読了本 東野圭吾『名探偵の掟』
一言で感想をいえば、「少し古いかもだが本格ミステリじゃない作品も面白い」
書誌情報
あらすじ
感想
あらすじに「痛快傑作ミステリ」とあるが、謎解き要素はほとんどない。名探偵の天下一と大河原警部が作中世界とそれ以外の世界を行き来して、ツッコミを入れながら種明かしをするメタミステリがメイン(ギャグやパロディともいえる)。
そのため、お決まりの登場シーンが必ず入るし、謎解きする際に最初に発言する内容もほぼ変わらない仕様になっている。そして完全密室や2時間ドラマなどミステリあるあるなネタに対してツッコミやぼやきを入れつつ、解決へ向ける(たまに解決しない)という流れになっているのも特徴の1つ。
個人的に面白かったのは2時間ドラマの回とアンフェアな回。昔、両親が2時間サスペンスをよく見てて一緒に見てたからだと思う。アンフェアのやつは結末を知って「なんだよこれ」って思ってしまった(良くも悪くも)
シリーズとしては長編の「名探偵の呪縛」もあるが、気になるのでいつか読めればと思う。積読多いので本当にいつか。ドラマもあるらしいが、どうやら配信はされていないっぽい。これは仕方ないか。
さいごに
むかーしむかし、東野圭吾作品で読んだのは自伝的エッセイの「あの頃ぼくらはアホでした」は覚えているが、確かこういう系のメタミステリというか本格ではない小説も読んだ記憶があったような、なかったような。本当に高校か大学の時なので記憶が曖昧に。
この本は珍しく(?)賛否両論あり、ギャグやコントとして面白いという反面、本格好きにとっては期待外れというコメントも多い。後者に感じる人は途中で断念してしまう傾向も高い模様。そのため、気になる人はできたら1話の密室殺人の回をパラパラ読んで問題なければ読む方がいいかもしれない。途中でこれは違うと思われて断念してしまうのが勿体無いと思うので。