
将来のオリンピック競技を予想します!
こんにちは!はちもりと申します!
体育の授業で書いたレポートの体裁をちょっと変更して、インターネットで公開することにしました!
結論から話すと、「水上スキー・ウエイクボード」、「ペタンク」が将来オリンピック競技として追加されると予想しました!

はじめに
第33回オリンピック競技大会(2024/パリ)では、新競技として「ブレイキン」が採用されました。即興で音楽に合わせたダンスをし、表現力を競うという目新しい種目です。
オリンピックでは「陸上競技」や「水泳」など第1回大会から続いている種目もある一方、新たに追加されたり廃止された競技も多く存在します。そこで、過去の事例を参考にしながら、今後の大会で採用される可能性のある競技の傾向を考察していこうと思います!
今回は、夏期オリンピックのみを対象に調査を行いました。
その中でも近年の傾向を分析して将来の予測に役立てるために、
〇第32回オリンピック競技大会(2024/東京)(以降「東京大会」と表記)
〇第33回オリンピック競技大会(2024/パリ) (以降「パリ大会」と表記)
で実施された競技と、
〇第34回オリンピック競技大会(2028/ロサンゼルス)(以降「LA大会」と表記)
で実施予定の競技を対象としました。
調査方法はインターネットによる検索です。主にオリンピック公式サイトを利用して、不足する情報は他の信頼できるサイトで補いました。参考にさせていただいたページは最後にまとめました。
調査
東京大会
東京大会からの追加競技は「空手」、「スケートボード」、「スポーツクライミング」、「サーフィン」の4つがあります。このうちパリ大会では実施されなかった「空手」以外の3つの競技について調査していきます。
「スケートボード」は車輪のついた木製のボードの上に立ち、「トリック」と呼ばれる技を披露してスコアを競う競技です。お椀型のくぼみを組み合わせたコースの「パーク」と、階段やレールなど都市環境を模したコースの「ストリート」という2種類の種目があります。
ユースオリンピックでは、2014の南京大会から既に実施されていて、若者に人気があります。オリンピックのパリ大会でも女子ストリートで日本代表の14歳の吉沢選手が優勝しました。

「スポーツクライミング」は壁に取り付けられた「ホールド」と呼ばれるカラフルな突起物を登り速さや高度などを競う競技です。身体能力とテクニックだけでなく、攻略をするために頭を使うことも時には必要となります。
5m程度の高さをロープなしで登る「ボルダリング」は道具を必要とせず気軽に楽しめるため、日本でも競技人口が増加していて、民間ジムなどでも設備が導入されています。

↓スピード競技、速すぎて面白い
「サーフィン」はサーフボードの上に立ち、波に乗って様々なテクニックを披露してスコアを競う競技です。20~30分の制限時間内に10~12本の波に乗って、そのうち点数の高い2本の合計で順位が決められます。自然環境に密接する競技であり、選手同士でどの波に乗るかの駆け引きや、いい波をつかむ運も大事になります。
日本では江戸時代に「瀬のし」という波乗りをしていた記録が残っています。良質な波のビーチが多くあり、東京大会の会場であった釣ヶ崎海岸は世界最高レベルともいわれているそうです。

パリ大会
パリ大会での唯一の追加競技は「ブレイキン」でした。別名「ブレイクダンス」としても知られているダンススポーツの一形態です。DJが選曲した音楽に合わせた即興のダンスを披露してパフォーマンスや創造性を競います。
国際オリンピック委員会会長トーマス・バッハは、若者のオリンピックへの関心を高める取り組みの一環として追加したと述べています。「スケートボード」と同じく、ユースオリンピックで先に登場していました。(2018のブエノスアイレス大会)
パリ大会で初めて実施されましたが、その次のLA大会では実施されないと決定されているそうです。

LA大会
2023年10月のIOC総会で「フラッグフットボール」と「スカッシュ」が新たに実施されることが決定しました。この2競技に加え、競技内容が一部変更となった「近代五種」の3つを調査していきます。
「フラッグフットボール」は「アメリカンフットボール」のタックルを腰の左右につけた「フラッグ」を取ることに置き換えた競技です。選手同士の身体的接触を禁止していて、年齢や性別を問わず安心して楽しめることが特徴です。
アメリカでは教育、レクリエーション、競技として幅広く親しまれています。日本でも文部科学省の「新学習指導要領」にも掲載されていて、小学校の授業で導入されています。

