【短編小説】どうだっていいタバコ
タバコを買ってみた
なに事も経験だと思ったから
タバコを吸う人の気持ちを知りたかったから
…いや、違うな
アナタの気持ちを知りたかったから┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈
タバコを買ったのは1年前
透明のフィルムすら
剥がしていないまま
ベッドサイドのテーブルに
無造作に置かれている
アナタは気づかないんだね…
毎回、急に押しかけてきて
抱くだけ抱いたら
妻子のもとに帰って行くもんね
これっきりにしよう
毎回そう思うんだ…
インターホンが鳴った
ワタシの意志とは反対のことを
カラダはしてしまう…
また、アナタを受け入れてしまった
こんな関係を一年以上続けている
抱かれながら、ふとベッドサイドの
タバコに目が行く
あのタバコを買った時は、アナタを知りたいという好奇心だったと思う
もうアナタの気持ちなど、どうでもいい…
ワタシがアナタを求めてしまっているのだから…
どうだって…いいっ…
あのタバコは捨ててしまおう…
…あのタバコみたいに
アナタを捨てれたらいいのに…