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🟡【短編小説】気持ちのお手入れ

こんな気持ちになったらいけないと
奥底にしまい込んでいた

ずっとずっと蓋をして
鍵をかけていた

自分のことを少しだけ好きになれた
今なら出せる気がした

私の黒い気持ち
この子も私の一部だったんだ

私は この子は [ めっちゃワルだ ]と
思っていたけど、他の人からしたら
大したことないかもしれない


鍵を開け
蓋を開けた


出ておいで

心配そうに 黒い気持ちが顔を出した

少しずつ解放していこうね
大丈夫だよ
もう前までの私じゃないから
ちょっとは強くなったから


そう言って 撫でてやると
ぴょんぴょんと跳ねた


ずっとずっと耐えてたんだね
ごめんね
それから ありがとね

これからは表に出てきていいんだよ
これからも一緒に生きていこうね


そう言えた時
心が 暖かくなるのを感じた

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