【詩小説】無音空間の人魚
深い深い 海の底
ここでは 音がない
無音の世界
地上の音は 海の底まで
届かない
冷たい冷たい 海の底
冷えきったカラダ
深い深い 海の底
深い溜め息
無音の閉鎖空間
私は 何かを求めていた
探していたのだ
今の私は 何か欠けていた
満たされていなかった
何かは わからないけれど
ある日 突然 聞こえてきた
海の底まで
私の心の奥深くまで
アナタの声が
響いてきた
私の心は 熱くなった
あんなに冷たかったのに
窮屈で押しつぶされそうだった気持ちが 一瞬で解放された気がした
私が求めていたのは
アナタだったのだ
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Luceさんの素敵なイラストに当て書きさせていただきました(*´︶`)