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貸金庫屋さん、まさかのリサイクル
ハチロウです。
最近、レジ袋有料化になり、何かと環境問題が大変です。
そこで大切なのが、リサイクルです。メルカリなんかでいらないものを売るのも、ただ捨てちゃうより環境に良いことですよね。
日本人のリサイクル意識も、ずいぶん高まったものです。
でも、いまよりずっと昔、なんと20年も前から、人知れず熱心にリサイクルに取り組んでいた男性がいます。
彼の名前は、貸金庫屋さん。
ミッチーこと及川 光博にそっくりの超イケメンです。そして口調もミッチーです。生まれも育ちもゴリゴリの大阪人なのに。
僕と同じ大学で3歳年上なのですが、3年留年していたので同期になり、仲良くなりました。
彼は非常に無口で全くしゃべりません。
ところが、あるとき、モノマネが得意だということが判明しました。
あまりにも北斗の拳のトキのモノマネがうまいので、僕は絶賛しました。いまでも心に誓って、嘘偽りなくものすごくうまかったです。
それから彼は、僕と一緒にいる間、ずっと北斗の拳のトキのモノマネをしてきます。
彼はトキになると、ものすごく饒舌です。ずっと一人で話し続けます。トキは無口なのに、トキになった彼は、ものすごく饒舌です。
どんな会話をしていても、ずっとトキ。何を話しかけてもトキ。まじめな話を相談しても、返事をするのはトキ。
僕はトキと毎日一緒に授業を受け、トキと一緒にランチを食べ、毎日トキと一緒に帰り、3週間を過ぎたあたりで、「もういい加減にしてくれ!!」と快速電車の中でキレました。
次の日から、彼は福山雅治になりました。
トキよりはずっとマシでした。
そんな貸金庫さんが、あるとき、妙に神妙な面持ちで話し始めました。このときはいつものミッチー口調だったので、本物の彼に戻っていたはずです。
「君は、成人本をどのくらいの周期で買うのかね?」
ゴリゴリの大阪人なのにリアルで友人に「君」というあたり、そして成人本という言葉選び、異常に丁寧な口調。
貸金庫さんがどんな人か、もうお気づきだと思います。
そう、彼は変わり者です。
「毎日、同じやと飽きるからな~。まあまあな頻度で買ってるな。でも、結構お金かかるから、そんなに買われへんよな。月2、3冊くらいかな~」
いまより20年も前のこと、まだネットが普及していません。
僕たち健全な青少年は、厳選に厳選を重ねて写真集やビデオテープ、DVDを購入し、大切に大切に扱っていたのです。
そして悲しいことに、どれだけお気に入りの成人本も、やはり飽きる日がやってきてしまうのです。
「そうだろう。だから君に大切なことを教えてあげよう。
あのね。そういう写真集は、飽きたら上下逆さまにして鑑賞するんですよ。そしたらまた別の味わい方ができるから。
飽きたから捨てるなんてもったいない。まず一度は上下逆さまでリサイクル。それが女性への敬意というものですよ」。
「いや、さすがに上下逆さまじゃ、無理やろ。もう何ヶ月も使ってんねんで。上下逆さまぐらいじゃ飽きは乗り越えられへんって」
「君がそういうのもわかる。でも、一度試してみたまえよ。それが女性への敬意というものですよ」
あんな変わり者のいうこと、真に受けてはいけない。そう思いながら、僕はその日の深夜、成人本を逆さまにしてみました。
思っていたよりいけました。
この話の本当度。70%
彼のモノマネのレパートリーはかなり多く、本当はトキや福山だけでなく、いろんな人物と会話させられました。
僕に限界がやってきてキレたのが、トキだったのか目玉おやじだったのかうろ覚えなので、-30%にしておきます。
ちなみにミッチーにそっくりのイケメンで、普段からミッチー口調だったのは本当です。
僕がいままでの人生で出会った男性で、あきらかにもてる見た目なのにどうしてもモテない人物No.1が彼です。
そっくり館キサラで働けば良かったのに。
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