12歳のあなたに贈る言葉(3)
自分の道をさがすということ
実は私自身、まだ答えのつかめない問いがあります。
それは自分がなんのために生まれてきたのか、という問いです。
この問いは人生の根本的なところを問うものなのに、私はまだ答えに確信を持てずにいます。
あなたはもしかすると驚くのかもしれません。あなたから見れば、私は「困っている人を助けるために頑張っている人」のように思えるのかもしれないから。
実は私もこれまで色々と迷いながら選択した結果、今の道を歩んでいるだけで、この先も同じような道なのかは自分にもわからないのです。
私は神様を信じているわけではありませんが、ある日突然何か見えない力が私をひょいとつまみあげて、ポーンと知らない世界に放り込んでいるのではないかと思うことならあります。
それくらい、私のこれまでは突然大きな変化が訪れることを受け止めていく人生だったとも言えます。
あなたは今、お母さんと同じ仕事について、私を助けたいと思っているようですが、あなたの道が進めばいろんな風景、いろんな人に出会います。
それから自分の道を定めてもいいんじゃないかと私は思っています。もちろん、私と同じ道を歩んでもいいのです。
弁護士は心も体も頭もフルで使う仕事なのでとてもハードですが、人を幸せにすることができる仕事でもあります。
ですが、他にも素敵な仕事はたくさんあります。今から道をしぼる必要はないんじゃないかなと私は思うのです。
私は小さい時から自分の父親に「男の人と変わらないような仕事をしなさい」と言われて育ちました。
なんとなく男の人に対抗するような雰囲気を感じていたのでその言葉に抵抗感がありましたが、結果的にはそういう仕事をしているのかもしれません。
私が思うのはあなたの良さが生かせる仕事を選ぶと、あなた自身も相手も無理せずいい結果をだしやすいかもしれないな、ということです。
職場も学校と同じ、気があう人もいればどうしてもしっくりこない人もいます。そして学校よりも職場では思い通りのことがすぐにできるとは限りません。働いてみるとわかることですが、お金を人から得るのは簡単なことではないのです。
そんな時に、あなたが自分の仕事を好きだったり、自分の職場が全体として自分と合ったりすると、壁にぶつかってもなんとかクリアできる(もちろん、どこでも楽々なんてことはないんですけどね)ことが多いんじゃないかと思います。
私が人を採用するお仕事をしていた時に思ったのは「就職活動ってお見合いみたい」ってことでした。
いい会社に採用されたから素晴らしい人、というわけでもないし、採用されなかったから能力のない人というわけでもない。これは相性なのです。
それに昔ほど会社の評価は簡単なものじゃありません。いわゆる「いい会社」が数年後に非難を受けたり、業績が悪くなったりすることも珍しくなくなりました。世間でいう「いい会社」なんて、実はあっさり崩れうる看板の一つなのです 。
これは今の時点では頭の片隅に置いておいてもらえばいいことですが。
自分がなんのために生きるのか?
もしかすると答えはもっとシンプルに考えればいいのかもしれません。
私は人を笑顔にするのが大好きです。あなたが大好きなことはなんですか?
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