12さいのあなたに送る言葉（1）

これから人生の甘さも苦さも味わうあなたに、女として何歩か前を進む私からこの話を贈ります。

「自分を大事に」って、どういうこと？

私がまだ学生の頃、私は自分のことを好きだと言ってもらえることが嬉しくて、そう言ってくれる男の人ならまずはお付き合いしてみることにしていました。
それまで男の人にそんなことを言われたことがなかったので、きっと自信をつけたかったんだと今は思います。

そんな時に、大学の先輩から「自分を大事にしなさい」と言われたのです。
私は反発しました。自分を別に粗末に扱おうと思っていたわけではなかったからです。

さて、今娘を持つ歳になって、私の若い頃を振り返ってみると、苦笑いせざるを得ないこともたくさんあります。
男の人の中には簡単に身体を許す、つまり安易にセックスに応じてくれる女の子を価値の低い人として蔑む人もいます（そのくせ、身体を許してほしいと思ってるんですから、自分勝手なもんです。）。私の場合は付き合っても身体を許していたわけではなかったのですが、側から見れば同じように思えたのかもしれません。

私は別の観点からあなたに自分を大事にしてほしいと思います。
私があなたを産んだ時、やっとこの子と会えたと人生で一番嬉しかったことを今でもすぐに思い出せます。私だけではありません。あなたのお父さんもおじいちゃんもおばあちゃんも、私のたくさんの友だちもみんなあなたの誕生を心から喜んでいたし、成長を楽しみにしています。
あなたは1人の人間としていろんな選択をこれからたくさんしなくてはいけないでしょう。そういう意味ではあなたの人生はいつかあなた自身で責任を負いますが、あなたはたった1人の存在であると同時にたくさんの人の暖かい輪の中にいる1人でもあるのです。

あなたにとって親や友だちが大事な存在であるのと同じくらい、親も友だちもあなたを大事に思っているのです。
そして、あなたの人生の責任はあなたがとるのですから、何よりあなたは自分の心と身体を大切にしましょう。心や身体は他のものでは取り替えられませんからね。