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『親孝行』って何かを母と息子に教えてもらう①(それは 突然やってくる。)

ドリルです。


それは、何の前触れも無く突然やってきます。ガード不能です。覚悟する余裕もなく 突然です。



……………

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「お母さん、また スパワールド行ってきたん?」


「そや!最近ちょっと余裕できたから ちょくちょく行ってるねん。やっぱり でっかい お風呂やとゆっくり出来るわ!」


「それでも週一は 行き過ぎちゃうの(笑)お母さん やり過ぎのとこもあるからな。僕が小さい時も拷問のように毎日 テリヤキバーガー買ってきてたし。まぁ、別に良いねんけどさ。」



「あれは アンタが 毎日食べたい言うからやんか。アンタの望みを叶えたんやで。お母ちゃんは ドリルちゃんの幸せしか考えてないねんで!ハハハッ。でも、なんでか 知らんけど泣きながら吐いてたな!」



「それは、比喩的表現で ホンマに毎日 買ってくる方がどうかしてんねんで!」


姉も働き 僕も 20歳を過ぎて働き出したので ようやく母も余裕が出来てきたのか月に2〜3回 昼間の仕事が休みの時に『近所の友達』や『親戚の叔母ちゃん』とよく出掛けるようになりました。

その日も 大阪の通天閣の近くにあるスパワールドという大型のスーパー銭湯へ出かけていました。

そして、帰ってきてから 夜中に 母の知り合いがフランチャイズで経営してるコンビニに働きに行き 朝方帰って来る…といような生活を母は していました。

昼間は 相変わらず お好み焼き屋さんで 働いていたが 夜は 以前 働いていた カラオケスナックでは なくコンビニのパートになっていた。

60歳を過ぎていたので 身体もコンビニの方が 少し楽らしい。


それでも、アラ還の母が 

明け方 帰ってきて……

少し寝て…

昼間 働きに行き………

夕方 帰ってきて………

少し寝る……

夜中 働きに行き…

そして、また明け方 帰ってくる……

当時 20歳そこそこの僕でも そんなハードワーク真似できない。

本当に 頭が下がる思いでした。


スッパワールドのマッサージ機に座ったまま 長い事 口 開けたまま寝てたらしいねん……一緒に行ってたカズ子のおばちゃん『死んでんのかと思たわ!』言うて笑てたわ。ハハハハハ………


「ハハハハハ……ちゃうわ。そんな眠たいんやったら家で寝といたら良いやん。」


「うん、まぁな……でも、姉ちゃんもアンタも働きに行ってくれてるから 少し楽になったし 母は 遊ぶ 楽しさを知ってしまったんやわ!(笑)


「フフッ、なんやねんそれ。」

(そうか、僕が物心ついた…いや、物心つくずっと前から オカンは働いてくれてたんやろな……やっと 自分の為に時間使ってくれるようなったんや。)



「ほな、お母ちゃん デイリー行ってくるから、良い子にしてるんやで!」


「何歳やと思ってんねん!僕は ずっと良い子や!そんなん言うてんと 早よ仕事行きや(笑)。」


「そやな……ほな 行ってくるわ!」


「はいはい、気をつけてな。」


「ドリル。」


「なに?」


「幸せか?」



「なんなん急に?う〜ん、、、よう わからん………けど 不幸とは 思わんわ。」


「さよか……幸せになってな……。」



「はいはい。」



そう言って、母に背を向けコタツに入り 見てるのか見てないのか わからないようにボーッとテレビを見ながら いつのまにか眠っていた…………………。











「………リル!…………ドリル!!」


コタツで気持ちよく寝ていると 姉に 肩を揺すられ起こされた。

「なんなん?コタツで寝るくらい いいやん。」


「いやいや、コタツで 寝てるのは どうでもいいねん!アンタ!よう聞きや!




「ハァ………なんなん?」





「お母ちゃん、、、倒れたらしいで!」







「ぅ………うそやろ?」

この話の本当度 100%




……………つづく。

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ハチロウとドリル
サポートとは?・・・データマイニングの際の、相関分析の指標のひとつで、ある関連購買における支持率を表す。たとえば砂糖について卵の関連購買でサポートが20%の場合、砂糖と卵を一緒に購入する顧客が顧客全体の20%という意味である。 要するに心から嬉しいということでです!