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footballは誰のもの


footballと聞いて何を思い浮かべるだろうか。


土や汗が混じった独特な臭いの部室。
怒号飛び交う校庭。
テレビから聞こえてくる歓声と小気味良い外国語。
コントローラーで自在に動かすスター選手。
揺れるスタンドと鼓膜に響くチャント。



浮かべる景色は人それぞれあるだろう。



footballとの関わり方は人それぞれだ。
footballを生業としている選手やコーチ、クラブスタッフ、スクールのコーチ、ライターやカメラマン等。
週末スタジアムに足を運ぶ人、海外クラブの情報を熱心に追いかける人、ゲームを楽しむ人、部活で汗を流す人。



僕はJリーグが好きだ。
堪らなく好きだ。
試合を観て、叫び、悲しみ、興奮し、涙する。
観続ければ観続ける程そこにはドラマが生まれ、人々を更なるfootballの深みに引き摺り込む。
世界中で愛されるこのスポーツの魅力、そしてそれぞれの地域にあるJリーグの価値と魅力を伝えたい。

そう思い拙い文章を少しずつだが書いていこうと思う。


好きな理由や、football観や考えは後日改めて記事にしたいと思う。





今日は、そんなJリーグの試合で起こった出来事を少しだけ振り返りたい。






概要

J2リーグ 第34節 ロアッソ熊本 vs 藤枝MYFC

2023年9月10日(日)18:00 えがお健康スタジアムにて、J2リーグ 第34節 ロアッソ熊本 vs 藤枝MYFCが開催された。

この試合はロアッソ熊本のトップパートナーである平田機工(株)の協力の元【Hirataサンクスマッチ】として、来場者15,000名にオリジナルベースボールシャツや、サイリウムブレスレットが配られ、ハーフタイムにはアイドルグループ#ババババンビのスペシャルライブも行われた。

ロアッソ熊本はリーグ後半戦勝ち無し、暫定20位、J2残留争いの真っただ中、公式には発表されていないが、ホームロアッソ熊本ではかなりの動員をかけた試合となった。(個人的な予想では18,000名程度を見込んでいたと思う)


吹き荒れる暴風雨

先行入場開始15:00の約50分前頃に、突然雷鳴と共に強烈な雨と突風が吹き荒れる事態に。来場者は落雷の恐れがあるため、待機列を離れスタジアムの影や橋の下、隣の施設等へ避難し、入場が始まったのは予定より1時間遅れの16:00からとなった。

実際突風により飛ばされるテントや看板等で怪我をする恐れがあった為、入場時間の変更は仕方のない判断だった。
また、スタジアム内、コンコース内ではピッチ看板やベンチ、案内看板、テント等が飛ばされとても試合が行える状況ではなく、急ピッチの復旧作業となっていた様だった。

入場開始が遅れたこと、通常以上に動員をかけたことも影響し、入場待機列は1㎞以上にも及び、試合開始後前半が終了するまで入場出来ずにいたサポーターも多かったと聞く。



現実は常に問題との戦い

雷暴風雨の中の試合運営

試合運営において一番重要なことは、来場者(運営スタッフ、選手、チームスタッフ含め全員)が事故・怪我を負わないことだろう。

試合運営に関しては、殆ど把握していないので分からない。
何れにせよ、突発的な暴風雨と雷鳴だった為、来場者の身の安全と試合運営を考えると、入場を遅らせる対応を取らざるを得なかったと思う。
また、一度崩れた待機列を元に戻すのは熟練のスタッフでも不可能と言っていいだろう。
当然待機列の順番は入れ替わる。
予定より1時間遅れでの入場の為、キックオフ時に入場が間に合わない事もこの時点で運営側は分かっていただろう。
この判断により不平不満が出る事は容易に想像できるが、人命を考えると天秤に掛けるまでもなく決断出来ただろう。


試合後ロアッソ熊本オフィシャルサイトにてお詫びが掲載された。

X(Twitter)上では運営に対し非難の声をいくつか見たが、個人的には出来得る中で最良の対応だったと思っている。
大好きなJリーグで不幸な事故は見たくない。


課題

今後の課題(特に動員をかけた試合)は、運営人員の確保と入場ゲートの増設。
入場の際のQRコードチケットの読み取り問題あたりだろうか。

現状の入場ゲート2つ(ホーム入場口)では入場者数が15,000人を超えると流石に時間が掛かり過ぎる。それに併せコンコース内の一方通行等の検討も必要か。
また、多くの人が携帯を使用する環境において通信状況が不安定になり、入場チケットであるQRコードが表示できない、または、初めての観戦でQRコードで入場することをそもそも知らない方がいる。



影のHERO

そんな予想だにしない事態が起こったにも関わらず無事試合を行うことが出来たのは、ボランティアスタッフの活躍があってこそだ。

ロアッソ熊本のホームゲーム開催時は試合にもよるが、ボランティアスタッフ20数名~40数名の方々が、円滑な試合運営の為にお手伝いをされている。
このボランティアスタッフの中には試合を観ることなく業務を行う方も多い。
試合を観ない。



そう、文字通りスタジアムで、ピッチのすぐ隣で、試合を観ないのだ。


円滑な試合運営と来場者の快適な試合観戦を最大限サポートするその姿は正にHEROそのものだと思う。

そんなボランティアスタッフを見ていて思ったことが1つある。


“footballは誰の為にあるのだろうか?”


ピッチで躍動する選手?
それを操る監督?
その全てを采配するクラブフロント?
そもそもその試合を開催しているJリーグ?
応援するサポーター?
クラブを支えるスポンサー?


冒頭に書いた通りfootballとの関わり方は人それぞれだ。

その中でも、ボランティアを通しクラブに貢献する関わり方を選んだ方々をリスペクトします。



スタジアムに向かう道中の早まる心臓。
入場ゲートを潜る時の高まりはやる気持ち。
コンコースを抜けスタンドからピッチを見渡した時の高揚感。



あの最高の空気感を作っているのは、そこに集まるサポーターや選手だけではなく、ボランティアスタッフの功績が大きいと改めて感じた。


スタジアムへ

この試合では、熊本ヴォルターズチアリーダーズの皆さんや、平田機工の坂本さんの挨拶、絆宣言、#ババババンビのハーフタイムライブや近藤沙瑛子さんの挨拶、そして古巣ロアッソ相手に得点を取った小笠原選手とそのインタビュー、そしてホームサポーターが歌うチャントと空気感、語ればキリが無いほど様々な感動やドラマがそこにはあった。

それは勝ち負けだけではない部分だ。

スタジアムで試合を観る価値はここにある。


長時間の待機列で疲れ果てもう来なくていいやと思った方、あまりの待機時間の為入場せずに帰宅された方、これに懲りずにまたスタジアムに足を運んで欲しい。


きっとあなただけのfootballの価値に気づくはずだ。


footballは誰のもの。

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