12歳になったあなたに送る言葉

女性の入口にさしかかって

お誕生日おめでとう。
今日でようやく、12歳になったね。今、ようやくと言ったけれども、私にしてみればあなたが赤ちゃんだった頃のこともつい昨日のことのようにも思えます。

確か私は一度、あなたに写真を見せたかもしれませんが、世界では12歳でも結婚しなければならない女の子がいます。女の子だからって勉強もさせてもらえない人もいるんです。

話は本題からややそれるけども、あなたの今の生活は地球で暮らしている人たちの中ではとても経済的に恵まれた水準にあります。私が何をいいたいかというと、そういう環境にいるからこそ、今後の未来の地球のあり方について考えてみようねということです。私は別に政治家になるわけじゃないし、と思うかもしれませんが、貴方自身がならなくても、今後の未来の地球のあり方を考えておけば、将来自分と気持ちを同じにする政治家に自分の票を託すこともできるわけです。

本題に戻しましょう。12歳くらいになると体も大きくなりますし、女性としての特徴を少しずつ見せるようにもなります。今までは「子ども」として見られることが多かったのに、「女性」としても見られることが増えてきます。

あなたには性行為は子どもを授かるために必要だというお話しかしていなかったと思います。ですが、人は子どもを授かるためだけに性行為をするわけではないということを今回はじめてお話しようと思います。これは他の動物ではあまりないことです。

人間は他の動物に比べると未熟な状態の子どもを産みます(鹿の赤ちゃんは生まれてまもなく立ち上がることを思い出してみてください)。一人前に育てるのにとても時間がかかるし、手もかかります。その自分の子を一人前にしている間に他の人の子を産んだりしないように、婚姻関係のようなしくみや子を生むためのものではない性行為をするのではという研究(こんなことを研究する人もいるんですね!)を目にしたことがあります。

まあ、難しい問題は抜きにしても、そういったわけで結婚して子どもを生むという段階の前に、交際相手から性行為を求められる可能性はそれなりにあります。「えぇっ!」と思うときに次のことを考えてください。

1 そうは言っても子供ができる可能性はある
  前にもお話したように性行為をすることによって、赤ちゃんを授かることがあります。これは愛情の確認だろうが、相手の性欲を満たすためだけものであろうが、何の目的でも同じことです。避妊(つまり性行為による妊娠を避けるための方法)もできなくはないですが、100%ではありません。特に皆さんの年頃では一番避妊出来る確率が高いのはコンドームを使う方法ですが、これだって100%ではない、つまり使い方等次第では子どもを授かるかもしれないということです。

結婚を真剣に考えることができる年頃や関係であれば、妊娠をきっかけに結婚するかもしれませんが(とはいえ、そういう年頃、関係だと思っていても、いざできたら男性側がびっくりして赤ちゃんを生むのはやめて堕ろして(つまりお腹の中で赤ちゃん以前の胎児を殺して)くれと言い出すこともあるんですよ。)、そうでないとすれば大変なことです。

赤ちゃんを産んだら、私と同じように、お母さんとして赤ちゃんを自分の責任において育てなくてはなりません。それは相手も同じことです。そのようなことは難しいなという時期であれば、性行為自体を慎重に判断すべきでしょう。私は弁護士として、友人として、子どもができたのに、男性が協力してくれないとか堕ろしてほしいと言われたという相談をたくさん受けてきました。みんな、この先への不安、困惑と愛する人に心ない言葉を言われた悲しみに打ちひしがれています。

では男の人のいうように堕ろせばいいか、というと、それも女性の心と体に大きな負担をかけます。一生子どもができなくなる人もいますし、しばらくは体が思うように動きません。また、「自分の子を殺してしまった」と日々苛まれて病気になった人も、私は何人も知っています。

こんな現実を交際相手は知らずに、自分に対して愛情があるのであれば自分の気持に応じてほしいというかもしれません。でも、実際にこういう現実はあるのです。どうか、真剣にこの事を相手にも考えてもらった上で、二人で判断して欲しいです。特に男性にとっては恋も性欲も(性行為をしたいという欲望)自分自身ですら見分けがつかないような年頃があります。その思いに流されて応じてみたら、応じた途端に相手がそっぽを向くなんてことも若い頃には実際にあったりします。

2 病気をうつされることもある

性行為によって感染する病気があります。先ほど話したコンドームを使うことにより感染を避けられるものもありますが、使ってもうつされる可能性のある病気もあります。相手がどういう人なのか、どういう人と付き合ってきたのか、全くわからない場合もありますが、そういうときには特にこのリスクを念頭に入れておいてください。

時折、「結婚するなら他の男性と性行為をしたことがない女性(処女といいます。)でないと」という男性もいるようですが、それは、女性からしてみれば「まったく、身勝手だなあ、よく言うよ」と思ったりもします。でも、それとは別に、若いころの性行為というのはいろんなリスクを伴うものだということは知っておいて欲しいのです。よく知らない相手との関係は特にリスクが高いということも。

まだ、こういった話は早いかなとは思うものの、女性の入口にたつあなたに話しておくことにしました。



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