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【線と空間と美】
おはようございます。建築をしたり、カフェを運営したり、イベントの裏方をしたりしている八村です。今回は、空間の美しさについて考えてみようかと。
空間にはさまざまな種類があります。住宅、カフェ、ホテル、ラウンジ、バー、フレンチレストランやイタリアンのお店……どんな場所でも「美しい」「かっこいい」「おしゃれ」と感じる瞬間がありますよね。では、それはなぜなのか? 何がそう感じさせるのか? そんな疑問を自分なりに言語化し、整理していこうと思います。
僕自身、これまで多くの空間を見て、学び、人と出会い、経験を積んできました。その中で「自分が何を美しいと感じるのか」「どういうデザインが好きなのか」という視点を持つようになりました。空間のデザインは、時代によって変化するものです。ファッションと同じように、流行や文化と共に進化していきます。今回は、その美しさの要素の一つとして「線」に焦点を当てて考えてみます。
【空間の美しさと「線」】
僕は、空間を設計するとき「線を減らす」ことを意識しています。線を少なくすることで、空間が美しく整い、洗練された印象になると考えている部分があるからです。
ここで言う「線」とは、建築やインテリアにおける要素の境界線を指します。例えば、壁のつなぎ目、梁(はり)や柱、家具のエッジ、タイルの目地、建具の枠など。これらが多いと、視覚的な情報が増え、空間が細切れに見えてしまうのではないか。
試しに、オフィスやカフェなどの内装を思い浮かべてみてください。壁がパネルで分割されていたり、タイルの目地が目立っていたりすると、それだけで空間が雑然とした印象になることがあります。逆に、そういった線を極力減らし、連続性を持たせることで、空間はすっきりと洗練され、美しく見えやすいのでは、と思うのです。
【線を減らすことで生まれる効果】
① 空間がすっきりとまとまる
壁や天井のつなぎ目をなくしたり、建具の枠を目立たなくしたりするだけで、驚くほど空間はすっきりと見えます。これは、シンプルな服装が洗練された印象を与えるのと同じなのかな。
② 視覚的なノイズを減らす
線が多いと、無意識のうちに視線が分散し、空間が落ち着かない印象になります。線を減らすことで視界が整理され、余白が生まれ、素材の質感や光の陰影が際立つようになります。
③ 美しさに直結する「引き算のデザイン」
美しい空間を作ろうとすると、つい装飾を加えたくなるものです。しかし、実は「何を足すか」ではなく、「何を引くか」に意識を向けることが重要です。不要な要素を削ぎ落とすことで、洗練された空間が生まれます。
【実践のヒント】
では、具体的にどうすれば「線を減らす」ことができるのか。いくつかの実践的なヒントを紹介します。
• 壁と天井の境目をシームレスにつなげる
昔は、壁と天井の境目に「廻り縁(まわりぶち)」を入れることが一般的でしたが、今では入れないデザインが主流になっています。これにより、壁と天井がひと続きに見え、空間が広く感じられます。
• 窓やドアの枠を極力細く、またはなくす
既製品でも枠のない建具が増えてきています。例えば、神谷コーポレーションの建具は枠をなくし、ドアだけが浮かび上がるデザインになっています。これにより、線の数が減り、すっきりとした印象になります。
• 家具のデザインをシンプルにする
増作家具(造り付け家具)を作る際も、つなぎ目を減らすことで、よりミニマルな印象に。例えば、カウンターを作る際に、集成材といって、、、集成材とは、木材を小さく加工し、接着して再構成した木材のことで、3cm幅くらいの木材をつなげた板。
集成材ではなく、10〜15cm幅の木材を繋ぎ合わせて使う無垢材だと、視覚的なラインを減らすことができます。
これは驚くほど違いが出ます。面で見れば同じ材なのに、線の数だけで違いが出ます。
• 床材の選び方を工夫する
タイルを選ぶ際は、小さなモザイクタイルよりも、大判タイル(600mm角や1200mm角)を使用すると、目地の数を減らせます。これにより、空間がすっきりと整います。全てがここ場合ではありませんが今回は線にフォーカスした話なので。
• 収納を壁に埋め込み、扉のラインを目立たなくする
収納を壁の一部のようにデザインすることで、視覚的な線を減らせます。ただし、スイッチやインターホンを壁に埋め込む場合は、逆に目立つこともあるので注意が必要です。
【何もしないことが、最高のデザインになることも】
究極のミニマルデザインとは「何もしないこと」かもしれません。デザインを考えるとき、何かを付け加えようとする傾向がありますが、本当に美しい空間は、余白を生かし、素材の美しさや光の陰影を際立たせることで生まれることもあります。
LESS BUT BETTER(より少なくより良質なものを)
例えば、僕が設計した空間の中には、ほぼ何もしていないように見える場所があります。しかし、その「何もしない美しさ」は、計算された余白と線の整理によって成り立っています。
そこに人が入ることによって完成される空間。
【まとめ】
今回は「線を減らすことで空間を美しくする」という視点で話をしました。線を減らすだけで、空間はぐっと洗練され、落ち着いた印象になります。
ただ、線が多いことが美しさにつながる場合もあります。それはまた次回、逆の視点から考えてみようと思います。
最後まで読んでいただきありがとうございました。
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PHILOSOPHY
「心地よく、豊かに、幸せに。」
空間は、ただの器ではない。
光と影、風と素材、温度と湿度——
すべてが響き合い、人の感覚に寄り添うことで、
心地よさが生まれ、豊かさへとつながっていく。
私たちは、建築とデザインを通じて、
身体が自然に呼吸し、心が静かに満たされる空間をつくる。
それは、意図を持って選ばれた素材の質感であり、
緻密に計算されたプロポーションであり、
日常の何気ない所作に溶け込む、流れるような動線の美しさ。
すべての要素が調和したとき、
そこには、健康で快適で、心から満たされる時間が生まれる。そんな「空間の本質」そのもの。
私たちの使命は、空間を通じて、人々の健康と心の豊かさを築くことにある。
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八村満
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