野良猫だったオセロ〜お外の日常〜
前回のお話のつづき。
ボクはいろんな人に
可愛がられていたらしい。
そういえば
こっちの方に行くと
おやつをくれる人がいて
あっちの方に行くと
ご飯をくれる人がいて
今日はこっち
明日はこっち
あちこち行くようになっていった。
ご飯をくれる人は怖くないな
そう思うようになった。
寒かったあの日
ご飯をくれた人達の匂いも覚えたんだ!
だから、たまに
ボクがおトイレしている茂みや
いつも遊んでいる隣の敷地に
ついておいでって案内してあげたり
お気に入りの場所を
教えてあげたんだ。
こうやって、ゴロンゴロンすると
気持ちいいんだ、
一緒に遊ぼうよって言うと
ニコニコしてボクについてくる。
それが楽しくて。
だから今度は
アパートの人達が
住んでいるところが
気になって
気になって
人が来ない夜、
一階のベランダにそーーっと
忍び込んだことがある。
でもそこに段ボールの箱があって
その上に「ボフッ」って落ちちゃったんだ。
音にビックリして逃げちゃった。
悪いことしてないよ。
段ボール潰れちゃったけど…
すっごく気になるんだ。
人はどこでどんなふうに
暮らしてるんだろう。
そして、
いつのまにか
ボクは「オセロ」と
呼ばれるようになっていた。
アパートの人達からもらう
ご飯の時間はまちまち。
ボス キジトラのベン兄ちゃんは
大きなお家の飼い猫だから
ご飯はそこでもらっているみたい。
でも、ボクがご飯もらってると
ベン兄ちゃんもくるから
一緒にご飯もらってたし
キジトラ姉さんも来るから
結局3人分?
ご飯出してくれてたな。
外からにゃ〜って呼ぶと
ご飯持って
来てくれることもある。
そうじゃない時は
あっちの場所に行けば
ご飯もらえるところもあったりして♪
結構楽しく暮らしていたんだ。
そんなある日
いつものように、いろんなところで
遊んで、食べ物を探しながら散策して
いつものように、ご飯をもらいに
アパートに行ったら
アパート等の人達がびっくりしていた。
なんでかな?
…ボクのシッポが身体にくっついてるな。
離れない。
なんでだ?
そういえば歩きにくいかも。
アパートの人が
くっついたボクのシッポを
身体から引き剥がしてくれた。
お?動きやすくなった!
わーい✨
なんて思ってたら…
アパートの人が
ボクを捕まえようとしてきたんだ。
なんで?なんで?
数日、逃げまわった。
つづく