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やっぱり山から学ぶ。
人に連れられて、山に登ってきた。ちょうど初登山から1年、「同じルートを辿って成長を確かめよう」というコンセプトだった。
1年前のことを思い出す。装備はまるっきりの初心者(ダブダブのズボンと避難リュックだった)で、そのズボンのダブ付きに足を取られて転び、腰をひどく打った。登りも下りも辛く、足がガクガクして一歩一歩が苦痛だった。行程中、脳内はずっと「死ぬかも」「いや死ねない」の連続だった。
面白いことに、さすがに少し経験を積んだだけあって足取りは比べ物にならないくらい軽かった。装備もちゃんとしている。しかし途中の景色を全く覚えていなかった。脳に酸素がいってなかったとしか思えないほどに記憶が欠落していた。
山に登るといつも人生のことを思う。それもいろんな人の。そして「結局ひとりで踏み締めて歩んでいくしかないんだよな」と、当たり前のことを実感する。たとえ同行者が一緒でも。
それはよく言えば自立した関係だし、悪く取ればいつまでもどうしようもなく孤独だということでもある。でもありがたいことに、今は前者の感情を持つことができている。
それにはやはり適切な装備と、天候の判断と、正確な地図が不可欠なのだ。そして何よりも基礎的な自分のコンディション。体調であり体力。それがなければ気力など振り絞れない。
なお、「途中の景色を全く覚えていなかった」のには明確な理由があった。同じ道を辿っているつもりが、途中から初めて通る道に進入していたのだった。覚えてないわけだよ。
そういう番狂わせも、また人生の如し。
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