かたつむりと小人のキキ

小人のキキはもう6さい。自分で服も着られるし、ご飯ももちろん食べられるし、近所だったらお出かけもできます。

「ひとりで出かけたらダメよ、外はあぶないから」とキキのママはいつも言います。でも、キキは心のなかで「平気だもん。私、足が早いんだから!」と思っていました。

今日はおうちでおるすばん。キキはホットミルクを飲みながらお家から外の雨をながめました。
「あそびに行きたいな…」
すると、まどの外におおきな、おおきなかたつむりが見えるではありませんか。

キキはどうしても我慢ができなくなって、お家から飛び出しました。

「ねえ、待って!待って!かたつむりさぁん!」

かたつむりはゆっくりと顔だけ振り返りました。かたつむりのからはとっても鮮やかな水玉もようでした。

「そんなにびっくりしてどうしたの?君は…だれ?」
かたつむりはのんびりとキキを見つめました。

「私はキキ。ここに暮らしているの」

「…へえ」とかたつむりは家の中をのぞき込みました。
「ちいさい」

「あのね、それは小人のお家なんだから当たり前でしょ。今日はおるすばんなの」キキは急ぐように言うと、かたつむりの前をふさぐように立ちました。

「あの、あのさ、私は今とってもつまんないなあと思ってたところだったの。遊びに行きたかったんだ、ねえ、一緒に遊んでもいい?」

かたつむりはちょっと困った感じで言いました
「だって君、るすばんなんだろう?遊びに行ったら…いけないんじゃないかな」

キキはちらっとママの顔を思い浮かべました。でも、ちょっとだけなら平気かな。

「だいじょうぶ、すぐ帰ってくればいいと思う!だからお願い!」
キキはせがむようにかたつむりにつかまりました

「うーん。だいじょうぶかなぁ…」
かたつむりはのんびりと考えながら、キキと並んでゆっくりあるきました。



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