【短編小説】ランタン灯せば
三連休の2日目
ボクは物置きを片付けていた
ふと、ホコリだらけのランタンに目が止まった
このランタンは学生時代、付き合っていた彼女からのプレゼントだった
電池式で外でも室内でも使えるもので
2人でキャンプやBBQするのに持って行ったり誕生日やクリスマスには室内で使った
部屋に持って行きランタンのホコリを
拭きとり電池を入れた
ぼんやりと明かりが灯(とも)る
ランタンの明かりを見つめていると
なぜだか彼女の [ふくれっ面] が浮かんでくるのだった
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「はいはい わかったよ ボクが悪ぅございましたw」
と言うと
「はい は、1回ですぅ」と
頬を膨らませて言うキミ
あまりにも可愛らしくてボクは
クスッと笑うとキミはムキになって
「ちゃんと謝りなさーい!!」
と言ってくる
そんなキミをギュっと抱きしめた
「もうっ 怒ってるのにぃw」と
照れくさそうにキミは笑った
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ランタンの明かりは
ほんわか優しくて
暖かくって
まるでキミのようだ…
思い出にふけりながら
穏やかな時が流れていった…
開けっ放しの物置き
放置されたガラクタ達は
いつ戻るかわからぬ主人を
のんびり日向ぼっこ しながら待つのだった