おじいさん メガシンカ。
ドリルです。
先日 コンビニでお昼ご飯を買おうと大盛りペペロンチーノを両手で持ちファミチキをレジで頼もうと堅く心に決めて列に並んでいるとすぐ後ろから 急に、
「なんや!今日は レジ1人しかおらへんのか!」
と、ガラの悪い少し高い声で吠える 70代後半から80代前半のおじいさんが機嫌悪そうに立っていました。
僕は 少し嫌な気分に なりましたが 特に気にせず 並んでいました。
ようやく僕の番になり 店員さんに、
「ファミチキ1つ下さい!」
と、元気よく 言うと 後ろで
「チッ……」
と、ジジイの舌打ちが 聞こえました。
でも、水溜りの様に懐の深い僕は ジジイの舌打ちも気にせず 、
「ペペロンチーノも温めて下さい!」
と、ハッキリ言って会計を済まし 英国紳士の様に少し後ろに下り おじいさんに どうぞ……とレジを譲りました。
バッグクロージャーでとめられた『さつまいもスナックなると金時6本入り』と書かれたパンを持った ジジィは 変なやつを見るような目でこちらを睨みつけてきた。
僕は 何も悪くないので ジッと見つめ返した。
すると おじいさんは 目を逸らす。
どうやら 恥ずかしがり屋さんのようだ。
「120円になります。」
「おう。」
と、言ってカルトンの上に200円を乗せお金を払う。
店員さんが、おじいさんの手の平に30円乗せたのが見えた。
(…………30………んっ?30? 200ー120=…………マ、マズイぞ店員さん!お釣りを間違えてるんじゃないか?)
と、思った刹那 ジジィの顔が真っ赤になりました。
命…爆発!メガシンカ!!ジジィの咆哮!!!!
「おう!店員!お前そのパン 今さっきナンボって言うた?あん!?」
「120円です。」
「やんなぁ?ほんで?俺は 今 ナンボ払ってん!あん!?」
「200円です。」
「やんなぁ? やんなぁ?ほな お前 今 俺の手の平にナンボ乗ってるか 見えるか?なぁ?見えるか?あん!?」
すると、店員さんは まるでマジシャンのように おじいさんの手の平の10円玉を1枚どけるとその下から50円玉が 出てきたのです!
「やんなぁ…………」
……と言って 真っ赤だったはずのおじいさんの顔は 更に赤くなり こいつ!自爆する気か!と思いましたが なぜか こっちを見てきてウィンクをしてきました。
(おい!何なんだ?僕を巻き込むな!1人で自爆してくれ!素直にすみませんと言え!ウィンクってなんやねん?どうして欲しいねん!どう考えてもイキリ倒してたお前が悪いやろ!)
と、焦っていたら
「お弁当 お待たせしましたぁ。」
と、店員さんが 救ってくれた。
僕は ジジィのウィンクなどガン無視してイソイソとコンビニを後にした…………………。
店員さん……あんた、わざとやったのか?
この話の本当度 100%
優しく 「あのぉ?オツリあってますか?」みたいな聞きかたしてたら おじいさんも あんな恥ずかしい思いをせずに済んだんでしょうね。うん、でも、店員さん…僕のファミチキ忘れてたよ。