医師と確定申告①
私は税理士ではありませんので、詳細な税法などの知識があるわけではありませんが、これまで確定申告を行った経験から、忙しい医師の方がどのように確定申告をすべきか、簡単なtipsとなれば幸いです。
間違った認識があれば随時ご指摘・お叱りいただきたいです。
そろそろ今年も確定申告の季節が近づいてきました。
この時期になると所得税がいくらになって還付されるのかはたまた納税しないといけないのかソワソワします。
医師というのは職業柄、確定申告を行う方が多いのではないかと推察します。それは収入が多い、というよりは複数の勤務先があるという理由が多数ではないでしょうか。(大学病院へ勤務している医師はアルバイトに行く人が多いです)にもかかわらず、学生時代から今に至るまで、確定申告のやり方なんて誰にも教わりません。初めての確定申告は忙しい時期にもかかわらず全くやり方が理解できずに苦労しました。こんなに大事なこと、しっかり教育する場があってもいいのに・・・
そんな方々に少しでもヒントになればと思い、記事にしてみます。めちゃめちゃざっくりお話ししますのでコツを押さえましょう。
主に、大学病院や総合病院で勤務している若手医師や大学院生を対象とさせてください。確定申告を全くやっていない方向けのお話です。
確定申告とは
勤務医の方で、勤務先の病院からの給料のみ受け取っている方は確定申告は必須ではありません。
お忙しい方、以下のことだけまず押さえてください。
確定申告は前年の所得等を鑑みて、納めるべき税額を計算する作業です。前年にいくら収入があったのかで税額が決まるわけですが、控除というシステムがあります。大雑把に例えると、得た金額とそこから減額する金額の2つを計算する作業です。
所得税を計算する金額=もらったすべての収入ではありません。例えば年収が1000万円の人は基礎控除として48万円を引いた952万円がスタートです。その他にも申告することで得られる控除はいくつかありますの。952万円からさらに複数の控除で700万円になったとしましょう。その700万円に税率をかけて計算するわけですね。(正確にはそこからさらに636,000円の控除があります)
この控除が最初はややこしい。収入を申告しないと怒られるのに、控除を申告しなくても怒られません。国としては取れる金額を増やしたいわけで、だからこそ控除をする作業は複雑になってたりします。そして絶対にわかりやすくしたり丁寧に教えてくれたりはしません。この部分を理解することで収入を増やすことが可能になります。
確定申告の準備のポイント
個人的に勝手な分類ですのでご容赦を
絶対に必要なこと(前年に得た所得)
★源泉徴収票の保管
1月になると前年に支払われた給与の源泉徴収票が勤務先の病院やアルバイト先(税理士事務所含む)から自宅へ送付されます。
時間がない方はこれさえあれば申告可能です。
この用紙は絶対処分しないよう大切に保管しましょう。
私は初めて確定申告を行う年にこの用紙をぞんざいに扱ってしまい後で探すのに大変苦労しました・・・
この用紙は前年に支払われた給与所得等が記載されています。
そして記載されている支払金額・源泉徴収税額・社会保険料等の金額が申告に必要となります。
★支払い調書の保管
意外と忘れがちなのが、講演会や雑誌などの執筆に対する謝礼の支払い書類です。給与所得以外に上記で得た収入は雑所得に分類されます。雑所得が合計20万円を超える際は申告が必要となります。
届いた明細は無くさないようにしましょう。
あったほうが良いもの(処理が簡単)
必須ではありませんが、処理が簡単なため基本的にやるべきものを挙げます。以下は控除の話なので、処理をしたほうが納税する税額が安くなるという作業です。
この2つは送られてきた書類に記載されている額を記入するだけなのでとても簡単です。
★ふるさと納税(寄附金控除)
すでに行っている方も多いと思いますが、ふるさと納税も控除対象ですのでしっかり申告しましょう。確定申告を行う場合は寄付した自治体が一箇所でもワンストップ特例制度は使用できませんので注意を。
自治体より届く寄付金受領証明書を忘れずに保管しましょう。
★生命保険料控除
生命保険に加入し、保険料を支払っている場合保険会社よりはがきなどが送られてくるはずです。こちらもしっかり保管して申告しましょう。
正直時間がない方や面倒に感じる方はこれだけでも良いのかなと思います。私も当初はあまり考えず上記の作業だけやっていました。
ただ、勤務医やアルバイト医にとって確定申告で収入を増やすためには控除をいかに増やすか(所得税をかけられる金額をいかに減らせるか)が勝負です。何もやらない人に国はお金を返してくれません。
次回の記事では控除について掘り下げてお話ししようと思います。