【今の暮らしを知ること】

おはようございます。建築やカフェ、イベントの裏方をしている八村です。

「今の暮らしを知ること」から始まる、心地よい住まいづくりのお話。

家を設計するときに大切なのは、「どんな家に住みたいですか？」と聞くことだけじゃない。
それよりも、「今はどんな空間で暮らしていますか？」を知ることの方が、その人に本当に合った住まいを考える上で、とても大きな手がかりになると思ってます。

なぜなら、理想の家と、実際の暮らしは、必ずしも一致するとは限らないから。

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【「こんな家に住みたい」と「今の暮らし」のズレ】

家を建てるとき、多くの人は「こんな家にしたい」という理想を持っている。
たとえば、
• すっきりシンプルな空間にしたい
• モダンで洗練されたデザインが好き
• 片付けがしやすい家にしたい

でも、それをそのまま形にしたら、その人にとって本当に心地よい住まいになるかというと、そうとも限らない。

たとえば、今の暮らしを見てみると、
• 「すっきり暮らしたい」と言いながら、お気に入りの雑貨や小物がたくさん並んでいる
• 「シンプルなデザインが好き」と言っているけど、普段選ぶものは木の温もりが感じられるナチュラルなものが多い
• 「収納を増やしたい」と思っているけど、実は片付けるよりも「手に取りやすい場所にある方が使いやすい」と感じている

こういうズレって、意外と多いんだよね。

だからこそ、理想の家を考えるときには、今の暮らしを知ることがすごく大事になってくる。

今の暮らしを見ると、その人の「本当の心地よさ」が見えてくる

たとえば、打ち合わせのときに、「収納を増やしたい」と言う人がいたとする。
でも、今住んでいる家を見せてもらうと、よく使うものは全部手の届くところに出してあって、「しまい込む収納」よりも「見せる収納」の方が合っていることが分かったりする。

逆に、「もっと開放感のある家にしたい」と話していた人の家を見たら、実はこぢんまりとした落ち着ける空間を大事にしていて、「広すぎると落ち着かない」と感じるタイプかもしれない。

こういうことって、話だけでは分からないことが多い。
実際に住んでいる空間を見ると、その人がどんな風に暮らしているのかが見えてくる。

• リビングのソファに座ることが多いのか、それとも床に座ることが多いのか
• キッチンにどれくらいのものを置いているか
• 寝室にどんな雰囲気を求めているのか
• どの部屋を一番長く使っているのか

こういうのって、実は本人も意識していないことが多かったりする。
でも、それが「その人にとって自然な暮らし方」なんじゃないのかな。

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【「今の家を見せてもらう」ということ】

もちろん、誰もが家の中を見せることに抵抗がないわけではないから、「ぜひ見せてください！」と無理にお願いするわけではない。

でも、「今の暮らしを知ることで、より理想に近い住まいを提案できる」ということを伝えると、意外と「じゃあ、見てもらった方がいいですね」と言ってくれる人も多い。

それに、住まいを見せてもらうことは、「この人はこういう生活が好きなんだな」と、言葉では伝わらない部分を感じ取ることにもつながる。

例えば、
• 「生活感がない家がいい」と言いながらも、実際は家族の写真や思い出のものを大切に飾っている
• 「とにかくシンプルな家が好き」と言っていても、キッチンにはお気に入りの調理器具が並んでいる
• 「広々とした家がいい」と思っていたけど、実はコンパクトにまとまっている方が安心する

こういうことって、実際に暮らしている空間を見ないと分からないし、本人も気づいていないことが多かったりする。

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【「本当の心地よさ」を見つけるために】

住まいをつくるとき、「こういう家にしたい」と考えるのはもちろん大切。
でも、それだけじゃなくて、「今どんな暮らしをしているか」を知ることが、もっと大切なんじゃないかと思う。

なぜなら、
• 「今の暮らし」がその人の本質を映し出しているから
• 「今の家で不便に感じていること」を知ることで、本当に必要なものが見えてくるから
• 「こうしたい」という理想と、「実際の暮らし」が違う場合、そのギャップを埋める方法が見えてくるから

だから、「こういう家にしたいです」という話を聞くだけじゃなく、「今どんな風に暮らしているのか」も一緒に考えていけたら、もっとその人に合った住まいをつくることができるんじゃないかなと思っている。

住まいは、「未来の理想」だけじゃなく、「今の暮らし」の延長にある

家を建てるとき、多くの人は「未来の理想の暮らし」を考える。
でも、その理想の暮らしは、「今の暮らし」の延長線上にあるはず。

だからこそ、家づくりをするときは、「こうなりたい」という理想だけじゃなく、「今どんな風に暮らしているのか？」を見つめることも大切だと思う。

そして、それを設計する側も、ただ「どんな家にしたいですか？」と聞くだけじゃなく、
「今の暮らしはどうですか？」
「今の家で好きなところ、嫌いなところはどこですか？」
「日常の中で、どんな時間が一番心地いいですか？」

そんな問いを大切にしながら、一緒に住まいを考えていきたい。

住まいは、その人自身を映し出す鏡みたいなもの。
だからこそ、理想を形にするだけじゃなく、「今の暮らし」に寄り添うことが、本当にその人のフィットする家づくりにつながるんじゃないかと思う。

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PHILOSOPHY

「心地よく、豊かに、幸せに。」

空間は、ただの器ではない。
光と影、風と素材、温度と湿度——
すべてが響き合い、人の感覚に寄り添うことで、
心地よさが生まれ、豊かさへとつながっていく。

私たちは、建築とデザインを通じて、
身体が自然に呼吸し、心が静かに満たされる空間をつくる。
それは、意図を持って選ばれた素材の質感であり、
緻密に計算されたプロポーションであり、
日常の何気ない所作に溶け込む、流れるような動線の美しさ。

すべての要素が調和したとき、
そこには、健康で快適で、心から満たされる時間が生まれる。そんな「空間の本質」そのもの。

私たちの使命は、空間を通じて、人々の健康と心の豊かさを築くことにある。

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八村満

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八村満、菅井暁子の共同代表が設計、デザイン、施工をする建築屋。シンプルに、快適に、普段の生活を豊かにするためのデザインを提案していきます。住宅だけではなく、家具やインテリア、エクステリア、土地や環境を最大限に生かしたパッシブデザイン、アクティブデザインの両方から設計やデザインを思考し、お客様の価値観に合う建築を提案します。お金や保険も専門家のチームでご案内しています。
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