「スカッシュ」は四方を壁で囲まれた長方形のコートで2人の選手が対戦するラケット競技です。ゴム製のボールがビリヤードのように床と壁を反射するため、頭脳戦の要素が大きいそうです。
コンパクトな室内のコートで実施できることから、日本での人気も高まってきていて、「スポーツクライミング」のように民間のスポーツクラブに設備があることが多いです。他のスポーツに比べて短時間での運動効果が大きいと言われています。

「近代五種」は射撃・フェンシング・水泳・馬術・ランニングの5種目で順位を決める複合競技です。しかし、国際近代五種連盟はパリ大会をもって馬術を競技から除外すると決定しました。馬の飼育や練習には費用がかかって、東京大会では動物虐待の批判もあったことなどが要因だそうです。
そして、新しく追加される予定である競技が「オブスタクルコースレース」です。「オブスタクルスポーツ」とは様々な障害物を突破してタイムを競う競技です。日本のテレビ番組「SASUKE」が世界的に広まったことから、近年スポーツとしても認知されるようになりました。

考察
近年の大会で追加された競技をまとめて、2つの傾向があると考えました。
①若者人気のあるエクストリームスポーツ・アーバンスポーツ
速さや高さ、危険さや華麗さなどの過激な要素を持った「エクストリームスポーツ」の中で都市型のスタイルのものが「アーバンスポーツ」と呼ばれています。
エクストリームスポーツは自然の中で自身の限界に挑むという点で若者に多く支持されています。自身の達成感を求めたり、観客にパフォーマンスを魅せることを重視した競技はオリンピックで多くの人の関心を引き付けるスポーツです。
そして、アーバンスポーツも順位を競うよりも、観客と共に楽しむという点で、新たなスポーツの形でしょう。都会の街中の小スペースでも始めることができ、プレイスタイルの自由度が高いという点で現代的だと考えられます。
これらのことから、今後の追加競技の選定には若者人気が重要な要素となると考えられます。
「スケートボード」、「スポーツクライミング」、「サーフィン」、「ブレイキン」「オブスタクルコースレース」がこれに当てはまるスポーツでした。
② 老若男女が楽しめるニュースポーツ
20世紀後半以降に新しく考案・紹介された「ニュースポーツ」は、レクリエーションの一環として気軽に楽しむこともできることから広がりを見せています。
「フラッグフットボール」は元のアメリカンフットボールのルールから、安全に楽しむために考えられた。時代に応じた進化を遂げたスポーツです。
「スカッシュ」はプレーヤーそれぞれの力量に合ったスピードで楽しめます。手軽に始められ、新しい形の面白さがあるスポーツであるため、オリンピックに採用されたと考えられます。「スポーツクライミング」と同様に、民間での人気が増加することも、オリンピックの追加競技として採用される要素でしょう。
まとめ
オリンピックに採用される競技の傾向は「若者人気のあるエクストリームスポーツ・アーバンスポーツ」や「老若男女が楽しめるニュースポーツ」であると分かりました。今後の追加競技もその方向性で決められていくと考えられます。
また、今回は夏期オリンピックのみを取り上げましたが、冬季オリンピックやパラリンピックなどの過去の追加競技も調べることで、より詳しく将来の競技の予測ができると思います!
参考
JOC - 日本オリンピック委員会(joc.or.jp)
Olympics | Olympic Games, Medals, Results & Latest News(olympics.com)
東京都オリンピック・パラリンピック調整部(metro.tokyo.jp)
NHK | 日本放送協会(nhk.jp)
読売新聞オンライン : ニュース&お得サイト(yomiuri.co.jp)
産経ニュース(sankei.com)
TBS NEWS DIG | TBS/JNNのニュースサイト(newsdig.tbs.co.jp)
Mickipedia - ミキペディア|クライミングをもっと考えたい全ての人へ(micki-pedia.com)
YUNOHAMA HYAKUNEN | ゆのはま100年(yunohama100.com)
日本フラッグフットボール協会オフィシャルサイト(japanflag.org)
JSA | 公益社団法人日本スカッシュ協会 Official Web Site(squash.or.jp)
Sports for Social|スポーツの力を社会のために(sports-for-social.com)
NATURES. ネイチャーズ | 自然体験・キャンプ・ワーケーション・SDGs・離島企画の情報メディア(natures.natureservice.jp)
笹川スポーツ財団 ~行動するスポーツシンクタンク~ - 笹川スポーツ財団(ssf.or.jp)
日本スポーツ芸術協会/日本体育協会(sportsarts.gr.jp)
THE SURF NEWS「サーフニュース」(surfnews.jp)
おまけ
過去にオリンピック種目だったが、現在は除外された競技にはどのようなものがありますか?
2020年の東京大会から追加種目という制度が導入されました。正式競技に加えて、開催国がいくつかの競技の追加実施を提案でき、その大会では正式種目と同様に扱うという制度です。東京大会では「空手」、「野球・ソフトボール」などが追加種目として実施されました。
これらの追加種目は大会ごとに提案されるため、パリ大会では開催されませんでした。フランスでの知名度が低かったことなども原因です。
追加種目制度が始まる前に正式種目として実施されていて、現在廃止されている競技を以下では取り上げます。
「綱引き」は第2回大会(1900/パリ)から第7回大会(1920/アントワープ)まで実施された競技です。8人のチーム対抗で綱を引き合って、先に4メートル引き込んだ側の勝利となります。単純なルールから世界的に広く親しまれています。廃止された理由は、IOCが競技数の増加を防ぐために、当時国際組織を持たなかった綱引きが仕分けの対象となったからだそうです。

