantir Technologies(パランティア・テクノロジーズ)は、今年8月に新規株式公開(IPO)の申請書類を提出しました。
パランティアは、米国の中央情報局(CIA)、連邦捜査局(FBI)、証券取引委員会(SEC)などを顧客として抱えていることから「諜報活動に関与しているのでは?」と噂されるなど、謎に包まれたベンチャー企業と呼ばれてきました。今日は、パランティアのIPO申請書から、彼らのビジネスモデルを読み解いてみましょう。

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パランティアってどんな会社?

パランティアは2003年、ペイパルの共同創業者だったピーター・ティールらがシリコンバレーで創業しました。2019年の収益は7億4,300万ドル(約780億円)。対前年比25%増で成長しています。

主なサービスは、社内外に散らばる様々なデータベースを統合し、分析や検索が簡単にできるようにするプラットフォームの提供です。SAP、AWS S3、Azure Data Lake等への充実したコネクタに加えて、地図・画像・動画などの非構造データのインテグレーションにも強みを持ちます。

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主な顧客は政府機関や大企業で、顧客数は125社。1社あたり年間売上は約6億円と、かなり大きな年間契約を結んでいます。さらに開示資料には「顧客との契約は数年間にわたる」とあり、よくあるSaaSとは異なるビジネスモデルであることがうかがえます。

ITコンサル会社からソフトウェア会社に進化するパランティア

ところで、パランティアの強みの一つである「大規模なデータインテグレーション」は、クリック1つで解決するような簡単な課題ではありません。特に政府や大企業のように組織が大きくなればなるほど、ITシステムはスパゲッティのようにぐちゃぐちゃな状態であることが多く、専門家による個別チューニングが不可欠です。

パランティアは、データインテグレーション専門のコンサル部隊を抱え、顧客ごとに細かなカスタマイズに対応しています。これが顧客との関係の長期化、ひいては巨額の契約費につながっています。

パランティアはSaaS会社というよりはITコンサルティング会社と考えた方がよいかもしれません。クールなソフトウェア会社に見えますが、意外と地道で労働集約型なビジネスモデルなのですね。

一方で、開示資料によると、パランティアはここ数年間でソフトウェアを標準化し、個々の機能をモジュール化する動きが見られます。現在の労働集約型のビジネスモデルから、ソフトウェア会社への脱皮を目指しており、株式公開(IPO)を視野に入れた動きだと言えるでしょう。

参考:PalantirのIPO申請書(Form S-1)

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