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理不尽な人間の許し方

 自分勝手な言動で他人に嫌な思いをさせる人間がいる。
 
  そういう事態に出くわしたとき、だいたいのことは放っておけるけど、たまにとてつもない怒りのツボに入って、そうなると永遠にイライラしてしまう。

「他人はコントロール出来ない」

「そんな人について考えている時間は無駄」


対処法を調べても出てくるのはこんなのばかりで、正直全く参考にならない。それどころか、「あぁ、自分はあんな奴のために時間を無駄にしているんだ」と再確認させられ余計に腹が立つ。

  「これはまずい」ということで、どうすれば心を落ち着けられるかいろいろ悩んでみた。そして半年くらい前に、そこそこ救いになる考え方に至った。


「単なる相手の能力不足」


 ただ能力が足りないだけ。

 こう捉えることが、自分にとってそこそこ有効な安定剤になってくれた。

 
「自分の間違いを認められない」
「自分の感情が正しいと思ってしまう」
「謝れない」

  こういうのを「性格が悪い」みたいに表現することが多い気がするんだけど、そういう人間性の話に持ち込んでしまうと、被害者側は凄く腹が立つ。

  じゃなくて「数学が苦手」とか「英単語が覚えられない」みたいな能力の話に持ち込むと、それほどイライラする必要は無くなる。

 実際、「自分を客観的に見ることが出来る」って立派な能力だし、それが足りないことが原因で人に嫌な思いをさせてしまう、っていうのもある程度筋が通っている。

  そして、能力不足は罪ではない。

  こうやって考えれば、そこそこ論理的に、ムカつく奴を許せるんじゃないだろうか。

人として間違った言動に対して「考え方は人それぞれ違うんだから」みたいな許し方を強要してくる人がいるけど、殺人鬼にも同じことが言えるのか訪ねてみたい。

  そんなゴミみたいな感情論じゃなくて、なんというか、もっとカチっと、納得のいく形で心を広くしていって、いろんな人を受け入れられるようになったらいいなと強く思う。




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