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勝点1の価値

ご無沙汰しております。

生きておりました。


本日2024年8月23日時点で、ロアッソ熊本は苦境に立たされております。
そんなロアッソにエールをと、筆を取った次第でございます。



早速脱線ですが、皆さんは贔屓のクラブのベストシーズンなどの思い出はありますでしょうか?また、好きな選手はいますか?

僕のヒーローは、今も昔も変わらずスティーブン・ジェラードです。
思い起こせば彼に惹かれたのは04-05シーズンのCL決勝ミラン戦で見せたイスタンブールの奇跡でした。
当然その当時スター選手だった彼のことを知ってはいたのですが、あの日みた景色は一瞬で僕の心を彼とリバプールFCの虜にしました。
(何その試合?何があったの?と気になった方は是非YouTubeで検索してくみてださい)
それからはずっと彼とリバプールFCを追いかけて、沢山のユニフォームを買い、それを着てTVの前で応援するのが毎週末深夜の楽しみでした。

当時の実家の部屋の画像がありましたw



しかしながら世界的なスーパースターを擁していても、タイトルを取る事が困難なプレミアリーグ。CLのタイトルを取り、カップ戦のタイトルも取っているが、彼が1番望んだタイトルがプレミアリーグだった。
そして、アカデミー出身の生え抜き選手である彼がプレミアリーグを勝ち取る瞬間は世界中のサポーターの悲願でもあった。

そんな彼が最もプレミアリーグタイトルに近づいたのが13-14シーズンだ。
当時の監督であるブレンダンロジャースが志向したのは、4点取られても5点取って勝つサッカー。(失点するつもりは勿論無いのであろうが、結果している)

シーズン終盤マンチェスターC戦の興奮は今でも忘れないし、マイベストゲームを選ぶとしたらTOP5に入る熱く最高の試合だった。


このシーズンはSASと呼ばれたスアレスとスタリッジの2TOPが爆発。2人でシーズン52ゴールを決める活躍。更にヘンダーソンやスターリング、コウチーニョ等の選手が才能を開花させ、圧倒的な攻撃力でその年のプレミアリーグを沸かせた。
そんな攻撃力を支えたのが、やはりスティーブン・ジェラードだった。アンカーにコンバートされた彼は、正確なキックからロングレンジミドルレンジのパスをバシバシ通し、数多くのチャンスを演出。また、チャンスの場面にはゴール前にも顔を出す相変わらずのアグレッシブさを見せた。
最終的には惜しくも首位と勝点2差の2位でシーズンを終え、ジェラードがプレミアリーグのタイトルを手にする事は無かった。
しかし、最高の興奮と熱狂を与えてくれた当時の選手には本当に感謝している。
時間があれば当時のゴール集がYouTubeに上がっているので是非観てもらいたい。
ペナルティエリア外からヘディングでゴール決めたりと意味がわからないゴールがちょこちょこ出てきます。


ロアッソ熊本の話をしよう

前置きが長くなったが、当時のリバプールは攻撃的なサッカーでリーグ戦101の得点を記録。しかし失点が50。3位のチェルシーが堅守を見せ失点27だった事を考えると、幾分物足りない。
攻撃的で個人的に大好きなシーズンであり、人々を魅了したスペクタクルなサッカーはエンターテイメントとしての魅力は間違ないのだが、実際に、“あの失点が無ければ優勝していた”と思えるシーンがいくつもあった。

つまり何が言いたいのかと言うと、“最終的に僅差の戦いを制すには、失点を無くすこと”。これは、1試合や2試合の短期的な話ではなく、長いリーグ戦を戦い最終局面を迎えた時に見える結果に対してである。
完全に持論でしかないし、統計を取って検証したわけでもない。
長年リーグ戦を観てきた感想だ。
思い出してほしい、良い流れで押せ押せムードだったのに、1つの失点をきっかけに流れが悪くなり勝ちきれない、または負ける。サッカーにおいてよく目にする光景だ。

ロアッソ熊本は2024年8月23日現在J2リーグ27試合終了時点で降格圏との勝点差2の17位。総得点31、総失点46。失点数を見るとこの順位にいるのも致し方ない。27試合終了時点で総失点数がロアッソよりも多いのは18位栃木SCの47失点のみ。失点数最下位と1差でしかない。
皆さんご存知の通り、大木監督が志向するサッカーは、人とボールが良く動きゴールに迫るサッカーだ。毎試合、試合前の監督インタビューで“点を取る事です”と発言する大木監督の姿は映像を観ずとも目に浮かぶだろう。
天皇杯等では、勝つために点を取らなければならないのは明白だ。
では、リーグ戦ではどうだろうか?シーズン全38試合の中でどれだけの勝点を積み上げることが出来るかを争うのがリーグ戦だ。

