名刺がわりの音楽アルバム
ジャンル無尽蔵に音楽を聞いてきた(とかいうと無茶苦茶音楽に詳しいみたいな言い方だけどそんなことはありません)自分の、名刺がわりの音楽アルバムなるものを書いてみよーかなーと思います。
9枚紹介することにします(Xでこの話題をしてる人たちが、画面を9分割してそこに選定したアルバムジャケットをはめ込んでいたのを見ましたので)。
でも、そんな「ワー!ここいく?マニアックだねー」というものはないです。お前が改めて記事にしなくたって良さはみんな分かってんだよ!と石を投げられそうなものばかり…。
①BOLERO/Mr.Children(1997)
お前が改めて上げなくても良さはみんな分かってるんだよシリーズ1です。これの前作の「深海」が、多分90年代Jpopを代表する名盤オブ名盤で、全曲最初から最後を通して一つの作品じゃい!という素晴らしさなんです。でも自分は「BOLERO」を選びます!
代表曲も入ってるのでとっつきやすい部分もあるにはあるのですが、収録曲のテンションがマジで躁鬱の幅がデカすぎて、作者(桜井和寿)は大丈夫なのだろうかと思うところが大好きです(大丈夫じゃなかったし)。「傘の下の君に告ぐ」という歌が どわい好き なのですが、ライブで一回もやったことがないと知り合いのミスチルガチ勢30年選手が教えてくれました。マジか…。
ミスチルの好きな曲!単体で!挙げると「LOVE」か「youthful days」で迷います。「深海に収録されている「雨のち晴れ」もだいぶ上位に好きな曲で、なんかやたら岡村靖幸テイストで珍しいなあと印象深いです。
最新アルバム「miss you」も自分はかなり大好きなテイストで、今までのミスチル楽曲にあまりなかったインディーフォークな感じを入れながら、50代の桜井和寿がこれを作る必然性みたいなものが感じ取られるのが良いです。
売れすぎて、イメージが固定化されたアーティスト・長年活躍してるアーティストの「そのタイミングで作られた必然性の感じる作品」「固定化されたイメージに安住せず新しいことをどんどん取り入れる」部分が大好物なので、この先も元気に活動してほしいなあ…の気持ちです。
夏にアリーナツアーに行ったとき、MCで「2022年にデビュー30周年を迎えたが、50周年を目指してこれからも頑張ります」なことを仰っていて、それを受けた感想なのか、グランディ21からの帰り道、知らないおばちゃんが隣で「50周年まで生きてられるかな…」と言っていたのが印象深いです。
ファンも健康でいないと!
②LANDSALE/P-MODEL(1980)
平沢進がP-MODELをやっていた時のマジの初期、2枚目のアルバムです。1枚目のアルバム「IN A MODEL ROOM」は、セックスピストルズへの憧憬が強く出てるサウンドだなと思ったんですが、2枚目はこのバンドの味・特徴がより出てるなと感じます。
歌詞のキレの鋭さ・シニカルさ・風刺・若干のキモさ(童貞感ともいう)が絶妙で、聞きながら歌詞を見ると目も耳も幸せです。「ワン・ウェイ・ラヴ」が特にいいです。
アーバンギャルドのメンバー、松永天馬さんがP-MODELで一番好きなアルバムとしてLANDSALEを挙げていて、やはりてまきゅんは信頼できる作り手だ!と松永天馬への好感度もさらに上がりました。
③KID A/Radiohead(2000)
お前が・わざわざ・あげなくてもシリーズNo.2です。
自分は雪深い地方に住んでいるので、冬にこれを聴きながら通勤するのがほんとにいい気持ちです。
1曲目のイントロからアルバムの世界に連れて行かれてしまう、本当に素晴らしいと思います。アルバムジャケットも、楽曲のイメージどんずばで、部屋に飾りたいくらい好き。
④友だちを殺してまで。/神聖かまってちゃん(2010)
神聖かまってちゃんというバンドの存在が、私が2010年代をティーンエイジで過ごして本当に本当に良かったなと思わせてくれます。あまり神聖かまってちゃんを知らない人からしたら結構スカムな感じのバンドなのかな?と思いがちなのですが、バンドに「神聖」が付いてるだけあって、ホーリーでポップで美しく、無垢なバンドなんだと思っています。この要素を絡めて、いい意味の特色を出してるパンク要素のあるバンド、あまりいないんじゃないかな。
メロディーラインがうっとりするほど美しいです。リリックだって一級品で、「ぺんてる」「ちりとり」に何度心を打たれたか分かりません。
の子のリリックは、聖と俗のイメージ/言葉の組み合わせから生まれるダイナミズム、みたいなものが本当に気持ちよくて好きです。その色が特に出ている楽曲である「犯罪者予備君」、かなり好き!
