『金色のガッシュ!!』を8/16巻まで読んだ
『金色のガッシュ!!』を読んでます。全16巻の完全版のうち8巻と少し、具体的には1000年前の魔物編が完結したところで読み終えています。
こう言うと各方面から「読んでなかったの!?」とツッコまれるのですが、当時の私は『うえきの法則』派だったのです。植木「コバセンの正義だ!」でドバドバ泣いてたあの頃。
「折り返しだし今の所感をメモって完走後に答えあわせしたいなー」
そんな思いつきでこの記事は作られています。現時点でどのコンビがアツいか、だれに生き残ってほしいか、あいつのリタイアが残念だった、ダニーの退場が交通事故ってなんだよetcをペア単位でつらつらと書いていきます。
それでは始めましょう。
清磨&ガッシュ
おまえが王にならなきゃこの物語うそだよ。
私はバトルロイヤルもので主人公以外の勝利を望みがちなひねくれ者なのですが、清磨とガッシュに限ってはまったくそういうのがありません。このペアには本当に優勝してほしいし、ガッシュにはやさしい王様になってこのクソルールバトルロイヤル考えた先代王の顔面をひっぱたいてほしい。
コルルをオリジンとして始まったガッシュの「やさしい王様」への険しい道。戦いに関係ない人への被害を許さず、やがて敵になるティオを「泣いていたから」とかばい、悪逆にめざめた1000年前の魔物を「かわいそうだ」「戦いから解き放ちたい」と想う。やさしい信念のために泥臭く戦うガッシュからは王の気概、そして器を感じずにはいられません。
ガッシュの王への道を支える清磨がまたカッコイイ。清磨が戦うたびに「カッコイイとしか言えないぐらいカッコイイから逆に言うことないな…」とい思うばかり。ところでいつもいつもシリアスにキメた次の話でアホになるのはなにかのルールなの?新手の世界のナベアツ?
あとこの2人、自分が相手にあげたものより相手からもらったものの方が何億倍も大きいと考えてそうですよね。いつか来る別れのときにありがとうの応酬してほしい。
シェリー&ブラゴ
魔界を2つに分けないか?
完全ノーマークだったペアにココ・ゾフィス戦で盛大にすっころびました。
このシーンで全身を強く打ったのですがここから入れる保険ありますか?
最初は「王になる」と「幼馴染を救って憎い戦いを終わらせる」の互いの利害のためにペアとなったブラゴとシェリー。周囲の犠牲をいとわないブラゴ、残虐で横暴なパートナーに嫌悪感をあらわにするシェリー、2人の関係は最悪からスタートしました。
そんなペアが戦いを乗り越えるたびに理解を深めて本当のコンビになっていく…画像のシーンはそんな2人を象徴しているように思えます。ゾフィスの嫌がらせでココを救えないと思い知らされたシェリーの慟哭を遮るように、ブラゴが自分の"強さ"だけで宿敵を屈服させる。
このシーン、初期のブラゴだったらなにも言わなかったと思うんですよね。王の自意識が悪逆を許さなかったのか、敗退者に相棒がナメられたままなのが我慢できなかったのか。どちらにしても人間界で過ごした日々のなかでブラゴが成長したからこその「逃げ続ける生活を送りたいか?」ではないでしょうか。
1000年前の魔物編を締めくくるのが、新しい目的を見つけたシェリーの宣言なのも大好きです。ココを救えたのならブラゴに協力する義理はないはずですが、このペアはそんな損得勘定を超越してしまいました。利害の一致から始まった2人が唯一無二の関係になっていくのいいよね…。
ところでガッシュがやさしい王様なら、ブラゴは厳しい王様なのでしょうか。うーむ甲乙つけがたいです。そもそも清磨ガッシュは本当に勝てるので?無理では?
