「なんで“ハチマキ”なの?」#名前の由来
今まで5万回は聞いてきた質問である。
プロになって2戦目から35戦目までずっと“ハチマキ”というリングネームで試合をしてきた。
その由来を改めて書いていこうと思う。
そもそものキッカケとして、僕が所属しているジムPHOENIXでは
「プロはチャンピオンになるまでは本名ではなくリングネームにしなければならない」
というルールになっていた。加藤会長(当時)の悪趣味の極みである。
僕がプロデビューするとき名付けられたリングネームは
“北川球児”
というものだった。理由は当時坊主頭で「見た目が高校球児っぽい」というものだった。安易。
しかし会長に言われたら…
押忍
の一言である。
(親には野球選手になることを望まれて“球児”と名付けられたにもかかわらず、親の反対を振り抜き、自分の意思を貫きキックボクサーになった男…それが俺、北川球児…。)
そんな設定を自分で考えることで納得していた。
そして北川球児としてデビュー戦を戦い、勝利。
これで俺は野球選手ではなく、正真正銘キックボクサーになったんだ…
そんな時にジムの先輩に勧められて観たアニメがリングネームを変えるキッカケになった。
それが『プラネテス』というアニメだ。
主人公ハチマキ(星野八郎太)はサラリーマン。宇宙ステーションでデブリ(宇宙ゴミ)回収を仕事にしている職業宇宙飛行士だ。自分の宇宙船を手に入れるため、同僚のユーリやフィー、新人のタナベとデブリを回収する日々。今年で4年目を迎えた25歳、そろそろ自分の生き方を考え始めてきた。
2075年。
地球、宇宙ステーション、月の間を、旅客機が普通に行き交う世界で、ハチマキはどう想い、成長していくのか。
ハチマキは今日も仕事に出掛けていく。
そう、このハチマキである。
アニメの内容はここでは詳しくは書かないのでぜひ観てほしい、このアニメを観ていたく心を打たれた僕は会長にもアニメを観てほしいとお願いした。
最初はアニメなんて観ねえよ、と拒絶していた会長だが、何度も推すことで観てもらえた。
そして会長も心打たれた。
そこでリングネームの変更を直訴した。
「どうせ本名がダメなら…リングネーム、“ハチマキ”にしたいです!」
もちろん会長からはGOサインである。
自分は「北川“ハチマキ”和裕」とハチマキを本名のミドルネームのように入れることを提案した(前戦からこのリングネームになった)
それに対して会長は
駄目
の一言である。
それに対して僕は
押忍
の一言である。
こうしてキックボクサー“ハチマキ”爆誕である(リングネームを変えてから引き分けからの3連敗となった)
アニメを観た当時大学3年だった僕は、サラリーマンとして働きながら夢と現実の狭間で揺れ、そして夢を追う選択をしたハチマキの姿に自分を重ねていた。
何か今やりたいことや夢のようなものがありながら迷っている方にはぜひ観てもらいたいアニメだ。
僕も久しぶりに観たくなってきた(通しで5回は観ている)
本名の“和裕”の由来についても少し書きたいことがあるのだが、それは別の機会に。