⑤三日月ロック/スピッツ(2002)
わざわざ私があげなくても…No.3。これもまた一曲目のイントロから連れて行かれるアルバム。小学校高学年の頃に出会ったアルバムなのですが、
絶対に草野マサムネと結婚いたします!という決心をしたきっかけになったアルバムでした(流石に30歳手前の今はそんなこと思いませんが)。
「ガーベラ」とても好きです。
⑥PvP/ZOC(2021)
シンガーソングライター大森靖子の率いるアイドルグループのアルバムです。アイドルとしての可愛らしさ・風刺・毒・女性だからこそ説得力の持つ表現、あらゆるものが全て網羅されています。
Tiktokでバズれるポップな曲もあれば、大森靖子の源流であろうフォークソングのテイストを汲んだ曲まで、幅広い楽曲が収録されているにも関わらずまとまりが良いと思います。
⑦らんど/ZAZEN BOYS(2024)
20年ぶりのアルバムだ〜!!!といっても自分は20年前小学生だったので、20年ファンとして待ち望めていたわけではないのですが…。
向井秀徳はNUMBER GIRL時代から「少女」「GIRL」の歌を多く作っていたけれど、本アルバム収録の「永遠少女」は度肝抜かれました。今まで高頻度で使われていつつ、それはどこか男性の理想イメージ、フィクション、妖精的な「少女」であったと感じています。それが「永遠少女」では全く意味が違う、血肉の伴った人間として浮かび上がるのが、衝撃でした。これまでの「少女」「GIRL」モチーフの積み重ねがあったからこその、「永遠少女」は、重さがある!
世の傍観者というか、世の事物に対して一線引いたドライな目線が向井秀徳のリリックの色だと思っていたんですが、このアルバムは、子どもが頻出して登場していて、自分より弱いものへの目線が伺えるのが新鮮でした。
一曲目の「DANBIRA」、お馴染みのギターの感じのイントロ、からの「繰り返される諸行無常…」のこれまたお決まりフレーズ…喜びのあまりオタクスマイル出てしまう…!
⑧ファンクラブ/ASIAN KUNG-FU GENERATION(2006)
小学4年生の時に「リライト」を聴き、そこからロックバンドってええですなあ!の沼に入ったので、アジカンは自分にとって全ての始まりといっても過言ではない大事なグループです。「ファンクラブ」はアジカンのなかでも陰鬱とした・内省的なカラーのアルバムです。発売日が確か3月だったはずで、だからなのか自分としては、3月の道端にある、溶けかけて土と混ざって黒ずんだ雪をなんとなく想起します。「バタフライ」やっぱいい曲だなー。最近キタニタツヤが自身のライブで「バタフライ」をカバーしてたようで、そちらも良かったです🙆♀️
シングルカットされた収録曲、「ワールドアパート」の楽曲及びMVの世界観も、かなり自分の「癖(ヘキ)」に影響をもたらしたと思っています。
⑨絶対少女/大森靖子(2013)
プロの女性シンガーソングライターとして歩むにあたり、日本だとYUIやmiwa路線にいくか、椎名林檎や宇多田ヒカル路線にいくかの二種類くらいしかないのかなあと思っていたところに新しい道を拓いたのが大森靖子というミュージシャンだと考えています。
卑近で過激な表現、痛々しさ、やるせなさ、なのに素朴さや揺るぎない「かわいさ」、この人の曲を聴くことでしかなれない感情が間違いなくあるのだと、出会ってから10年経った今ですら、強く思います。
なかなか素行というか、社会的なイメージは悪いミュージシャンなのですが、才能は間違いなくあるし、年数が経っても色褪せない名曲があります。
以上!いまの私が選ぶ名刺がわりの音楽アルバムでした。どちらかというと、邦楽を深く聞いてきておるんだなーとか、2010年代のサブカルチャーが糧になってるのだなあと自分で書いていながら自分のことを改めてわかるような感覚でした。
あなたのおすすめのアルバムがあれば、ぜひ教えてください!