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【短編小説】寂しさで埋めないように

スッカラカンの冷蔵庫
給料日前と言うことではない
普段から スッカラカン
扉を開けると無の空間が広がる

なんとも寂しく
なんとも虚しい

何かで埋めようと思った
空っぽの冷蔵庫を

水の入ったポットに麦茶パックを突っ込み、思いっきりフリフリする
早く色が出るように…

そして慌てて冷蔵庫に入れ込む

┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈

「さて、どうかな?」
扉を開ける

「…たった一つ…余計に寂しいや…」
ボソっとボヤきスーパーに買い物に行く

牛乳と卵を1パックと自炊するのか謎だが気取ってキャベツ1玉 ほうれん草1束 買ってみたりした

スーパーのビニール袋を ぶら下げ
ダラダラと歩く
そして家に着くなり冷蔵庫に ぶち込んだ

┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈

「さて、どうかな?」再び扉を開ける

「……」
中身はギューギューに詰まっている
小さい冷蔵庫だから…

なのに 中身がない
スッカラカンの空っぽ

この中身には 意味がない
その場しのぎの穴埋めにすぎない

寂しい
虚しい冷蔵庫

まるで俺みたいだ…
中身がない
スッカラカンの空っぽ

意味をもたせたい
俺と冷蔵庫を…

寂しさで埋めないように…

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