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【詩小説】フロントガラスの夕焼け
フロントガラスに
夕焼けが映る
私は この時間が
好きで嫌い…
私と貴方だけの絵画
私だけの貴方
でも、この絵が見れた時
お別れ時間を意味する
「またね」
貴方は そう言うと軽くキスをした
「そんなのじゃ帰れない…」
私が言うと
[やれやれ またか]といった顔をして
貴方は苦笑いをしながら私を抱き寄せた
「夕陽が沈むまで…もう少しの間
こうしてて」
私が言うと貴方は、黙ったまま私の髪を撫でた
フロントガラスの絵画は
好きで嫌い…
[またね]が、いつになるかわからない
会ってくれる保証がないもの
車から私が降りてしまったら貴方は
妻子のもとに帰ってしまうもの
あたりが ぼんやり暗くなった
夕陽が沈んでしまった
「またね」
貴方は言った
フロントガラスの絵画も
この時間も
[またね]も
好きで嫌い…
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