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セルフコーチングの壁と、問いの効能(そして、マガジン『問いと生きる』のご案内)

せわしない日々を送っている方。
自分と静かに向き合う時間を作りたい方。

そんな方に向けて、今日は「日常のなかに『問い』を取り入れてみませんか」という話を少しだけできればと思います。

かんたんな自己紹介

わたしはライフコーチをしています。コロナ禍真っ只中の2021年3月からコーチングを本格的に学び始め、コーチとしてのキャリアはこの春4年目に突入しました。

コーチングにおいて好評いただいているのは「精確な言語化」と「多様な比喩」、そして「質問力」です。こうした力を活かし、累計650時間以上のコーチングをご提供しています。

詳細なプロフィールについては以下の二つのnoteをご覧ください。

▼全般的な自己紹介

▼コーチングに特化した紹介

問いについて

さて、コーチとして働くなかで1日1回は必ず口にするのが「問い」という言葉。

問いは、呼び水のような存在です。思考や感情が停滞しているとき、外側から問いを向けられることで、新たな気づきを得たり、大事なポイントに回帰したりすることができます。

コーチングにおいて問いが不可欠である理由も、まさにこれ。
全てに対して満足している方は、コーチングを受けにきません。何かを変化させたいと願う全てのクライアントさんにとって、問いとは自分の人生に対する解釈や意識の方向性を変えるうえで、欠かせない存在なのです。

では、問いはコーチとのやり取りでのみ有効なのでしょうか?それはもちろん違います。一人でいるときにも(むしろ一人のときこそ)問いは大きな役割を果たしてくれると言えるでしょう。

その点で問いとは、一人で進む道を照らしてくれる灯りのようなものかもしれません

セルフコーチング、という言葉を聞いたことはありますか?わたしもコーチングを学び始めてから知った概念なのですが、通常コーチとクライアント、一対一の関係性で行うコーチングを、一人のみで完結させるものです。つまりこのとき、あなたは二役を一人で引き受ける必要があります。

しかし、このときに壁として立ちはだかるものがあります。それが「主観と客観の混同」です。

実は、クライアントとコーチに対してコーチング中に求められることは、それぞれ異なります。

クライアント:自分自身に目を向ける
コーチ:自分とクライアントを取り囲む、あらゆるものを包括するように眼差しを向ける

つまり、あくまでもコーチングはクライアントの人生を取り扱うものなので、クライアントは自分自身のありように集中することがゴールなのですが、コーチはもっと俯瞰の目線を持つ必要があるということです。

しかし厄介なことに、セルフコーチングは一人二役。クライアント役として過ごすかたわらで、コーチとしての人格を自分の中に住まわせる必要があります。二つの目線を切り替えなくてはならない、とも言えるでしょう。

まだ空の明るい時間に月が見えると、なんだか奇妙な気持ちになります

もちろん、いつでもそんなにうまく自分のキャラクターを切り替えられるとは限りません。セルフコーチングをしようと思っていたのに、内省が加速に加速を重ねた結果、気づけば一人大反省会になり心が「ずうん」と重たくなってしまう、そんな経験がわたしにもありました。

問いは、そんなときに役に立ちます。自分の中の「コーチ人格」と「クライアント人格」を棲み分けてくれるのです。

なんらかの問いを見聞きし、それを自分の心に手向けるあなたはコーチ。そして、その問いを受け取り、咀嚼を始めたあなたはクライアント、といった具合かもしれません。

建物の中にいるときも、天井という境界線に守られているから安心できるのかもしれません

クライアントは何もかもを闇雲に考えるのではなく、コーチから向けられた「問い」というガイドラインに沿って自分の思考や感情を巡らせます。その点で「問いを自分に向ける」という行為は、何もかもを甘んじて受け止めることから少し距離を置き、客観性を以て自分を見つめる練習とも言えるでしょう。

マガジン『問いと生きる』について

前置きが長くなりました。改めて、このマガジンでは週に1回、さまざまな問いをお届けします。

問いの種類はさまざまです。

「あなたにとって『休息』とはどのようなものですか?」
「今、誰かと直接会えるなら、誰とどんな話をしますか?」
「今月、一つだけ特大のものを片付けるとしたら、それは何でしょう?」

もともとこの問いは、わたしが昨年から主催している架空のシェアハウス『LEBEN』内で、住人(コミュニティメンバー)の皆さんに投げかけてきたものです。

▼LEBENについて知りたい方はこちら

LEBENとはドイツ語で「暮らし」を意味するのですが、その名の通り日々の生活におけるさまざまな問いを皆さんにお渡しするうち、気づけばかなりの質問数になりました。

LEBEN自体はそのときの入居者さんの人数に応じて募集をしたりしていなかったりするのですが、せっかくなので質問だけでもみなさんにお渡しできれば、と思い、マガジンの立ち上げに至ります。

なお、本マガジンはメンバーシップでも読めます。

こちらはマガジンの価格に300円をプラスいただくことで、コラムと日々を健やかに生きるためのtipsもついてきます。問いを単体で読みたい方は、このままマガジンのみを購読ください。

最後に

わたしは(もちろんこのマガジンにおいても)穏やかな物言いを大切にしている自負がありますが、その内実としてはかなり暑苦しいほどの情熱と信頼を「問い」に対して寄せています。

それは、どんなに地を這うような気分のときも「今どうしたい?」と自分に問いかけることで人生の舵が切られた、という骨太な実感があるからです。

問いから芽吹く変容がある

ひとつの問いを読むのに、わずか1分。しかしそれだけシンプルな問いだからこそ、しっかりあなたの心に届き、より納得感を持てる人生に向かって進むきっかけの種を落としていきます。

せわしない日々において立ち止まり、自分を見つめる習慣として「問い」をあなたの日常に取り入れてみませんか。それはやがて人生のど真ん中で静かに芽吹き、確かな変容をもたらしてくれるはずだから。

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▶︎メンバーシップの概要 生活をより良くすることを目的とした場所です。 “LEBEN”という、コー…

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