【短編小説】ろくろっ首

" ろくろっ首 "って知ってるかい？

ああ､あの妖怪を思い出してる？
首が ビヨーン と伸びる
あの妖怪をさっ

残念ながら､現代には君たちが思い浮かべるオーソドックスな姿をした妖怪は存在していないんだなぁ

ははっw
そんなにガッカリしなさんなっ

…実はさっ…
姿を変えて存在しているよ妖怪は…

ほら､あそこをご覧よ

女
｢ずっとずっと 待ってる

ずっと ずっと ずっと ずーっと‪
首を長くして アナタを待ってる

アナタを待ちわびる日が
一日いちにちと積み重なっていく…

いくら待っても
お利口にしてても
アナタは来てはくれない…

なんで なんで なんで なんで…

こんなに待ってるのに
ワタシは アナタのこと愛してるのに

どうして どうして どうして…

返信こないんだよっ
ブロックしてんのかな…

わかった そっかぁ
こうすればいいんだっ!!

……迎えに行ってやるっ!!｣

ほらね
容姿じゃないんだよ

気持ちや想い 心が
ろくろっ首だったんだよ

君たちのそばに潜(ひそ)んでいるかもしれない…
姿を変えた妖怪が…