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ゴミ屋敷脱出計画『遂行』。
ドリルです。
前回 僕の住んでたゴミ屋敷を脱出することにしました。
前回は こちらです⤵︎
何故 引っ越ししようと思ったのか キッカケが書いてあるので 先に見て頂いた方が 分かりやすいのかと思われます。
さて、このゴミ屋敷ですが どう片付けて良いのか 分かりません。
1日、2日では とてもじゃないけど片付かないので 1ヶ月掛けて少しずつ引っ越しをするようにしました。
まず、目につくゴミから捨てていこうと ゴミ袋に ゴミを入れると数秒でパンパンになります。
自炊は 全くしていなかったので ゴミというか タオルや衣服、大量の新品のトイレットペーパーがほとんどでした。
一年中出てるコタツも もう捨てようと 片付けるとスイカの皮が出てきました………。
さすがに それには 衝撃を受けました。
コタツとスイカ……冬と夏………エグいな………と。
片付ける時に 衝撃を受けたのは 他にもあります。
僕の家には 米びつというものがあったのですが ……
こんな奴なんですが なんとボタン一つで1合とか2合が自動で出てくるハイテクマシンです。
しかし、これも捨てようと中に米が残ってないか 確認の為にこのオレンジの小窓を覗きました。
この部分を除いたんですよ。
覗くと お米が残ってたんですよ。
でも、入ってたのは お米だけでは なかったんです!
小さいゴマみたいな奴が めっちゃ動いてるんですよ!!
小さなオレンジ色の窓いっぱいに 黒ゴマちゃんが 一所懸命に蠢いてました!
虫は 平気な方ですが サブイボがいっぱいでました。
虫が苦手な方なら 『オラオラッ』ってしてたと思います!
さすがに食べるのは 抵抗があったので 凄く申し訳ないですが 捨ててしまいました。
ごめんなさい。
そして、毎週 2回 ゴミ出しの日にコジヤンが手伝いに来てくれ 原チャで僕の家とゴミを捨てる場所を何度も往復してくれます。
4m程 ある道路は 僕の家のゴミだけで2m程 埋め尽くされます。
西と東に2ヶ所捨てるところがあったので分散させてましたが分散させても その量です。
1ヶ所だと通行止めです。
ゴミ通行止めです。
そして、4度目か 5度目のゴミ出しの日のある日 いつもと変わらず道路を埋め尽くす程のゴミを出していると いつもより かなり早くゴミ収集車が きました。
そして、ゴミ屋さんのオジサンが ゴミをせっせと出している僕達を見つけると こちらに駆け寄ってきました。
「おたくらかぁ!!いつも このゴミ出してるのぉ!!」
「えっ?そうですけど?なんか ありました?」
「『なんかありました?』ちゃうで!このゴミの量なぁ………あんたら不法投棄やで!!なんなんこれ?」
「えぇー!!不法投棄ィイ?!ほんまですか?
すみません。
実は 母が脳梗塞で入院しまして。それで 後遺症があって 退院しても 今の家じゃ一緒に暮らされへんと思って……それで、引っ越しの為に毎週コツコツ ゴミだしてたんです。」
「なるほどなぁ……。そういうことか……コツコツの量ちゃうけどな……よし!わかった!ワシらは市民の味方やからな、この事は 黙っとくわ!!しかし、凄い量やな。まだまだ あるんか?」
「いえ、後は タンスとタンスの中の服とタンスの上のゴミだけです。タンスは 会社からユンボ持ってきて粉々にしようと思います!」
「ふ〜ん、ようわからんけど とにかく 後 2、3回ってことやな?ほな、もう少し目を瞑るけど それ以上は 勘弁してや!苦情とか入り出したら ワシらもどうする事もできんから。」
「はい!ありがとうございます!!」
僕が そういうと ゴミ屋のオジサンは振り返り 右手だけを上げて ゴミ収集車の方に小走りに走って行った。
そして、次の日にコジヤンに手伝いに来てもらい タンスの中の物を出し タンスの上の物 全てを下に下ろす。
そこから タンスを外に運び出し、ユンボを乗せたダンプを会社から乗って帰ってきたのでその前に タンスを下ろす。
こんな感じのダンプの後ろに タンスを置いてユンボのアームで………
『バリュバリュバリッ!!バリッバリリッ!!』
と、すんごい音がするが後4棹は 壊さないといけない。
当然 近所の人達が 見に来るので 声を掛ける。
「すみません。やかましくして……どうですか?タンス潰してみます?ストレス解消になりますよ?」
「いや、いいわ。それより 引っ越し?大変やねぇ……。また、なんかあったら言いや、お母さん所にも 今度 お見舞い行かせてもらうわな。」
「はい!ありがとうございます。」
と、言い しばらく 近所のおばちゃんと子供達が まるで、イルカのショーでも 見るかのように 僕が次々と タンスを潰していくのを見ていた。
「ありがとう、コジヤン!もう暗なってきたし 後は 服やらタンスの上のゴミを適当に片付けたら終わりやから 大丈夫やで!」
「そうか?ほな、また飯でも行こうや!今日は もう帰るわ。また、新居に 運び込む時も手伝うから 言いや。
まぁ、ほとんど捨てたから 逆に運び込むもんなんか あらへんけどな(笑)」
「そやな(笑)なんも あらへんわ。ありがとう。また、飯おごるわ!ほなな!」
「うん、ほな!」
コジヤンが原チャで帰って行くのを見送り 家の扉を開けて階段を登り もう、ほとんど空っぽの部屋に1人で少し 立ち尽くす。
(あぁ…タンスの上のやつ……整理せなな…そう言えばオカンは 大事なもんて 言うてたけどなんなんやろ……)
僕は 気になって 大量にある 母の言う 大事なもんを確かめる事にした。
適当に目についた ビニール袋を破り 中身を確認した。
僕は しばらく 母の大事なもんを見ていた。
それを見たり読んだりしていると 気付けば 僕の頬が濡れていた。
悲しいとも 嬉しいとも 分からないが 何故か涙が床にボトボトと こぼれ落ちていた。
「なんやねん…………これ……何が 『大事なもん』やねん………ほんま…こんなん……捨てろよなぁ…………ほんま に…………。」
僕は 泣きながら1人で呟いていた。
母の大事なもんとは、僕や姉の保育園から高校生までの作品や作文、なんとテストやラクガキまで ずっとずっと残していてくれていた。
母にとって姉と僕は とても、とても 大事な……大事なもんだったようです。
『プルルルル…プルルル……』
『ガチャッ』
「あっ、ごめんなコジヤン。
今いける?
実は 引っ越しの荷物さぁ 何も無いって言うてたけど 増えてもうてん。
えっ?うん…そやねん。ちょっと 大事なもん…忘れてたわ。」
この話の本当度 100%
遂に ゴミ屋敷からの脱出に成功する。
ドリルのオカンは 無事 新居に住めるのか?
次回『完了』
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