かたつむりと小人のキキ

カエル紳士に振り落とされないように、キキは必死につかまっていました。
つかまっているうちに静かになったのでふと顔をあげると、辺りは一面のアジサイでした。

「わぁ〜!!」思わずキキの口から声がもれました。
「ココは大変ステキな場所なのです。マドモアゼル」

キキはアジサイの花の上にのってみたり、茎につかまってみたり、花の色んな色を楽しんだりしていました。
「ねえ、カエルさん」

キキはふっとカエルの姿がないことに気が付きました。
「あれ?カエルさん?」

何度カエル紳士を呼んでも、カエル紳士はそこにはいませんでした。
キキには帰り道が全くわかりません。アジサイの丘にはキキ以外にはどうやら誰も居ないようでした。

「どうしよう…お母さん…」
一度ぽたっと涙がこぼれ始めたら、どんどんと止まらなくました。
さっき止んだのかと思った雨がまたぽつりぽつり降り出しました。

このまま、お家に帰れなかったらどうしようとキキは泣きながら考えました。



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