先程の話に戻る。これも1つの持論だが、1つの失点をきっかけに流れが悪くなると感じるのは、サッカーにおける1点目の価値は、2点目、3点目よりも価値が高いからだ。
何故か?
それは、サッカーは極端に点が入らないスポーツであるからである。同じ球技で決めたれたコート内を敵味方が自由に戦うバスケットボールやハンドボール、またはフットサルと比べても、サッカーは点が入らない。その他競技と比べても1点の価値は非常に高い。
現時点でJ2リーグ1位、総得点数1位の清水エスパルスでさえ1試合平均得点は1.85点となっており、数字上1試合2点は取れていないのである。
先制点を取って守りに入り勝ち切る、もしくは引き分けまで持ち込むと言うのは、リーグ戦においては重要な戦術である。また、先制点を取られた相手は、多少バランスを崩しても前に行く必要があり、そうなると裏のスペースが空いてカウンターを受ける場面も増えてくる。
つまり先制点さえ取ってしまえば、勝つ、もしくは引き分ける可能性はぐっと上がり、逆も然りで1点を取られると勝つ可能性はぐっと下がる。

それだけに1点目の価値は高いと言える。

極端な話、全38試合で1点も奪えなくとも、1点も与えなければ、勝点38は獲得できるのである。この38という数字はおそらく残留争いの基準になってくる数字だろう。

そういった意味でも、クリーンシートで試合を終える事は、勝点の意味でもチームに多くをもたらす。

それもあり個人的には、“チーム戦術の構築はまず守備から”だと思ってる。守備コンセプトを決めそれに合わせた配置や組み合わせ、動き方を詰めて行くべきだと思う。

ロアッソが躍進した2022シーズン、前線からの人を捕まえる連動したプレスは、タイミング、スピード、距離感も良く、相手は堪らず前線に蹴る、そこには空中戦にめっぽう強い菅田やイヨハが待っているという守備がはまっていた。よくアンカー河原の脇のスペースを使われると言われていたが、状況によっては両サイドの三島や竹本がスペースを埋める動きをしていたし、CBが飛び出して潰しに行っていた。
1点の価値が高いサッカーにおいてどうしてもアタッカーに目が行き、杉山や坂本、高橋の得点力で勝ち上がって行ったイメージもあるが、あの躍進を支えたのは紛れもなく守備戦術であったと思っている。
チームコンセプトに合わせ選手を揃えたのか、選手に合わせてチームコンセプトを決めたのかは分からないが、攻守においてそれぞれの選手が、それぞれの役割にピッタリとはまったと感じていた。

今シーズンロアッソ熊本の最大の弱点はセットプレーで点を取られすぎている。また、セットプレーで点を取れない点である。
セットプレーは、先ほどの守備のコンセプトや守り方を全く無視した無関係の所から点を取れるという点で、サッカーにおいて非常に重要なファクターの一つです。
football-lab様のデータによると、現時点でのセットプレーからの得点が5、失点が14、合わせると-9。ちなみに現時点で最も失点が少ない横浜 FCはセットプレーからの得点は17、失点がわずか1。合わせると+16。ロアッソとの差は25。1点に価値があるサッカーで上位チームとセットプレーにこれだけの差があるとなるとやはり厳しい。

この投稿のはじめにロアッソにエールをと書き始めたのだが、実際僕に出来るのは、相手のセットプレー時にキッカーがキックミスをするよう念を送ることくらいだろう。






さあ皆んなで念を送ろう!!!



それはさておき、今後の試合で、展開や時間帯によっては、勝ちに行きたい選手と引き分けでも良しと思う選手の気持ちとプレーの乖離が生まれて来る場面が訪れるでしょう。チームスポーツである以上、意思統一は絶対に必要だし、チームとしての判断をベンチのコーチ陣が明確に伝えるべきだし、上村のキャプテンシーが絶対に必要になる。

アウェイゲーム後半85分の場面。
スコアは0-0。
1点取れば勝点は+2。
1点取られると勝点は-1。
ここの見極めが非常に重要になる。

あの時、この判断を間違えていなければ…、あの時、チームの決断として意思を統一出来ていれば、リバプールは優勝出来ていた。ジェラードがプレミアリーグを取れていた。
悔しくて悔しくて仕方なかった。

だからこそ、チームには引き分ける勇気を持って欲しいし、サポーターにも同じ様に引き分ける勇気を持って欲しいと切に願っております。

それだけ勝点1が重要な局面に立たされているという事だ。

残り11試合全力で応援します。
引き続きよろしくお願いします。


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