フォルゴレ&キャンチョメ
気づけば"もう1組の主人公"と呼んでいたペアですね。
キャンチョメの術はどれも「相手をだます」に特化していて攻撃能力は皆無。フォルゴレは世界的スターだけど特別な力があるわけではなし。めちゃくちゃ弱いんですよね、このペア。
その弱い2人が勇気を振り絞って強敵に挑む姿がとことん"主人公"しています。ハッタリしか使えない自覚を持ったうえで戦場に立てるなら、それは立派な強さです。これは戦う力を持つ清磨&ガッシュやシェリー&ブラゴにはない魅力でしょう。
強さといえば、フォルゴレが持つ強さって異質ですよね。手紙をくれた女の子のために病室コンサートをしてみんなを楽しませるなんて、この作品の他の誰もできないじゃないですか。強さにもいろいろあって、フォルゴレは彼だけの力を持っている。思えばあのシーンからこのペアに惹かれていた気がします。
ところでキャンチョメが作中最強の魔物になるって話だけ聞いてるんですけど、全然検討つかねぇや。
バリー&グスタフ
先が気になるペアぶっちぎりの第1位です。
清磨とガッシュが初めて完敗を喫したのがバリーとグスタフでした。とくにバリーの実力は全魔物の中でもおそらく上位でしょうが、そんな男が「なぜ自分は戦うのか?」「どんな王になりたいか?」という根源を持っていなかったアンバランスさに心を掴まれました。
常にイライラしていたのも、戦いの理由を見つけられない情けない自分への無意識の苛立ちだったのでしょうか。
戦闘では終始清磨とガッシュを圧倒するも、心のどこかではむしろ2人に圧倒されていたバリー。その理由に気づいた彼は「最強の王をめざす」と宣言します。そのために何をすべきかグスタフに聞くバリーの笑顔が印象深いです。ずっと苛立っていたバリーが初めて笑みを見せるシーンで幕を閉じる構成がうめぇ。
志はあるが発展途上のガッシュ、力はあるが王としてのビジョンが未発達のバリー。合わせ鏡にも思える2人がそれぞれどんな戦いを超えてふたたび相まみえるのか、今から楽しみでなりません。
ところでグスタフさんの教育ぢからがハンパないんですよね。失礼ですがご職業は教師か将校かなにかで?
ダニー&ゴルドー
めちゃくちゃ想像していたが?「ガッシュは接近戦より中遠距離からのザケル連射のが強いだろうから、ダニーがタンク兼DPSで戦線守って後方からガッシュが援護するのがいいよね。相性いいよね。しかも年上の仲間って初めてだから話の幅も広がりそうだしナイス追加戦士!」とか思っていたが?
駆逐してやる……この世のトレーラーをすべて……!!!
冗談はさておき、ダニーの物語は「やりきった」話なのだと思います。パートナーのゴルドーから「仕事に誇りを持て」と言われ続けていた彼が、最後に自分の身を呈して誇りを守ったのです。ダニー個人の物語がそこで完結している以上、バトルロイヤルと関係ないだどうだは野暮な文句かもしれません。
魔物は王になる戦いの参加者以前に、成長過程の子どもでそれぞれの人生がある。そんな話だったのかなぁと今は振り返れます。当時は交通事故を滅ぼす手段ばっか考えてた。
アルベール&レイラ
額縁に入れて博物館に寄贈すべき。
この見開きが"すべて"なのでこれ以上語る言葉を持ちません。レイラとアルベールはベストパートナー。ところでレイラのアニメ版声優って宍戸留美さんなんですね。脳内でずっと林原めぐみさんがしゃべってました。『名探偵コナン 黒鉄の魚影』絶賛公開中です。
終わらねぇなこれ
2時間ほど書き続けているのにまったくまとまる気配がなく、このままでは本日のガッシュ読書時間が消滅するので切り上げます。
最後に8/16巻時点での『金色のガッシュ!!』全体の所感をひとつ。
自分はいま少年漫画を読んでいる!そう強く実感させる漫画です。
かつて少年ジャンプのキャッチフレーズだった「友情、努力、勝利」をたっぷりと盛りこみ、さらに別れのドラマがあり、面白いギャグもあり、さながらなんでも飛び出してくるおもちゃ箱のよう。私がぼんやりと思い描いていたらしい"王道の少年漫画"がLv100で具現化してくれた…『金色のガッシュ!!』とはそんな作品です。今のところ。
16/16巻まで読み終えた頃、この所感がどう変化しているのか。私自身楽しみにしつつ、これから続きを読んでいきます。早く2に追いつきたい。