「ポロ」は4人の選手が馬に乗って、広いフィールドでボールを相手のゴールに打ち込む競技です。馬術の技術や戦術、チームワークが求められる点が魅力です。第2回大会(1900/パリ)から第11回大会(1936/ベルリン)までオリンピック競技でしたが、その後廃止されました。1人の選手当たり4頭の馬の用意が必要など条件が難しく、競技人口も多くないことが原因だそうです。

「芸術競技」は第6回大会(1912/ストックホルム)から第14回大会(1948/ロンドン)まで実施されていました。スポーツを題材とした芸術作品で競い、絵画、彫刻、文学、建築、音楽の5つの種目があります。採点の基準が難しいことや、輸送が大変なことから廃止されました。その後、競技ではなく文化プログラムとして芸術展示が行われるようになりました。

これらの競技以外にも様々な理由で廃止された競技があります。また、例えば陸上の中にも昔は「立ち幅跳び」という競技があったり、各種目のルールなども時代によって変わっています。
パリ大会のサーフィン競技は、どこで開催されましたか?
フランス領ポリネシア・タヒチ島の村「チョープー」で開催されました。大きな波が特徴のサーフスポットであり、国際的なサーフィン大会も開かれています。オリンピック時期のフランスは北半球で、サーフィンに関してはオフシーズンでした。そこで、フランス本土から大きく離れた、南半球に位置する会場として選定されました。
オリンピックの会場とすることで、サンゴ礁などの環境破壊につながることが懸念されました。そこで、開発を最小限にとどめることが決定され、選手村を建設せずにクルーズ船で代用するなどの措置がとられました。
具体的にどんなスポーツが将来オリンピック競技として追加されるでしょうか?
オリンピックに採用されていない競技種目の国際総合競技大会として「ワールドゲームズ」という大会があります。過去に「ブレイキン」や「サーフィン」などもワールドゲームズからオリンピックに追加されているため、この最新の大会に注目して考察をしていきます!
2025年のワールドゲームズ第12回大会では35競技が実施されます。これらの競技の中から、過去にオリンピック競技として一度も実施されていないものに絞って考えてみます。例えば「綱引き」は過去にオリンピックで実施され、現在はワールドゲームズで実施されていて、今後オリンピックに復活する可能性もありますが、今回は全く新しく追加される競技の予測とします。
この条件で以下の18競技に絞り込みました。
・エアースポーツ
・ビリヤード
・コーフボール
・フロアボール
・フライングディスク
・ライフセービング
・オリエンテーリング
・フィンスイミング
・キックボクシング
・中国武術
・サンボ
・ムエタイ
・ローラースポーツ
・水上スキー・ウエイクボード
・ラケットボール
・フィストボール
・チアリーディング
・ブールスポーツ
この中で考察の①の条件に当てはまるスポーツとして「水上スキー・ウエイクボード」があげられます。「スケートボード」や「サーフィン」に近いため、追加される可能性が高いと考えました。エンジンやモーターを利用する競技は他に無いため、新規性の面でも良いと思いました。機械による動力使用については、オリンピック憲章で実施可能な競技として認められていて、IOCの承認競技にも含まれています。

次に考察の②に当てはまるものとして「ブールスポーツ」の「ペタンク」という種目に着目しました。フランス発祥のスポーツで、目標球により近く位置させるように鉄の球を投げます。1907年に考案されフランスでは競技人口が多く、老若男女が楽しめることから、日本ではニュースポーツとしても紹介されています。パラリンピックの第8回大会(1988/ソウル)から追加されている「ボッチャ」という競技ともルールが似ているそうです。夏期オリンピックにはそのような球を寄せるというようなルールのスポーツは無いため、面白いと思いました!

以上で記事は終了です!ありがとうございました!