〜諸刃の剣〜
ドリルです。
僕は、デブでした。
小学1年生で30Kg以上あり それから毎年10Kg以上増え 続け6年生の頃には、既に100Kg以上ありました。正に異常です。
そんな、異常なデブでも 小学生の時には 有利なこともあります。ヒーローゴッコで怪人役にされても 体当たりして転がし上に乗れば例え怪人でも勝てます。小学生の腕力で103Kgの肉の塊を持ち上げるのは不可能だからです。
『怪人 消費税』の必殺技『重税』は、数々のヒーロー達を沈めてきました。
そうやって いつもの様に公園で遊び いつもの様にジャングルジムに登った時に悲劇は 起きました。
僕は、ジャングルジムの上でやられた怪人としてうつ伏せで ゆっくりと倒れ込みました。
そして、ヒーローが勝利し 『よし、終わったな。』と思い 起き上がろうとすると………
(あれ?起き上がられへん!)
そう!デブになり過ぎた僕は ジャングルジムの細い鉄の棒の上では 自分の腕の力だけで起き上がれなくなっていました!
何度も起き上がろうと挑戦しますが 挑戦すればするほど 腕の力が どんどん無くなっていきます!
恐るべし 必殺!重税!!
「ドリル!何してんねん!もう、終わったから降りてこいや!なんで ずっとプルプルしてんねん!!」
「あかんねん!起き上がられへんねん!」
「起き上がられへんてなんなん?訳わからん。もう、帰るで!」
「待って!帰らんといて!!なんかめっちゃ痛くなってきたし!『助けて』とか恥ずかしくて言われへんかったけど、あかん!痛い痛い痛い!助けて!もう、限界!なんか 喋りだしたらすぐ限界きた!助けて!」
僕が、あまりにも必死に騒ぎ出したので みんな ただ事では 無いと思い急いで下ろそうとします!!しかし、子供の力では 103Kgの巨体は びくともせず、細い鉄の棒が ぶ厚い腹の肉にドンドン食い込んでいく!
「あかん!どうにもならんわ!ドリルのおかん呼んできて!」
「わかった!」
「ドリル!ガンバレよ!今 お母さん呼んできたるからな!!」
「いや、オカンは 呼んで欲しくないんやけど………。」
しばらくして、オカンと数人の大人が駆けつけてくれました!
「あんた!何してんの!何でそんなとこで 寝転んでんの!」
「オカン。アカン。動かんねん。ゴメンやで。もう、無理や……。」
数人の大人に抱えてもらい あまりに痛がるので そのまま車で近くの病院に運んでもらいました。
病院で 真っ赤っかになったお腹に大きく❌と書かれて その後 レントゲン室に連れて行かれました。
「あぁ、折れてるね。」
「えっ?」
「ほら、綺麗にスジいってるでしょ。折れてるよ。」
結果 アバラ2本骨折。
「ほんま、アホやわ……。」
と、オカンに言われ、
「ほんま、アホやな……。」
と、納得しました。
この話の本当度 80%
もう、痛過ぎて誰に助けてもらったか覚えてません。
それから、中学生になった僕は、1ヶ月で30Kg位痩せました。ただし、必死にダイエットしたとか、ストレスで痩せた!とかでは ないです。
なぜ、そんな痩せたかは また、書ける機会があれば書きたいと思います。